「ことごとくすれ違う、善意と愛。」葛城事件 sannemusaさんの映画レビュー(感想・評価)
ことごとくすれ違う、善意と愛。
人間ドラマかと思いきや、これはもはやホラーだ。
登場人物の誰しもが不気味に見える。
それを眺める自分含め、何が正しいか、まっとうか、なんてわからなくなり、まともな人間なんてこの世にはいないんじゃないかと思ってしまう、、
ほどのリアリティと説得力が本作にはある。
役者の巧さと監督の独特で執拗で無慈悲な目線が次元の高いところでぶつかり、終始異様な緊張感に満ちている。
息を潜めながら、じーっとみつめる。
この緊張感は「あの夜の侍」でも同じように感じたな。
でも本作の方がより、日常の中に潜む狂気、を濃く感じさせられた。
それでも、人生は続いてゆく。
救いはない。重たーい気分になりたいときに観るべき映画です。
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