「喜多道枝さんを偲んで おいでパトラッシュ」オケ老人! 野川新栄さんの映画レビュー(感想・評価)
喜多道枝さんを偲んで おいでパトラッシュ
俳優の喜多道枝さん
2024年11月6日東京都内の自宅で老衰のため89歳で他界
名前と顔だけだと全くピンと来ない人が多いだろうけどTVアニメ『フランダースの犬』の主人公ネロに声当てした人と知れば「あああの声の人か」となるはず
原作は『ちょんまげぷりん』『探検隊の栄光』の荒木源
監督と脚本は『ぱいかじ南海作戦』『バカ昔ばなし劇場版 じじいウォーズ』『ヒキタさん! ご懐妊ですよ』の細川徹
粗筋
就職前は交響楽団でバイオリンを齧っていた高校の数学教師小山千鶴
就職をきっかけに辞めていた音楽活動も地元の交響楽団のコンサートを聴き目覚める千鶴
さっそく地元の梅が丘フィルハーモニー楽団に入団したつもりだったが梅が丘交響楽団に入ってしまう
間違えて入った方は高齢者ばかりで下手クソな素人集団だった
辞めようにも辞めることができずもう片方の梅が
丘楽団に入り掛け持ちに
フィルハーモニーの方はとてもレベルが高く千鶴はついていくのも難しい状態でなんやんやで辞めてしまう
バイオリンから指揮者に転向した千鶴は先頭に立ち高齢者たちを引っ張る立場に
2016年公開作品
杏初主演映画
杏そのものが悪いわけではないがコメディとしては今ひとつパンチが足りない
コメディというより人情ものか
そっちにシフトが強い人情コメディは自分としてはなんかちょっと気恥ずかしい
子供の頃から苦手だった
梅が丘フィルハーモニー楽団は梅が交響楽団から抜けた大沢義郎を中心に結成されたエリート集団
残り滓の年寄りの集まりが梅が丘交響楽団
本編当初は酷いハズレっぷりだが大沢Jrが一通り楽器ができるのでお手本を見せたら皆さん条達
地元でコンサートを開くまでに
よくよく考えてみれば芝居なんだから楽器を本当に演奏しているかどうかなんて全く重要ではない
濡れ場のシーンを例に挙げると必ずしも本番をやる必要はないのと一緒
杏は芝居に自信がないのか生真面目なのか短期間でバイオリンが弾けるようになったという
コメディーでも真摯に取り組む
素晴らしいことじゃないか
だがメインは指揮者
指揮の方は経験があったのか
映画としては喜多道枝の遺作
彼女は最初から最後まで楽団のメンバーとして出演しているが台詞が少ない
終始にこやかだがあまり喋らないのだ
宝の持ち腐れだ
コメディだし彼女をフル活用してほしかった
なぜか高齢者のメンバーに森下能幸
当時50代前半で老け役
意味がわからない
杏は日本人女性としては背が高い方だがそれでも174センチ程度
年下の同僚教師坂下クンを演じた坂口健太郎は183センチもある
10㎝近く違いがあるようには見えないがまあいいだろう
女性はヒールは履くからそういうことだろう
こういっちゃなんだがやはり見栄えは良いのかな
自分より背が高い男性を求める女性がわりと多くても無理はない
威風堂々
うーんクラシックは好きなのでまあまあ星3
特にエドワード・エルガーに感謝します
配役
間違えて老人ばかりの下手くそなアマチュア楽団に入団してしまい指揮者を任せられるハメになる高校の数学教師の小山千鶴に杏
千鶴が勤める高校の生徒で秀太郎の孫の野々村和音に黒島結菜
千鶴の同僚教師の坂下に坂口健太郎
心臓の病で指揮者を辞めコンマスに転向した楽団の代表的人物の野々村秀太郎に笹野高史
クラさんことクラリネットの及川に左とん平
トミーことチェロの花田富雄に小松政夫
マーサことオーボエの花田昌江に藤田弓子
棟梁ことティンパニの戸山に石倉三郎
フルートの清水真弓に茅島成美
バイオリンの宮崎しま子に喜多道枝
ラバウルさんことトランペットの竹岡亮吉に森下能幸
和音の彼氏で義郎の息子の大沢コーイチに萩原利久
フランス人指揮者のフィリップ・ロンバールにフィリップ・エマール
通訳のアリノに飛永翼
梅が丘フィルハーモニー楽団のマネージャーに宍戸美和公
梅が丘フィルハーモニー楽団のコンマスで大沢電気の社長の大沢義郎に光石研