「別のことを考えてしまいました」アバウト・レイ 16歳の決断 琥珀さんの映画レビュー(感想・評価)
別のことを考えてしまいました
バルカン半島の紛争地域を舞台とした映画『ロープ』を観た後だったので、こんなことを考えてしまいました。
人間の苦悩の深刻さというのは、置かれた環境で比較するものではない・・・例えば、ほぼ戦時下で毎日どう生き延びていくかだけで精一杯の人と平和な都会で毎日どう自殺しようか鬱々としているだけの人をどちらがより深刻か、ということで比較する尺度はないし、そもそも意味は無いということです。
現代社会の人間が抱える複雑な懊悩について、一部の乱暴な人たちは(先進国の高年齢層に多いかもしれません)、恵まれた国の恵まれた環境における贅沢な悩みのように一括りにして、軟弱だ、とか、あり得ない、と決めつけて議論する俎上にもあげようとしないことがありますが、とても残念なことだと思います。
コメントする