マネー・ショート 華麗なる大逆転のレビュー・感想・評価
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これまた、一周回って「邦題絶賛論」
「キックアス」「マネーボール」「それでも夜は明ける」
ブラッド・ピットプロデュース作品にロクなものがない。作品内でも、作品外でも、自分がいいカッコをしなければ気がすまない。出れば、あからさまに浮いた役、出なくてもその「薄っぺらい作家性」を振りまく。
「マネー・ショート 華麗なる大逆転」
はじめはこの邦題はさすがに、とは思った。
だが鑑賞後、むしろほめたい気になった。
この副題は「それすら皮肉」であることは史実でもわかるからだ。
また一方、その邦題はこの「何の意味も持たない、むしろ有害な映画」であることを痛烈に皮肉っている。
それは「マネー・ショート」という訳の分からない造語だけでもよくわかる。配給会社はこの映画を「産廃」と理解しているからだ。
冒頭からこの映画は教えてくれる。
「わかった気になることが一番危険なことだ」
初めからこの映画は言っている。だがこの映画でわかることは何一つない。この映画で得ることは何もない。
銀行家にも歯車は存在する。
そんなことは一切無視し、一方的に空売りを仕掛けたものに「結果」の視点でしか描かれない。
こんなものでわかった気になることが全く恐ろしい。
それをこの映画ははじめから確信犯的に「わかった気になってはいけない」と逃げ道を作っている。
全く卑怯な映画だ。
それに輪をかけ、相変わらずブラッド・ピットが臆面もなく、悟った風にセリフを吐く。「薄っぺらさ」が際立つシーンだ。
全く気持ち悪い。
簡単に言えば、キャピタリズムは出鱈目つう事だ
『簡単に言えば』CDSとはリスクを保険として空売りする事。
要するにほぼ『詐欺』まがいのお話。
市場が暴落すれば、保険の値が上るって事。
但し、現在は規制されているので、そんな事は出来ない。
簡単に言えば、キャピタリズムはラスベガスのスロットマシーンって事。但し、これまでのコミュニズムはそれに国家が絡む。同じ市場主義。本来のコミュニズムは実現されていない。
この映画で『気づかなかった』『読み違いだ』と言うがそれは虚偽であり、彼等は確信犯である。勿論、人の命なんて考えていない。
また、銀行とか個人を『間抜け』みたいに語っているが、みんな知っていて、悪者がいるとすれば、自由と民主主義を語るお国にあるんじゃないかなぁ?
格付けに関しては、対象が映画とかも考えた方が良いと思うね。
『分かった♥全部売れ!』
事の本質など分かるわけもない。
つまり、この言葉が本質を語っている。
そこまで華麗でも大逆転でもない
サブプライムローン破綻で儲けた男たちの物語
原作本も読んだことがあるけど
難解だったので、本作のほうがわかりやすい
登場人物の名前が原作本と違う人もいた
CDSやCDOなどの難しい金融用語がたくさんでているが
途中でメタ的に解説が入る
それでも難しい感じは否めない
本作は基本的に登場人物が
独立して動いており、個々人が設けるために
CDOの保険になるCDSを購入をして
CDOが破綻をすると、儲かるという仕組みらしい
中盤で破綻に賭けた登場人物たちが
債務不履行が増えているのに
なぜ債券は上昇しているのかわからないので
ラスベガスで市場関係者に会いにいくと
関係者はみんな楽観的で、格付け会社も機能していない状況だった。
ラストは登場人物たちは賭けに勝って大金を儲けるが
湿っぽい感じであまり華麗ではない
結局、投資銀行などにまともに責任を取らせることができなかったからなのか?
ラストで「ウォール街は看板をかけ替えたCDOを売っている」
と書いているので
今も金融危機の芽が育っている?
皆が一方方向を見ている中、現状を自分自身でしっかり評価し、周りと異なる行動を起こす姿のカッコ良さ
アダム・マッケイ 監督による2015年製作(130分)のアメリカ映画。原題:The Big Short、
配給:東和ピクチャーズ。
俳優陣が豪華でビックリ!そして、リーマン・ショックの実態は良く分かっておらず、そういう意味で大変に興味深い映画であった。ただ、この映画を見て、サブプライムローンやその派生商品について理解し、格付け会社のいい加減さも分かっただけに、多くの投資銀行が派生商品を売りまくったのが、信じられない思いがした。先々破綻するのは、めに見えてるのに。みんなで突き進んでいたらリスクに気が付かないというのが、多くの人間の性ということなのだろうか(先々明るいとはとても思えない中での日本の株高も同様?)。
そういう意味では、実に怖い映画であった。住宅ローンの幾つかが破綻しているのに、それらを寄せ集めた債券の価値が上昇するとは。実態とかけ離れても、盲目な大勢が上ると思えば短期的には上がるのが相場ということか。そういう中で、格付け会社の欺瞞を知り、冷静にバブル破綻を読んでいた人間が複数存在してというのは、米国社会の奥深さか。
そういう彼らに興味覚えたので、そのモデルも含めて列挙しておく。皆が一方方向を見ている中、現状を自分自身の目でキチン見て評価し、周りと異なる行動を起こす姿はなんともカッコ良かった。
マイケル・バーリ(クリスチャン・ベール)元神経科医の金融トレーダー。ヘヴィメタル好きで、常にTシャツ・短パン・裸足の変わり者。1971年生まれ、UCLA卒。現在でも、著名な個人投資家として影響力大の様。
マーク・バウム(スティーヴ・カレル)フロントポイント・パートナーズのリーダー。モデルはスティーブ・アイズマン: 1962年生まれ、ペンシルベニア大学及びハーバード・ロー・スクール卒。現在ニューバーガー・バーマン・グループのポートフォリオマネジャー。
ジャレド・ベネット(ライアン・ゴズリング)ドイツ銀行の行員。モデルはグレッグ・リップマン: 1968生まれ、ペンシルベニア大卒。現在,米国ヘッジファンドマネージャー。
ベン・リカート(ブラッド・ピット)引退したトレーダー。ジェイミーとチャーリーに協力する。モデルはベン・ホケット。
チャーリー・ゲラー(ジョン・マガロ)若手個人投資家。モデルはチャーリー・レドリー。
ジェイミー・シプリー(フィン・ウィットロック)若手個人投資家。ベンの隣人。モデルはジェイミー・マイ。
監督アダム・マッケイ、製作ブラッド・ピット 、デデ・ガードナー 、ジェレミー・クライナー 、アーノン・ミルチャン、製作総指揮ルイーズ・ロズナー=マイヤー、 ケビン・メシック、原作マイケル・ルイス、脚本チャールズ・ランドルフ 、アダム・マッケイ、撮影バリー・アクロイド、美術クレイトン・ハートリー、衣装スーザン・マシスン、編集ハンク・コーウィン、音楽ニコラス・ブリテル。
出演
クリスチャン・ベールマイケル・バーリ、スティーブ・カレルマーク・バウム、ライアン・ゴズリングジャレッド・ベネット、ブラッド・ピットベン・リカート、マリサ・トメイシンシア・バウム、カレン・ギランイーヴィ、メリッサ・レオジョージア・ヘイル、ジョン・マガロチャーリー、フィン・ウィットロックジェイミー、ジェレミー・ストロングヴィニー、
レイフ・スポールダニー、ハミッシュ・リンクレイターポーター、トレイシー・レッツ、アデペロ・オデュイエ、バイロン・マン、マーゴット・ロビー、セレーナ・ゴメス。
世界的金融危機のトリガーとも取れる出来事です
題名であるマネーショート(空売り)ですが映画内では空売りなんて誰もしていません。
空売りと同じ理屈でとあるデリバティブ(金融派生商品)が破綻することで儲ける方に賭けた人たちの実話に基づいた物語です
映画の中で核となるデリバティブ「CDO」は銀行や投資銀行が企画販売した商品です。
この中身が「優良株とか債券詰め合わせセット」と「そこそこの株とか債券詰め合わせセット」と「激ヤバ株とか債券詰め合わせセット」とその他数多の金融商品から成るものです。組み合わせ商品セットを組み合わせすぎて売っている側もその内訳がわからなくなっています。
混ぜるのも激ヤバが入っているのもハイリスクハイリターンだと説明して売れば構わないのですが、最悪なのは銀行や投資銀行は優良株が含まれていることをいいことにズブズブの関係にある格付会社にAAA(トリプルエー)の評価をつけさせたことです。
誰だってAAAでハイリターンなら買います。こうしてCDOは一般投資家や他所の銀行や投資銀行にも広く多く売られてしまいました。
サブプライムローンという言葉ばかり独り歩きしていますがこの「激ヤバ株とか債券詰め合わせセット」の中にサブプライムローンを債権化したデリバティブがそこそこ含まれているというだけです。
そしてもう一つの核となる「CDS」です。
こちらはCDOの破綻に備えた保険です。CDOにもしものことがあった場合、CDOが大暴落して大損こいた時に一定の金額が補償される保険証券です。
但し売る側はCDOが暴落するとか全然思っていないので映画の中でも「マジでこんなの買ってくれるの?バカじゃないの」って感じでニヤニヤしながら大量のCDSを売る様子が描かれています。
そしてそしてこのCDOの中身、目論見書を読み解き絶対破綻すると気づいた一部の人たち、個人投資家や小さな投資会社や二人で立ち上げたベンチャー投資会社などごくごく限られた人たちがCDSを買いまくるわけです。
CDSは保険なので掛け金が必要です。
CDOの数%にすぎないとは言え元がデカいので掛け金もバカになりません。
保険金はCDOが破綻しないと発生しないのにそれがいつか誰にも分からない状況です。
現実にサブプライムローンの焦付きがアメリカ全土で起こり始め、サブプライムローン債券が含まれるCDOもなんかヤバいのではと皆が少しずつ感じ始めます、それでも国や格付け機関が全然問題ないと公言するので腰を浮かせつつも逃げ始められない人たちの様子、CDSを買った人たち、CDOの破綻に賭けた人たちの「こんな状態なのになんで破綻しないんだよ」がドキドキします。
でもでもやっぱり現実は止められません。
サブプライムローンの焦付きがアメリカ全土で一気かつ大量に起こったためCDSを販売した銀行とか投資銀行、つまり破綻するCDOの補償金を払わなければならないところの株が大暴落します。その差はあれど億ドル単位を支払う義務のある金融機関はとても持たないだろうという投資家たちのごくごく当然の反応です。
株価は大暴落して多くの金融機関が破綻の危機に見舞われますがリーマンブラザーズを除く金融機関、ドイツ銀行やゴールドマンサックス、モルガン・スタンレー、クレディスイスなど多くの銀行や投資銀行は国益に対するダメージを理由に公金、つまり税金が注入されて救済されます。
リーマンが救われなかったのはとりわけCDOやCDSの取扱量が多かったこともありますが国とのパイプが他と比べて太くなかった。ズブズブ度が低かったためとも言われています。
この映画で最も見逃せないこととして金融危機の余波は一般企業や労働者を直撃して倒産、仕事や家を失ったということ。そしてダメージを負った人々は救われることなく路頭に迷い悲惨な現実を生きることになったということそして何よりCDOを販売した諸悪の根源である銀行や投資銀行を救ったのはそんな市井の人々が納めた税金という点です
そういう映画です。
資産運用や金融商品の勉強してる人なら、ハマるはず!
初めて見たのは2019年
もう何度も見た
自分は株やETF、外国為替で資産運用しているが
金融の知識がないと、何のことかわからないかもしれない
そういう自分も1回目見たときはよくわからない部分があり
調べてから見直した
実話が元になってるとのこと
サブプライムローン問題がやっと理解できた
(100%ではないが)
巨悪に対する告発状
アメリカの住宅ローンの仕組みとデリバティブ(金融派生)商品のオプション取引を多少とも知らないと理解が難しい作品。
本作品に対する評価は
①取り上げたテーマは良かった。
事実に基づいていてもいなくてもリーマンショックの裏側を扱った映画は皆無なのだから。
②邦題は完全に的外れ。
原題は"The Big Short" 直訳すれば”大いなる空売り”
日本語で”マネーがショート”と言えば資金が不足することを指す。
ましてやサブタイトルの”華麗なる大逆転”は完全にチョンボ。
まったく”華麗”ではないのだから。
③余計なシーンが散見される。
マイケルの少年時代のフットボールの場面、マークの少年時代にユダヤ教のレビが訪問するシーン、ジャレッドが劇中でストーリーを解説する場面など。
後のストーリー展開にさほど意味をなさないものが多い。
これでアカデミー脚色賞?
そんな無駄なシーンを探すのも楽しみの1つとは言えるけど。
④クリスチャン・ベールとスティーブ・カレルは熱演していたけど、ライアン・ゴズリングはイマイチ。
”スーパーチューズデー”でもそうなのだけど、彼は・・・・ (個人的な好みかも)
⑤これだけ世界的な恐慌を引き起こした関係者が誰も訴追されなかったことをもっと怒りを込めて訴えて欲しかった。
リーマン・ブラザーズ経営陣だけではなく、SEC(証券取引委員会)、FRB(連邦準備制度理事会)議長、格付け会社(ムーディーズ、S&P社)トップ など。
アメリカでは横領、脱税などの不正だけではなく、企業を倒産させた経営者が訴追、収監されることはよくある。ましてや今回のサブプライムローンに端を発した世界恐慌は犯罪そのものである。
リーマン・ブラザーズ以上にMBS、CDOを発行していたAIGをアメリカ政府は(世界的な影響が大きすぎて)救済したので彼らを訴追出来なかったのか。
一般人には見抜けないよ、あんなトリック…
世の中には頭のいい人たちがいたもんだ(つまり、途中細かいところ理解できなかった)。
小難しいんだけど、それを軽快なタッチで、途中にうまい解説混ぜつつ、よくここまで描き切った!
世の中の常識(たいてい大した根拠はない)を無視して自分の頭を信じられるか。
経済ゲームを制して手にする大金は善か悪か。
喉元過ぎれば~的に、あのサブプライムローン問題を引き起こしたのと同じような商品がまた売り出されているという最後の指摘にもぐっと来た。
生々し過ぎて...悲しい
金融商品は数理的・技術的に構築され、表面上見えない複雑さの中で均衡を保つ。その均衡はピサの斜塔のようでもある。保たれるはずが、我慢できなくなると。そして、年金や自己資金で将来設計をした市民が一番の被害者。近過去の出来事で生々しく悪夢を見るようだ。
そんな下でも、勝ち組はいる。映画はそんな人たちを中心に小気味よく展開されるが、結果が分かっているだけに、悲しくなってきて見ていられない。
ある程度の投資の知識は必須
私はよく映画レビュー語る時には「事前知識の有無」を言うんです。何故なら事前知識の有無は映画の評価に大きく関わると思うからです。ただし、この映画を語る場合は「投資の知識」についても語る必要があると思います。
株式投資などについての知識がないと分からない場面が多々あったので、それが分かるかどうかで面白さが変わると思います。実際、「難しくて分からない」というレビューも多く見掛けます。
私は3年前から投資を行っていてある程度投資の知識があると自負しておりましたが、それでも分かりにくい場面がいくつかありました。
でも、「分からない」で終わらせてしまうのは勿体ない魅力がこの映画にはあります。
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サブプライムローン問題を発端とするリーマンショックを予見し、アメリカ経済の破綻に賭けた4人の男たちの物語。住宅バブル崩壊を予見し、周りの反対を押し切りながらもCDS(クレジットデフォルトスワップ)によって一世一代の賭けに挑む。
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難しい金融用語やサブプライムローン問題に関する用語が特に説明も無くポンポン出てくるので、ある程度知識があることは前提になっています。日本以上にアメリカ本土での影響の大きい問題でしたので、アメリカのニュースとかで大きく取り上げられていたでしょうし、だからこその知識があること前提の構成なんだと思います。金融やリーマンショックに関する知識がある人なら良いのですが、知らない人からすると完全に置いてけぼりのストーリー構成です。
「CDS(クレジットデフォルトスワップ)」とか「モーゲージ」とか「サブプライムローン」とか、「S&P(実在する会社名)」「ムーディーズ(実在する会社名)」「ゴールドマンサックス(実在する会社名)」とか、何の説明も無くポンポン出てきます。企業名に関してはアメリカでは有名な超大手企業なので知っている人も多いでしょうが、投資用語に関しては大抵の人は分からないんじゃないかと・・・。一応申し訳程度に解説が挟まりますが、イマイチ分かりづらい例え話で説明されるので、やっぱりある程度の事前知識が無いと完全には理解できません。
また、「華麗なる大逆転」とかいう日本映画界の悪習ともいえる糞みたいな副題を付けてしまったせいで、「爽快な一発逆転劇」をイメージして鑑賞してしまった人からは概ね不評なのがレビュー見れば伝わってきます。世紀の空売りによって大博打を仕掛けた4人の登場人物たちですが、彼ら博打に勝つことはつまりアメリカ経済の破綻を意味します。自分たちが大金を手に入れたとしても心から喜べない社会状況なので、大逆転による爽快感は一切感じられません。そこがこの作品の魅力であると私個人は思っていますが、「華麗なる大逆転」を期待していた人にとっては「期待はずれ」と言わざるを得ないでしょう。
リーマンショックのあらましを理解した上で観ると本当に面白いので、面倒かもしれませんがリーマンショックについて軽く調べてから鑑賞することをオススメします。絶対に値下がりしない安全な投資先として誰もが疑わなかったアメリカの土地信仰・顧客を食い物にして私腹を肥やしていた悪徳銀行員たち・競合他社に仕事を奪われまいと本来の機能を失い形骸化した格付け会社。アメリカ経済の破綻を予見し、アメリカ金融界の闇と戦った熱い男たちの物語です。
消化不良…
豪華な俳優陣共演なだけに期待してみたが、端的に言うと金融専門用語が飛び交い、内容に付いて行けなかったし、盛り上がりに欠けてしまった。分かったようでわからない、モヤモヤ感。サブプライムローン、リーマンショックを描いているが、それをいち早く予見したクリスチャン・ベール、やライアン・ゴズリング他の面々が、当初は馬鹿にされながらも、結局は正しかったのだろうが、それを大成功として描いたり、大はしゃぎするシーンがないので、スカッとしない。ブラピが言う様に自分たちの成功は何百万人の失業、破産を意味するからなのだろうが、それじゃ映画を見てる方としてはつまらない。大逆転感が全くないし、実際は自分たちの生活を掛けて予見した通りだったのだから、大喜びしたと思う。聖人君子?のようなスティーブ・カレルには最後何を悩んでいたのか、全く共感できなかった。
逆張りに全てを賭ける!!そして、マーゴット・ロビーちゃんの金融商品解説がわかりやすーい💛
逆張り(空売り)に全財産賭ける。
自分を信じて流れが来るのをひたすら待つ、時に我慢の限界、怒り爆発。
そして、やっと訪れる、大逆転の兆し。
かたや、何故にほとんどの人は詐欺まがいの出来レースで愚かしいゲーム(金融商品)を信じていたのか? 皆がそうするから?
行動経済学者がブラックジャックのギャンブルに例えるくだり、今起こっていることが、将来も続くということなど無い。いつかひっくり返る。
空売りが成功し大金が入る事を大喜びするジェイミー達を「何万人の人々が失業するんだ」と諫めるブラッドピット演じるベン・リカート。
格付け会社に詰め寄り本音を引き出すも「(逆張りする)あなた達も偽善者」と言葉を投げ捨てられる、マーク・バウム。
ギャンブルに勝った後に残る虚しさも描いてある。
原作がブラピ主演の「マネーボール」原作者マイケル・ルイスのノンフィクションと後で知ってなるほどと思う。
味わい深い。秀作!
作中の殆どが待ち時間
邦題の華麗なる大逆転は間違っている。
本当に作品を観た人が付けたのか?
この作品から掴んだテーマは3つ。
①自分の目で見て考えろ
②選んだ選択を信じて辛抱強く待て
③仮に大きな賭けに勝てても、自分だけ得をして周りは損をしててもそれは本当に幸せ?
①はメインテーマ。
サブプライムローンの破綻など、立ち止まって自分の目で見てよく考えて、Googleが使えれば誰でも想定がつくような事。ウォール街や家を売る側にいたら実際の現場と離れててわからなくても、どんな社員も家に帰り地元があるでしょ?わざわざ郊外に行かなくても、経済に強いなら普通に生活の中で観察してれば予兆はなんらかでも掴めたはず。
でも、もし一瞬可能性がよぎっても、未来を想定できても、大船に乗ってる方が安心だし、周りと違う行動をしてリスクを払えば、変人扱いされるし、信頼を失う事もあるから、多くの人々は行動しない。
そして、羊の群れのように、盲目的に進んでいってしまう。
②そこに疑問を持てた者達は賭けを仕掛けたが、本当にサブプライムローンによる住宅バブルが崩壊して、読んだ筋道通りになるかという、疑心暗鬼の時間が作中の殆ど。諦めて途中で手放せば大きなリターンは得られない。チャンスをギリギリまで待って耐えたマークは本当に強いトレーダー。崩壊をいち早く予測したマイケルも批判に合うが、なんとか貫いた。ライアンゴズリング演じるジェレミーも、2年間の冷笑に耐えた。
果報は寝て待てと言いたいが、家族や生活が掛かってる実感があるからこそ、おじさんほどのんびり待てない。
まだ守るものが少ない若者2人は悪夢の予兆にはしゃぐが、そこに一喝するブラピ。まともで温かくて、良かった。
③待って、耐えて、やっと弾けたバブル。でもそれは、勝者が大金を手にするとともに、多くの不幸を意味する。それでも幸せを感じますか?まともな人間なら戸惑うはずだ。数十年金融界に身を置いてきた者達が出身銀行を否定する選択をして得たお金だが、同時に出身地の沈没も意味する。
経済界だけでなく、どこの業界も、絆や協力関係と言う名のしがらみに満ちていて、余程アウトローでないとそこから抜け出た単独勝負はできない。
でも、一生に一回くらい、個人的に莫大な資金を動かし、その責任を負って成功してみたいなとも思った。
多くはできないからこそ、その意味では、夢を見させてくれる作品。
もっと社会派かと思ったらかなり噛み砕いてくれていてわかりやすい。
そして、ちょこちょこ大物も出てきて、客寄せパンダ的に作品の豪華さを増しているが、それぞれの撮影は台詞さえ覚えていれば負担が少なさそうなシーンばかりで、マーク役と若手に注目が集まるような作り。室内シーンも多く、効率よく仕上がった作品だし、作中同様、ハリウッドの若手育成にブラピが携わる歳なのか、とほっこりした。
わかんにゃい
解説付きで見たい
専門用語も飛び交うから知識がないと戸惑うこと必須。
でも華麗なる大逆転って、全然華麗じゃなかった…。
もっとキラキラしてるかと思ったら
主役メンバー全員ちょっと影を落としていく。
世界経済の崩壊があるから仕方ないけど。
損失が出たときのための商品の多買いなんて、
失敗を期待して/見越してやるもの。
ベンも言ってたけど、主人公メンバーサイドが勝つということは、
貧しい人(しかもごく普通の一般人から)や多くの失業者を生み出すことにも繋がる。
ひとまずちょっと経済の知識がないと十分に楽しめない!勿体ない、もっと楽しみたい!と思う映画だった。
もっと勉強して出直します。
知識がなくてもことの緊迫感や当時の混乱が伝わってくるから十分面白いけど。
知識なくても興味なくても考えさせられる映画
タイトルしか見ずに内容全く知らずにレンタルしました。
最初、邦題のイメージから終わりがスカッとする騙し合いのような映画かと思って観てたのですが全然違いました。
映画の内容に拘りはなかったので気になりませんでしたが、同じように勘違いして観た人には退屈な映画かもしれません。
リーマンショックのお話で、私は株式や為替市場、サブプライムローン、リーマンショック等がどう言うものか…とか全く説明できず『なにそれ?おいしいの?』レベルです。
難しそうなので興味がありませんでした。
でも、この映画をみて当時どうしてあんなに世間が騒いでいたのかや、事の重大さが理解できました。
リーマンショックによりアメリカ経済だけでなく世界経済を揺るがし、多くの人達が家や仕事を失う中、その不幸を予想した数人が大金を手に入れます。
でも大金を手にしたと言っても、多くの人達が不幸になってしまっていると言う事実の方が強調されているので、喜ばしい映像表現は無く、なんだかすごく切ないような…なんとも言えない心苦しさを感じました。
こんな無知な私でも経済について興味を抱けた素晴らしい映画だと思います。
※ちなみに途中まで字幕で観てましたが内容を理解するのに少し苦労しそうだったので、吹替で最初から見直したらスゴく分かり易くなりました(笑)
船が沈むぞ。救命胴衣を着よう
映画「マネー・ショート 華麗なる大逆転」
(アダム・マッケイ監督)から。
タイトルの「ショート」は「住宅市場で空売り」を指している。
それくらいはわかったが、あとは経済に疎い私としては、
実話とわかっていても、あまりに専門用語が多くて、
作品を楽しむというよりも「リーマンショックが起きた背景」を
映画仕立てで学習した感じが強く残った。
作品中に突然のように表示される、有名人の言葉は、
監督の言いたいことを、短いフレーズで表わしているようだ。
「厄介なことは知らないことじゃない。
知らないのに知ってると思い込むことだ。マーク・トウェイン」
「真実は詩に似ている。ほとんどの人が嫌いだ。
ワシントンのバーで耳にした言葉」
「誰もが心の奥底では世の終末の到来を待ち受けているものだ。
『1Q84』村上春樹」
そして、経済の仕組みをこう呟く。
「給料は横ばいで、家は高騰。家は財産ではなく、借金だ」
だから「船が沈むぞ。救命胴衣を着よう」と叫んだのかもしれない。
この素早い「判断力」と「行動力」が、彼らを精巧に導いた、
そう言っても過言ではないだろう。
最後に気にかかるフレーズをメモした。
「彼は今でも一つの商品に絞り込んで、小さな投資を続けている。
それは『水』だ」
その「水」が、どう世界の経済に影響を与えているのか、
じっくり眺めていきたいと思う。
レンタル開始されたらもう一度見直します。
スティーブン・スピルバーグ監督の「リンカーン」を鑑賞した時にも思いましたが、
何であれ最低限の知識というものは必要なんだと改めて思わされました。
正しい知識を持って観るからこそ、その面白さ奥深さを理解できる。
そして自分はきちんとした知識を持ち合わせていなかったので、
この作品を十分に楽しめていないと言えます。
リーマンショックについてもおぼろげな事しか知らない人間だったので、
そもそものスタートラインにも立ててないのが恥ずかしい。
さておき。
自分のような知識がない人間でも、
ある程度楽しめる……否、衝撃を受ける内容でしたので、
知識がある前提で考えると、
4点分の濃い内容になっているのではと考えています。
一つ、自分でも言えることがあるとすれば、
「華麗なる大逆転」という邦題はタイトル詐欺です。
華麗なところなんて何一つない。
金融危機を予測し訴え続けても「そんなことおこるはずがない」と、
碌に考えもしない周りが聞く耳を持たなかっただけです。
決して誰にも何も告げず、自分たちだけ大儲けをしようと動いてわけではないですし、
誰かを出し抜こうともしていません。……していなかったはずです。確か。
周りから信用されない事に、
「ショート」をするのを成す術無くただ待つしかない状況に苦悩しながら、
自分たちが崩壊に巻き込まれないよう取引をしていたのは事実ですがそれだけです。
まるで何か画策しているかのようなタイトルと予告は、明らかに恣意的な解釈です。
アマノジャクが吠える時
ブラッド・ピットの『ジャッキーコーガン』は、世界金融危機…サブプライム問題を題材にした映画で、すっごく面白かった。
アダム・マッケイの『俺たちハイパー刑事』は、バーナード・マドフ事件(サブプライムが発端で明らかとなった金融詐欺)が元ネタで、面白かった。
原作『世紀の空売り』は、経済ドキュメンタリーとしてだけでなく人間ドラマとしても充実していて、すっごく面白かった。
なのに本作は、あんまり面白くないという不思議。
—
この映画、クリアだった原作と比べると、いろいろと煙にまいてるような気がするんだよなあ。経済用語がどうのというよりも、登場人物達がどういう人だったのか、映画だけでは描ききれていないような気がする。
いや、クリスチャン・ベールら俳優陣は流石に上手いんで、マイケル・バーリがどういう人物なのか分かったような「気分」にはなる。セレーナ・ゴメスが経済用語も説明してくれるんで、分かったような「気分」にはなる。
観客を分かったような「気分」にさせて、物語を進めていく。
これって、サブプライムな低所得者層から審査する格付会社の面々まで、皆、事の本質を理解せず「大丈夫」という気分だけで進んでいった金融バブルと、まるで一緒だなあと思う。
おそらく、この手法、かなり意図的にやっていると思う。(じゃなきゃ単に作劇が下手。どちらにしても、ニュース・書籍・映画・ドキュメンタリー等で散々ネタになってきた事柄を一から説明する気はない映画だと思う。)
この映画は、金融危機を具体的に描き理解させる事が目的ではなく、何も分かっていないのに進んでいく空疎な「状態」を表現するのが主眼なのだと思う。
『ジャッキーコーガン』で金融危機をチンピラマフィアの行動形態と重ねたように、今回は、金融危機をコメディ映画の形態と重ね、空疎な「状態」を表現した。「金融危機にまつわるあれこれって、まるでコメディ映画みたいでバカだったよねー」という批判が目的だったのではないか。
—
そういった映画に対して、大変申し訳ないんだけど「経済用語を予習すれば分かる」とか言うのはちょっと違うんじゃないのかなあと(すみません)。
スティーブ・カレル扮する金融家は、何も気付こうとしない世間に対して吠える。「お前ら何も分かってないのかよ、4歳児かよ」と吠える。誰も何も分かっていないのに「大丈夫」と信じる共同幻想に対して吠える。世の流れに逆らうアマノジャクでありモラリストでもある。
この映画自体に対しては、レビュアーのしんざんさんが「この映画でわかることは何一つない」と吠えてて、ああ、まるでカレルのようだと思いました。「空疎な状態」を表現している映画に対して、「わかることは何一つない」というのは、その通りなんだよなあと。
—
現実の金融危機は、コメディみたいな状態が甚大な「悲劇」を生んだ。だから、この映画も後半、悲劇に転じる。
その悲劇の転じ方が、ちょっとステレオタイプかなあと。ブラッドピットの「何百万人が職も家も失うんだぞ」という説教は、ニュースをみてれば当然分かることで、そこまで当たり前の事を言わなきゃ観客は理解しないと思っているのかなと。もうちょっと、観客を信じていいんじゃない?と思った。
————————
『ジャッキーコーガン』では、
金融危機の問題は今に始まったことではなく、昔からずっと変わってないでしょ、と批判してみせた。
19世紀初めの第二合衆国銀行の頃から変わってないでしょ、と結論づけた。(当時トーマス・ジェファーソンらは「大規模な詐欺行為」と批判したが金融政策は続行されバブルを生み出し1819年恐慌へとつながる。)
本作では「金融危機を招いたCDOと似た金融商品が、また売られ始めている」という警告で締められている。
今に始まったことでもないし、これからも続く。
本作で、カレル扮する金融家は泣く。クソみたいな仕組みに気付き、吠えるが、結局その世界を変えることは出来ないし、その世界の一員であるからこそ儲けることも出来る。だから、泣く。
たとえ泣いたとしても。この世界が続いていくとしても。いや、続いていくからこそ、アマノジャクは吠え続ける。いつか変わるかもしれないと信じて吠える。そういうアマノジャクが必要なんだと思う。
難しいが興味深い。
この映画は予習して見に行って、かつ2回見ると面白さがよりや深まると思う。何と言っても内容が難しいため、ただ単に見るだけだと内容を理解できない。
リーマンショックについて、少なくとも予習が必要だと思う。その予習におすすめの映画は「inside job」を見ておいたほうがいいです!
俳優陣も豪華でクリスチャン・ベイルはほんとにさすがとしかいいようがない演技を見せてくれます。
マーゴット・ロビーが途中にカメオ的に出てきたのが嬉しすぎました
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