「監督!それは白タク行為です!」人生タクシー kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
監督!それは白タク行為です!
イランは中国に次いで死刑執行が多いらしい。死刑推進派の男と、それに反対する元教師の女性。さらにパナヒ監督だと気づいたレンタルビデオ店の男。男の携帯の着メロはパピヨンのテーマだな!などと思っていたら、突然車を止められて、バイク事故に遭った血まみれの男を乗せる。いきなり遺言を語り始めた血まみれの男。まじで演技じゃないの?と疑ってしまうほどリアルだ。
イランのタクシーは相乗りが基本のようで、行き先が逆方向であっても乗せてしまうおかげで様々な人生が交錯する。監督の運転はとても上手いものじゃなくて、「ここで降りてください」などと客に平気で言うところなんて、かなりラフなスタイル。後半は姪を乗せての物語。彼女を通して上映できる映画とは?が説明される。そして、知り合いの元弁護士女性。映画監督禁止について語られる。パナヒ監督の『オフサイド・ガールズ』も影響を与えていたんだなぁ。
バラの花一輪をダッシュボードに置いて、そのまま姪を送る光景。さらにカラになったタクシーから金を盗む少年という刺激的なブラックアウトで幕を閉じるところも偶然にしては出来過ぎだと感じるが、狙い通りだったんだろうな・・・
【2018年ケーブルテレビにて】
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