「【イラン政府により、映画監督20年禁止令を受けた男の、映画愛、政府に対する想いをドキュメンタリータッチで描いた作品。】」人生タクシー NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【イラン政府により、映画監督20年禁止令を受けた男の、映画愛、政府に対する想いをドキュメンタリータッチで描いた作品。】
ー 私が、ジャファール・パナヒ監督作を映画館で観たのは、2018年に制作された「ある女優の不在」であった。
何処か、彼の師である、アッバス・キアロスミタ監督の”くねくね道”を想起させる面白き映画であった。
彼の師は、イラン政府の検閲を微妙にすり抜け、見事な諸作品「桜桃の味」を筆頭にした作品を世に出して来た。
だが、ジャファール・パナヒ監督は、幾つかの作品で、政府に目を付けられ、映画監督としては致命的な映画監督20年禁止令を受けてしまった。
それでも、彼は、様々な手法で映画を世に出している。ー
◆感想
・まずは、自国の映画を世に出さない姿勢を取った時点で、その国の文化度は、容易に分かると私は思う。文化を否定する国に未来は無いと思う。
・それでも、それに屈せずに、映画を世に出し続ける監督の姿勢に敬意を表する。
・今作は、監督自身がタクシー運転手として様々な自国民を載せて、街中を走る。
ー タクシー運転手とは、過酷な家業だと思う。どこの誰かもしれない人を乗せて目的地まで走るのである。色々な客が居るであろうに。
今作では、監督自身がイランの様々な人々を乗せる事で、イラン情勢が語られている。
<ラストのテロップが痛烈である。
この作品は政府の検閲を受け、国内では上映されなかった。
だが、国際的にはこの作品は多大なる評価をされたのである。
ジャファール・パナヒ監督の最新作を映画館で、早く観たいモノである。>
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