「監督のユーモアに乗る」人生タクシー mmkyさんの映画レビュー(感想・評価)
監督のユーモアに乗る
イランのこともジャファル・パナヒ監督のことも全く知らなかったのだけど、とてもよい作品に出会えたと思う。
イランでは自由な発言や表現ができないことを小さな子どもまでがわかっているという、一見すると住みづらそうな世界かと思いきや、映画に描かれる空気には閉塞感がなく、登場人物はみんな生き生きしていた。
映画を観ている間はずっと、役者の演技が演出なのかドキュメンタリーなのか本当にわからないほど。役者の演技のうまさと演出のうまさで巧みにつくられた"イランの普通の人々"がよりこの映画の本質をみせてくれたのだと思う。
タクシーという制限された空間といくつかの小さな定点カメラのカメラワークにもかかわらず、こんなにも豊かな物語を描ける監督の手腕に始終ワクワクしていた。
ジャファル・パナヒ監督の視点とユーモアはすごい。
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