「最後の10分。」人生タクシー bashibaさんの映画レビュー(感想・評価)
最後の10分。
この映画の背負っている社会的状況については、よく知りませんし、それを知ったからといって、映画の評価が左右されるのはあまり感心しません。自由に撮影できない環境があって、このようなせせこましい、作品になったのでしょう。最初の70分間には閉口しました。タクシーに乗り込む人間がよく喋り、うるさいことこの上ないのです。そして、その話が極めて断片的であるので、何が何であるのか、全く、理解不能でした。正直、なかなか、ひどい作品だなあ、と思っていました。しかし、最後の10分、双子の老婆と再会するために泉のところまで、タクシーを走らせるところから話は大きく動いてゆきます・・・。
イラン社会の一断面を生々しく切り取った佳作です。社会派の映画に高評価を下す傾向の強いベルリン国際映画祭での金熊賞も納得できます。
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