「【戸籍無き子供達を借金取り立てに使っていた“母さん”がコインロッカー番号“10”の名を持つ娘に一目置いていた訳。今作は、若きキム・ゴウンとキム・ヘスの愛憎の演技が物凄い作品なのである。】」コインロッカーの女 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【戸籍無き子供達を借金取り立てに使っていた“母さん”がコインロッカー番号“10”の名を持つ娘に一目置いていた訳。今作は、若きキム・ゴウンとキム・ヘスの愛憎の演技が物凄い作品なのである。】
■地下鉄のコインロッカー10番に捨てられていたイリョン(キム・ゴウン)。闇金業を営む“母さん”(キム・ヘス)に育てられた彼女は、生きるために“母さんのどんな指示でもするようになる。
ある日、父親の借金を背負う料理人の青年のパク・ソッキュンのもとを取り立てで訪れた彼女は、彼の優しさに心惹かれてしまう。
◆感想<Caution!内容にやや触れています。>
・最近、映画館で映画を観る前に流れる予告編で、キム・ゴウンさん主演の6月公開の映画が物凄い数が映し出される。
40回位見たであろうか。お陰で、苦手な韓国語なのに、キム・ゴウンさんの台詞がチョビッと言えるようになってしまったぞ。
と言う訳で、少し前からパブロフの犬のようにキム・ゴウンさん出演映画を観ているのである。
・今作は、地下鉄のコインロッカー10番に捨てられていたイリョンを演じるキム・ゴウンさんの前半は、笑顔無き演技と闇金業を営む“母さん”を演じる名女優キム・ヘスさんとの愛憎が物凄い作品である。
・勿論、”母さん”の多数の子供達のキャラも立っていて、細かい突っ込み処はあるが、流石韓国映画には参るよなあ、と思いながら鑑賞したモノである。
・”母さん”も自分の母を殺していた事をイリョンの前で告白するシーンで、酒を韓国風に指でピピっと撒くシーンからの、イリョンがパク・ソッキュンの復讐のために”母さん”を刺した時に、”母さん”がポケットから取り出した地下鉄のコインロッカー10番の鍵。
そして、ソファーに座って”母さん”を弔う線香の前で、酒を韓国風に指でピピっと撒くシーンは、構成が抜群に巧いなあ、と唸ったのである。
<今作を観ると、ヤッパリ韓国ノワール映画の凄さを再認識するし(というか、三晩に一遍は再認識している気がする。)若手の名女優になりつつある、キム・ゴウンさんはスンゴイ若き時から、凄い女優さんだったのだと思わされる作品なのである。>