「蟲」無限の住人 ガブさんの映画レビュー(感想・評価)
蟲
タイトルは聞いたことがあったが原作は全く読んだことがない。
予告で観た不死の体と木村拓哉の殺陣に興味をそそられ観てみることにした。
冒頭の百人斬りは圧巻だった。
この作品は思いの外、手足がスパスパ切れていくのであまり好みではないのだが凄惨なシーンではあるものの、体を切り刻まれながらも必ず町の怨みを晴らそうと全員を殺すという強い意志を剥き出しに戦ってる姿に凄味を感じた、このシーンは一番好きだ。
町と凛は一人二役。
旦那を殺され呆けた様子から一転、二天一流を極めようと鋭い眼差しになる杉咲花のギャップが良かった。
戸田恵梨香を捕まえて、あんなおばさんのどこがいいのと少し嫉妬している凛の姿も可愛らしかった。
そんな戸田恵梨香演じる槇絵の殺陣は美しく素敵だった。
一方、不死を得た万次の剣技は荒々しく捨て身な戦法が多い。
一刀流の刺客との戦いも不死でなかったら普通なら死んでる戦いばかりだ。
技に頼らなくても死ななければいつかは勝てる、だからこんな戦い方になっていたのだろうか?
不死を活かして磨き上げた鋭い剣技を期待していたので、ここは少し残念だった。
万次の戦い方でもう一つ特徴があるのが多彩な武器の数々だ。
あの衣の一体どこにあんなに武器を隠し持っているのか、まるで四次元ポッケである。
刀を口に咥えた時、木村さん=ワンピース好きというのも相まって、まさかの三刀流が脳裏をかすめたのは私だけではないはずだ!
元が漫画だからか皆、個性的な性格と容姿のキャラクターだったが主役級の役者が揃い踏みし見事に演じていたと思う。