「粗探ししよう、ぐらいに思ったのに」ヴィクトリア(2015) kohakineさんの映画レビュー(感想・評価)
粗探ししよう、ぐらいに思ったのに
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またどうせ宣伝文句で引きつける系で、拍子抜けするだろう、と思っていたら、恐ろしい緊張感で、最後まで駆け抜けた。
最初の数分はカメラワークに酔ってくる。これいる?というシーンも無いとは言えない。
だが、中盤からのスピードは前半それがあったからこそのものだと思えてくる。後半に向けての疾走感とラストシーンのギャップもとてもよかった。
あり得ない展開、という意見もあるけれど、果たしてそうかな?と思える。ワンカットだからこその演出と演技力が十分にリアリティを出していると思う。寂しさが彼女にああいった行動を起こさせたと思えた。きっちり編集されてないからこそリアルだった。
演技力に関しては、ワンカットでなくても素晴らしい気がするが、演出は、シーンの切替が無いからこその、音楽やフォーカスで工夫が凝らされており、リアルタイム→24、ワンカット→数々の有名作品(最近だとバードマン〜かな?擬似ワンカット)、若者の銀行強盗→オレたちに明日はない(他たくさん)と今まで何度も観たことのあるものなのにも関わらず、既視感は全く無かった。
自分もその場にいるような感覚が、演劇に近いようにも感じて、新しい映画体験だったように思う。
とりあえず緊張しすぎて、映画館を出た時に、ふかーーーく息を吐いた。
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