「【堅物で傲慢な外科医が医学生の息子が神父になりたいと言った事により、オロオロし、イロイロ画策するもムショ帰りのカリスマ神父と出会い、仲良しになり人間性を取り戻すアイロニックなヒューマン・コメディ。】」神様の思し召し NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【堅物で傲慢な外科医が医学生の息子が神父になりたいと言った事により、オロオロし、イロイロ画策するもムショ帰りのカリスマ神父と出会い、仲良しになり人間性を取り戻すアイロニックなヒューマン・コメディ。】
■天才だが性格に難ありの心臓外科医トンマーゾ(マルコ・ジャリーニ)は、医大生の息子アンドレアがある日突然「神父になりたい」と宣言して動揺する。
派手な言動で人気のピエトロ神父(アレッサンドロ・ガスマン)に息子が洗脳されていると睨み、素性を偽って教会に潜入する。
そしてふたりは対立するも、やがてまさかの友情が芽生えて行く。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・トンマーゾの妻、カルラ(ラウラ・モランテ)が息子から”母さんみたいに、なりたくない”と言われ、拗ねちゃってワインがぶ飲みし、使用人クセニアの部屋に籠るシーン。
ー クセニアがぶすっとした顔で”狭いから、早く仲直りしてください。”とトンマーゾに言う所が、何か可笑しい。-
・トンマーゾがピエトロ神父に近づくため、医院の女性医師や娘の婿ジャニンなどを偽の家族に仕立て上げるシーン。
ー ジャニンは身体が不自由な役をやるように、言われるのだがそのジャニンの普通になったり、身体が不自由になったりするシーンが可笑しい。不謹慎だなあ。-
・アンドレアはあっさりと、”神父になるのは止めた”と言い”、ピエトロ神父にも随分前に言ったというシーン。
ー ピエトロ神父、全て知りながらトンマーゾに教会の修理を刺せていたんだね。クスクス。-
・トンマーゾはそんなことを経験しながら、少し人間味が出て来て、カルラにワインを注ぎ、料理を供するのである。
ー 嬉しそうなカルラ。-
・トンマーゾがピエトロ神父と徐々に仲が良くなり、洋梨の実がぽとっと落ちた時に”神の思るし召し”と言われるるシーンと、ラストシーンの対比が絶妙である。ピエトロ神父が陽気にミニバイクに乗っている時に車と衝突し、病院に意識のない状況で担ぎ込まれるのである。
ー 皆が心配する中、トンマーゾは目の前で洋梨の実が落ちるのを見て、少し微笑むのである。-
<今作は、ユーモラスな風合の中、家族や友人との絆や、信仰って何だろうと考えたり、生死って何だろうとやんわりと考えさせられるアイロニック風味を利かせたヒューマンコメディである。>