ヒトラーの忘れもののレビュー・感想・評価
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地雷埋め過ぎ!
わかりやすい作品でした。
軍曹が少年兵達に名前は聞いたけど歳を聞かなかったのは何故だろうと思って聞いてしまうと情が更に芽生えてしまうからなのか..
軍曹としては軍曹失格だけど人間味のある人というのは伝わった。あの任務教官をやりたくないというが本音だと思う。
少年兵達の演技も緊張感が伝わってくる演技で素晴らしかった。
心が休まる暇がない、でも観るべき映画
過酷。
軍曹も、辛かっただろう。終わったばかりの戦争、憎むべき敵兵、危険な地雷処理をさせるのもむべなるかな。
しかし、やって来たのは十代の少年兵たちとは。
だからと言ってどうにもならない環境で、ただ救われるのは、少年たちが失わない希望と、自らの身の危険を呈してもその希望をつなぎ止めようとする軍曹の人間性。
モノが地雷なだけに、微かな幸せの後に突然訪れる悲劇その繰り返しで、 心が休まる暇がない。正直、疲れました。
辛いけど、観るべき映画、知るべき過去、戦争の悲劇。
ラストに救われた?私達はこの事実に、徹底的に打ちのめされるべきだったと思います。
ちょっと前に、やっと観ました。
『ヒトラーの忘れもの(2015)』
原題 Under sandet
(あらすじ)
第二次世界大戦後のデンマークの浜辺には、ドイツが埋めた200万個以上の地雷が残っていました。その地雷を撤去したのは、強制的に連れてこられた、10代のまだ幼さの残るドイツ人兵でした。
※注 絶賛コメントではありません。
まず、なぜここに地雷が残ったのか?ですが。
ノルマンディー作戦は、ご存知ですよね?
ドイツ的には、連合軍はこのデンマークの浜辺から上陸すると考えていたのです。
しかしまんまとフランスのノルマンディーから上陸されたので、そのまま地雷が残ってしまったという訳なんです。
そして本作の元になった残酷な歴史は、デンマークでもあまり知られていないようですね。
劇中くりかえし、「ナチがしたことを忘れるな」という台詞が出てきます。
"ナチがしたこと"を、1つ間違えばふき飛ぶ地雷撤去でドイツの子供達が償うんです。
その命をもって。
この子供達を監視する役目が、ラスムスン軍曹(ローラン・モラー)。
最初は罵声を浴びせ、食事も与えず、人として扱わなかったラスムスンも、地雷で亡くなる少年の最期を見て、また真っ直ぐな目をした賢い少年セバスチャン(ルイス・ホフマン)と接するうち、考えを変えていきます。
犬一匹と暮らすラスムスンの背景は全く語られませんが、セバスチャンと語り合う姿に父親の横顔を見ました。
ま、色々とあったんでしょうね。
映画を観ていて、悲鳴を上げたのは初めてです!
またスクリーンを直視できなかったのも、初めてです。
それほどまでに、子供達が地雷を撤去する姿は息苦しかった。
緊迫感。ハンパないです。
でも正直、それだけの映画になってしまっているようにも思えました。
この点は、後半語ります。
この映画を観なければ、ずっと知り得なかったデンマークの残酷な歴史。
そういった点では、観る価値は多いにあると思います。
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しかし。
(絶賛コメントが多いので書くのどうしようかなと思ったんですが)
本作を観た場合、私はエンタメ作品だなって思ったんですよ。
なんでそう思うかというと、それはラストにあります。
エンタメ作品っていうのは、ラストに辿り着くまでに紆余曲折あっても、最終的にみなが分かりやすい、王道の結論(平凡なラスト)に辿り着くもんです。
本作の場合、憎しみからは何も生まれない。
互い許し合おう。
そこに、希望が!だと思うんです。
分かりやすいです!
だから、エンタメです。
あ、エンタメが良い悪いって話ではないです。
合計14人の子供達、ほぼ素人さんを使ってるんですよね?
そんなリアルな演技をする子供が、地雷で(両腕とか)吹き飛ぶ!
この出来事を、エンタメ的な着地にして良いものか。
いや、しちゃいけないことって、絶対にあると思うんですよね。
ここ、凄く違和感がありましたね。
製作者側の姿勢に、いやらしさを感じてしまったんです。
それはきっと、私が捻くれてるせいでしょう。
すみません。
あと、ラスムスンと各子供達が心を通わせるエピソード&心理描写があまりにもテンプレ過ぎます。
コストがかかってなさすぎる。
子供が爆死するとこには、コストがかかってるのに。
多感な時期の少年達が、神経すり減らして日々生きているんですよね?
もっと心の機微を、丁寧に描いて欲しかった。
あと、こんな残酷な出来事があったんですよ!
以外にも、「手紙は憶えている」のテーマの1つように、当事者はいないけれども、その子供達、その孫達が、悲しい歴史を背負って対戦国とどう関わるのか。
という今後の我々の課題が見えるラストであれば、良かったのに。
最後に。
いつもの邦題問題です。
劇中、ヒトラーは出てきません(笑)
デンマークの原題はUnder sandet=砂浜の下。
英語タイトルはLand of mine=地雷の土地。
この英語タイトル、個人的には秀逸だと思います。
"地雷の土地"とも言えるし、"私の土地(デンマークでありドイツ)とも読める。
※2015年東京国際映画祭では、"地雷と少年"だったらしいです。そしてラストに救われたという感想が多くてびっくりです。あんなこと、実際はなかったのに。多くの子供達が救われなかったのに。私達はこの事実に、徹底的に打ちのめされるべきだったと思います。
第89回アカデミー外国語作品賞ノミネート
ということで、見に行くことにしたけれど、見始めてすぐにしまった見るんじゃなかったかもしれんと後悔し始めました。
なぜなら、地雷を除去する話ということは、当然地雷が爆発するシーンも出てくるわけで、しかもそれはびっくり箱のように、突如「バン!」とくるわけです。
そんな心臓に悪い映画なのです。
戦争が終わっても残るもの
そこらのホラー映画より緊張と恐怖が満載の作品
冒頭の訓練から言いようのない緊張が伝わってくる。
少年兵達の手の震え、息遣い、ピリピリした空気、地雷撤去の方法は単純だなのだがそれ故に些細な振動で爆発してしまう現実。
ハートロッカーの様に爆弾処理を行うのが主人公だけならばある程度の緊張は有れど最後までは死なないだろうと予想もできるが、本作は少年兵達なので誰がいつ爆発するかわからない。
鑑賞中は自分も死と隣り合わせに居るような感覚だった。
少年兵と軍曹の関係がとてもよかった。
大人と子供、戦争の理不尽な状況で憎み合い、信頼し合い、許し合う姿は切なく感動的で心にずっしり来た。
鑑賞後は緊張と悲しみとやるせなさでグッタリしてしまったが、見てよかったと思える作品でした。
デンマーク側で制作した事も素晴らしいと思う。自分達の行いは道理ではあるが、非道でもあるわけで決して語りたい歴史ではないはずなのに勇気を持って世界に発表した事は最大の反戦活動になったのではないだろうか。
劇中セリフより
「お前たちが埋めた物だ、お前たちが撤去しろ」
言ってる事は正論だが組織の責任を末端が負うなんて。
大本もとを辿って責任を負わせたいがそんなの居ないわけで、結局戦争自体が間違いだと気付く。
責任を押し付けるような生き方はしないようにしようと思った。
砂に埋もれた歴史
抜群のロケーションの中で起きる惨劇が脳裏に焼き付き、迫真の演技に胸を打たれた。
憎しみの矛先を向けるべきはあの少年兵で無いのは明白だが、それは平和の世に生きてこその考え。
時代も人種も違う彼等に対して、真の哀悼を捧げる事は難しいが、せめてその歴史と無念を心に留めたい。
負の遺産を次の世代へと相続させる現状は、未だ無数に埋まっている。
まず向き合うべきは地雷そのものでは無く、それを掘り起こす者である。
忘れてはならない戦争の置き土産
第二次大戦後、ドイツ軍によってデンマーク領に置き去りにされた220万程の地雷。(デンマークは欧州地域では1番多かったという。)
それをある地域で撤去するドイツの青年兵の物語。
14人の青年兵達(最初は12人+2名追加)が一列に並ばされて地雷を撤去するのである。
最初に撤去を命じられる海岸には4万5千個の地雷。
3ヶ月で1人1時間平均6〜8個撤去しなければならないのには驚きだ。
地雷処理で失敗し次々と亡くなっていく青年兵達。
それでも命令するデンマーク軍曹。
軍曹はある時は情けをかけ、ある時は非情になる。
「ある意味しょうがないな」と割り切らなければ観れないシーンが多々ある。
最期は(私の気持ち的に)ある意味救われたのだろうか?
ただ、戦争を知らない今、戦争を経験した事がない私達は記憶として留めておかなければならないのは確かだ。
評価は難しい。「是非映画館でどうぞ!」や「オススメ出来ません!」とも言えない。
良く出来ているんですけどね〜
可もなく不可もなく。
泣ける映画でもありますが、グロテスクな映像もあるので女性は気をつけてくださいね。
最期に名演技していた犬を褒めたい
哀しい砂浜
ドイツ降伏によりその占領下から5年ぶりに解放されたデンマーク。その海岸沿いに仕掛けられたナチスの地雷撤去のため、駆り出されるドイツ人少年兵達。
少年達は、母親を恋しがったり、兄なしでは眠れないと言ったり、母国の復興を夢見たりと、あどけなさが残ります。
ドイツ兵を憎むデンマーク人達の心情を責めることは出来ないけれど、そのはけ口が、所詮人員不足で駆り出されただけであろう、素人同然の少年達に向けられるべきなのか。
少年達は自国の未来を築く重要な財産。しかし敗戦した大人達の後始末のために、彼らの多くが、身代わりで罰を受けるように犠牲になったことを知りました。皮肉にも自国の地雷で一瞬にして吹き飛ぶ彼らの生命と希望と夢。
少年兵達を監督する軍曹からは、ドイツへの憎しみを抱きつつも、少年達の士気を維持して地雷撤去を進めなければならないというジレンマがよく伝わってきました。鬼軍曹の側面はあるものの、結局少年達を道具としてではなく、人としてみてくれたことが救いです。
淡々と進む中で、いつ地雷を踏むかという緊張感があります。双子の兄を失って、狼狽し放心状態になる弟の姿に涙しました。
あっ?‥これは?…(本題に続く)
(タイトルからの続き)デンマークでの話だった!のですね?…。
ロシアのカリーニングラード*1での話かと?…。取り敢えずは、今月は厳しい状況なので、来月に鑑賞出来るように整えて鑑賞*2させて戴きます。
P・S
用語(*)の説明をさせて戴きます。
*1旧ソ連で、第二次世界大戦後に、国連の承認はおろか‥東ドイツ(当時のドイツ民主共和国)との独立(占領からの解放)を条件にソ連(今のロシア)領に割譲され西(現在の統一ドイツ)も、その後承認して、現在の地図構成になってます*3。
*2この上映は地元の最大都市(福岡市)のみでの上映なので?…来月末(最終木及び金曜日)迄(まで)の上映を?…!。
*3尚、今ドイツ国内で移民排斥で話題の極右政党は…敗戦後の領土接収を認めてません!ので、日本では報道されてませんが、欧州ではこれも…頭痛の種になってます。
至るところに残る戦争の傷跡
タイトルが示す「ヒトラーの忘れもの」とは、第二次世界大戦中にドイツ軍がデンマークの海岸線に埋めたまま残った数十万の地雷のこと。
原題は「LAND OF MINE」(地雷の土地)。
1945年5月、デンマークはナチス・ドイツの占領から解放される。
ドイツ軍兵士たちはデンマーク国内から退去するものの、残されたままになっているものがあった。
それは、ドイツ軍がデンマークの海岸線に埋めたままの地雷。
その数は数十万。
デンマーク軍は、それら地雷の除去作業をドイツの少年兵たちに行わせることに決定した・・・
というところから始まる映画は、その後、ある海岸線での物語として展開される。
デンマーク軍のラスムスン軍曹(ローランド・ムーラー)が、14名のドイツ軍少年兵たちに地雷撤去作業を行わせる。
作業は原始的。
地面に腹ばいになった少年兵が、棒で地面を突き、感触で地雷を発見すると手で掘り出して、信管を抜くというもの。
少しでも手元が疎かになると、たちまち爆発してしまう。
映画での描写は、緊迫極まる。
観ている方も息を飲み、最初の爆発(まだ訓練中に起こる)のとき、海岸線での作業での最初の爆発のときなどは、思わずを声を上げてしまったほどだ。
戦争の傷跡、といえば、たった五文字になってしまうが、その傷跡はいたるところに残される。
こんな秘話があったなんて知らなかったが、理解が容易な傷跡も描かれる。
それは、デンマーク国民の心に残した傷跡。
つい先日まで敵だったドイツ人は、デンマーク人からみれば「鬼畜」「唾棄すべき存在」「生きていることすら許したくない存在」。
だから、このような恐怖極まる作業に、冷徹に向かわせることができる。
登場するデンマーク人は少なく、ラスムスン軍曹とその上官、そして、浜辺にぽつんと建つ小屋に住む農家の女と幼い娘。
彼らは皆、ドイツ人を憎んでいる。
夫を、両親を、子どもを、仲間たちを殺した敵として。
ラスムスン軍曹も鬼のような形相で、少年兵たちに作業にあたらせていたが、ひとりひとりと爆死するうち、少しずつ心の内側が変化していく。
この軍曹を演じるローランド・ムーラーが素晴らしい。
少年たちに対して、赦し、命を認め、約束し、最後には、希望を与える。
この映画、デンマークとドイツ合作。
それを考えると、意味深い。
何を憎めば明日がみえるのか
鼻をすするのも憚られる位に静かで緊張感のある映画でした。国という概念が消え去ってもきっと無くならない戦争。何も知らないで見ると「コワモテのおじさんのやるせない憤り」と「哀しい少年兵」の話に目が向いてしまうだろう。いやそれでも充分ではあるが。
戦争で疲弊しきった心の行き着く先みたいなものが、時に地雷という代弁者を得て噴出し、自分のなかからも何か得体の知れないものが沸き出してくる。そんな力のこもった作品に思えました。
哀しいかな。70億人が観たとしても、きっと戦争はなくならない。
鑑賞後の帰り道…
ずっと足がすくんでいた。高所に居るわけでもなく地に足が着いているというのに…。アスファルトの下に地雷が埋まっているのではないかと、一歩を踏み出すのが怖くなってしまっていて。
第二次世界大戦直後、デンマークの海岸沿いにナチス・ドイツが埋めた2万個以上の地雷撤去を強制された敗残ドイツ軍の少年兵たちと、彼らを指揮するデンマーク人軍曹とを、史実に基づき描いたこの映画。
ここまで苦しくて眼を背けたくなる映画は初めてかもしれない。いつ地雷が爆発してしまうのか…という緊迫感が延々と続く、どんなホラー映画よりも恐ろしくてトラウマ級だった。。
デンマークの海岸は純白の砂が天国のように美しくて…しかしそこで行われている地雷撤去作業はまさに地獄のように残酷であり…こんなことが現実に行われていただなんて信じ難かった。戦場の兵隊や戦時中の一般市民、または戦後立ち上がって復興していく人々を描いた映画は多いけど、終戦直後の最も悲惨な状況を描いたこの映画は、最大級の反戦メッセージだと思う。
戦争の後始末の道具としか見ていなかった憎しみの対象であった少年兵が、1人また1人と失われていき、いつしか祖国に帰してあげたいと思うようになる軍曹。だけども、やり場の無い”戦争”への怒りを結局は目の前の少年達に向けるしか出来ない苦悩も抱え…。軍曹役の彼の表情が移ろう演技は凄かった。
最後、僅かに残った少年達が解放された時、観ているこちらもやっと少しだけ緊張から解放された感じがして、自然と涙が溢れた。
2017年の始まりに、凄い映画と出会ってしまったかもしれない。
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