「国境へ走る姿に、振り返る姿に唯一救われた」ヒトラーの忘れもの 溝ッチさんの映画レビュー(感想・評価)
国境へ走る姿に、振り返る姿に唯一救われた
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理不尽、ただただ、理不尽で悲しい。感動する映画でもなく、いやされる映画でもなく、ただただ、どこまでもきれいな映像と音楽のすべてに、気がつけば戦争の理不尽さが埋まっている。戦争のつけを敵国の捕虜で払わせる残虐さ、そこまでさせる憎しみ。どこまでも青い空と白い浜辺、映像と感情とのコントラストにも表れているのかもしれない。かわいそうでかわいそうで、ラストに、解放された犬のように振り返りながら、おびえながら懸命に走る姿に、ほんの少しでもほっとして、よかったと思える自分ありました。登場人物が幼いから、残虐さが際だって、映像美と相まって、一番感動する映画で一番むなしい映画でした。もう二度と見たくないけれど、DVDを買ってしまうでしょう。もう一度みる気持ちにはなれないかもしれないけれど・・・深い感動がありました。「よかった」とは思えない、みなきゃよかったと思う気持ちが強いのに、心が揺さぶられて涙する映画でした。
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