「何を憎めば明日がみえるのか」ヒトラーの忘れもの lynx09bさんの映画レビュー(感想・評価)
何を憎めば明日がみえるのか
鼻をすするのも憚られる位に静かで緊張感のある映画でした。国という概念が消え去ってもきっと無くならない戦争。何も知らないで見ると「コワモテのおじさんのやるせない憤り」と「哀しい少年兵」の話に目が向いてしまうだろう。いやそれでも充分ではあるが。
戦争で疲弊しきった心の行き着く先みたいなものが、時に地雷という代弁者を得て噴出し、自分のなかからも何か得体の知れないものが沸き出してくる。そんな力のこもった作品に思えました。
哀しいかな。70億人が観たとしても、きっと戦争はなくならない。
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