ボーダーライン(2015)のレビュー・感想・評価
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タイトルなし
不気味な静けさと共に徐々に緊迫感を帯びて行き、暗闇の先やこの先の展開に引き込まれ、一気に見れた。正義感と戦いながらも無力さに葛藤するエミリー・ブラント、法を破ることも辞さない麻薬撲滅チームリーダーのジョシュ・ブローリン、何と言っても、妻子を殺され人生を破滅に追いやったメキシコカルテルへの復讐に静かに残酷に実行に移すベニチオ・デル・トロの演技は圧巻。静けさが不気味。
死ぬのでは?の連続で緊張感が凄くあった。最後はうーん。なのだけれど...
死ぬのでは?の連続で緊張感が凄くあった。最後はうーん。なのだけれどそこ以外はとてもとても面白かった。容赦無い復讐。車で移動の時とかセリフない場面での没入感がすごく喉が渇いた。
不穏な空気と緊張感!
やっぱり「緊張感」と書かれてる方いますよね、わかります! 別の映画のレビューにも書きましたが、安全な場所(自宅や映画館)から絶対に行きたくないような危険な場所が舞台の映画を観るのが好きなので(笑) 冒頭の襲撃シーンやメキシコに到着してから現地の警察車両に守ってもらいながら移動するシーンが好きです。 エミリー・ブラント素敵でしたが(笑)・・・真の主役はデル・トロだったんですね! 家族の仇は絶対に打ちたいですよね・・!
麻薬こわい
最初のところを居眠りしてしまい、巻き戻さずに見たので、かなり分からないまま後半までよくもリタイアせず見れた。
が、それも、暗くて何か起きるに違いないと思わせる道中や、メキシコの尋常でないリアルな姿などが、飽きなかった理由。
アメリカがメキシコ移民を入れたくないのも分かる。メキシコやコロンビア、南米の治安、貧困はどうやったらまともになるのか…。
後半になり、仕掛けや罠、潜入の理由、色々分かってきてから一気に面白くなり、最後は切なく終わった。
ベニチオデルトロが古屋一行にちょっと似てるけど、スゴく良かった。彼には生き延びて欲しいって思ってしまった。
「サノス」を従える「チェ」
Dビルヌーブ監督は「複製された男」で自分史上最も難解なテーマを突き付けられたのもあり少し敬遠していたが、脚本のシェリダン氏が昨今巷で話題で、じゃあ遡ろうかと今作鑑賞。
文字通り、「サノス」と「チェ」がメキシコの麻薬カルテルに挑むのに、綺麗所連れて行こうか、て感じ。
「チェ」のデルトロはセリフ少なく物静かだが存在感は「サノス」プローリンより圧倒的。
ケイトを連れて行ったのも、男を誘い出す道具として連れて行ったのだろう。
そのくらいアレハンドロの復讐心は凄まじく、マットもそれを利用してる。
ケイトはそこに利用されてしまった事を、サインする事で止む無く受け入れ、自分の中の「ボーダーライン」を越えてしまった。それでも止まらない悔しさが、あの銃に込められたのでしょう。
件のシェリダン脚本ですが、今回は面白かったが唸る程でもなかった。また他の作品で味わおう。
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自宅にて鑑賞。原題"Sicario"。ハードでシリアスな内容に張り詰めた空気感を伝えるフィルターと照明を駆使した眉目良い画面が全篇を支配する。後半にJ.ブローリンの“マット・グレイヴァー”が明かす真の狙い(作戦)に度肝を抜かされる。腐敗に対し裏社会との妥協を見出す利己的な国家の思惑を実現する為のシナリオや素性を明かさぬキャラクターを配したミステリー仕掛けの作りは、他国を巻き込むと云う規模の違いこそあれ、韓流に近いテイストだが、各人の私情や恋愛が深くストーリーに絡まない分、更に後味が悪い。65/100点。
・ストーリーとは裏腹に不釣り合いに思える程、多用されるどっしりと構えた全景を捉えるアングルと一見長閑で静的なカメラワークに決して邪魔をしない乍らも微かに低く奏で続けるBGMやSEが独自のテイストとリズムを産み、アーティスティックな世界観の形成に寄与している。
・内容が内容だけにレイティングの考慮と云うよりも作風として、ゴア描写やバイオレンスシーンはスチルや動きの少ない画として登場するのみとなっている。具体的には、それらを暗示させる(水責めに対する大きなウォーターボトルや排水口のアップ等の)静物や状況描写、或いは襲撃者の表情のアップやバストショット等、その瞬間は加害側のみの画とあくまで示唆的に止めており、直接的な描写を避けている。
・フラストレーションは残るもののカタルシスはなかなか得難いビターな物語と云える。事情が判らず、いきなり最前線に立たされ、現実を眼前に葛藤と焦燥を繰り返す常識人を通し、真相や真実が徐々に明かされる展開は有り勝ちでユニークだが、その先に待つラストはそこに至る迄、丹念に繰り返し描かれた日常との対比で残酷さと国家や闇組織と云う権力に対する個人の無力さが際立つ所謂“セカイ”系とは真逆の後味の悪さを残す。
・善と悪、或いは国境と云うダブルミーニングが巧くはまった邦題であるが、オープニングのテロップで解かれる原題に従うと、主役は“アレハンドロ”のB.デル・トロになる。単身、J.セサール・セディージョの“ファウスト・アラルコン”家の晩餐に乗り込み、着席した後の落ち着いた遣り取りや雰囲気は『キル・ビル Vol.2('04)』を想起した。
・屋内・屋外を問わず、計算された色遣いや引き気味が多い構図は、R.ディーキンスによるものだが、A.ウェブの『Crossings: Photographs from the U.S.-Mexico Border('13)』と云う写真集を参考に本作の撮影に臨んだと述べている。D.ヴィルヌーヴ監督とは『プリズナーズ('13)』、本作に次ぎ、『ブレードランナー 2049('17)』で、撮影として三度タッグを組んでいる。
・『ヴィクトリア女王 世紀の愛('09)』を観た監督が気に入り、“ケイト・メイサー”役としてE.ブラントにオファーをした。トレーニングを嫌う彼女は、第一子となる長女ヘイゼルを出産した四箇月後から撮影に加わり、これに応えた。
・小さな布石ともなっているブラジャーの件りは、米国の某フェミニスト団体が正式にセクハラだとコメントを出した。最近では珍しく女性が喫煙するシーンが何度かあるが、E.ブラントの“ケイト・メイサー”が吸う"Indian Creek"と云う銘柄は架空の物らしく、M.ヘルナンデス演じる“シルヴィオ”の寝室等でもこの煙草のパッケージが登場している。
・登場する一部の闇カルテルの名称は実在のものであると云う。"Los Estamos Observando(我々はあなたを見ている)"とのスローガンが写るメキシコの(シウダー・)フアレス市の当時の市長E.エスコバルは本作について、描かれているのは過去の出来事で治安は回復したと市民に鑑賞をボイコットするよう声明を出した。
・続篇として脚本のT.シェリダンが再び筆を執り、B.デル・トロ、J.ブローリンが続投、イタリアのS.ソッリマが新たな監督として、原題"Soldado(仮題、「兵士」の意)"の名の元に'18年リリースを目指し、製作中であると伝えられている。
・鑑賞日:2017年6月4日(日)
ドキュメンタリー感覚で観るべき作品
あまり多くを語らず、視聴者に委ねるところが多い作品です。場面場面の繋がりがサラッと描かれていてわかりにくいので、しっかり観ていないと私のように状況がわかるような、わからんような…というふうになってしまうので注意です。
鑑賞後に解説等を拝見して、自分なりにではありますが理解を深めてからレビューをしているので、そこはご安心ください。
物語の性質上、話をはぐらかされ続けるので、もやもやします。そうしてもやもやを抱えた先に、隠されていたことが明かされますが、わかってスッキリ!となるような内容ではありません。
終始重々しく、特に終盤は哀しさや虚しさ、息苦しさを感じました。スッキリ爽快な気分になりたい時にはおすすめできませんので注意。
彩度が低く、色あせたような色調が作品に合っていました。ドゥニヴィルヌーヴ監督は絵作りが上手いなあと思います。特にトンネル突入前の沈む夕日に浮かび上がるシルエットがとても格好良かったです。
主観での暗視スコープの演出は緊張感と臨場感がありました。
演技面も良かったです。エミリーブラント演じるケイトはキリッとしていて芯が強そうな女性なのですが、ストーリーが進むにつれて辛そうだったり物憂げな表情を見せるので、とても感情移入してしまいました。
ダニエルカルーヤも脇役ながらいい味出していました。本作の良心で癒し的存在です。
ベニチオデルトロはさすがの存在感で格好良かったです。彼が映ると画面が締まりますね。何を考えているのかわからなくて怖いけど優しさも垣間見えて、いいキャラでした。
作戦の動向よりも、疎外感にイラついたり、善悪のボーダーを越えた世界に心が付いていかず苦悩するケイト、の印象が強く心に残りました。
ただ、視聴者目線では、映画での所構わずドンパチする事態に慣れてしまっているので、本作が現実に忠実で、ケイトがFBIとしての規定や秩序を重んじてきたのがわかっていても、あまり共感はできませんでした。
むしろ作戦の内容や目的をはぐらかされ続ける上にFBIでは優秀とされているにもかかわらず、素人扱いされる無力感の方が辛かったです。
本作はドキュメンタリー感覚で観るべき作品なのだと思います。
邦題の『ボーダーライン』、私は好きです。そのまま国境の意味もありますし、善悪や倫理の境界の意味も持たせています。作品の雰囲気にもあっていると思います。
原題『SICARIO』(スペイン語で「暗殺者」)の方が脚本の意図に関しては伝わりやすいですね。視点が変わります。
余談になりますが、私は字幕で鑑賞しましたが他の方の解説を読んでいると、ニュアンスが伝わらないセリフがあることに気づきました。ラスト近い場面なので細かく書くことは避けますが、観ている時に違和感があった部分だったので納得でした。作品の雰囲気としては翻訳を簡潔に短くした方が似合うのはわかるのですが、意味合いが伝わるようにして欲しかったです。吹き替えだとどうなのだろうか。英語を聞き取れればそれが一番なのですがね。
これは、正義か、復讐か…
題材はアメリカ・メキシコ国境線で繰り広げられる麻薬カルテルとの攻防。
スラムの悲惨な描写が印象的。
麻薬捜査官の人間模様が複雑に絡み合うストーリー展開。
登場人物のバックボーンや考え方、捜査スタンスが、それぞれ違っていることがポイントなのだが…。
綺麗事やルールだけでは、治安を保てない世界で繰り広げらるアクションシーンに圧巻。
これは、真に迫った復讐劇ではないだろうか。
静かで熱い暗殺者
静かに青白い炎が燃え続けるような2時間。
その静かさで全編通して緊張感が満ち溢れたものになっている。
進行も登場人物もリアルに淡々と。
あるのはそれぞれの目的だけ。そのためには、感傷を一切廃した世界。
まさに狼の地。
ベニチオデルトロカッコ良すぎるな。
惜しい
ウインドリバーを観てドゥニ・ビルヌーブの映画ということで、期待してみた。
話としては面白いが、途中の間延び感と最後の相手のあっけなさが露呈していた。
麻薬組織も、最初は過激なシーンであったが、その後は何もなく、もう少し過激なシーンを見せてもこの映画的にはよかったんじゃないかと思った。
主人公も個人的に感情に左右されすぎてあまり好きになれずイラっとくる場面があった。
惜しい映画だと思った
重く,暗く,難しい
続編の鑑賞前に予備知識が必要だろうと思い,本作を初めて鑑賞したのですが,あまりにも深い闇,希望の見えない重苦しさを感じて,今となっては続編を鑑賞しようか正直迷っています。
冒頭から凄惨なシーンが描かれ,その後も緊張感と重い雰囲気が漂う中,次々とショッキングな映像が流れていきます。そして,そのほとんどが意味不明で,早々に置いてきぼりを食らった感じでした。
これは,エミリー・ブラント演じる,FBI捜査官ケイトも同じで,わけのわからないまま麻薬組織撲滅計画に組み込まれます。そして,しだいにその捜査手法や計画の実態が明らかになっていく中で,これまで貫いてきた正義や信念が揺さぶられていくという展開です。
最後まで考えさせられることが多く,見る者一人一人の正義や倫理を問われる,骨太の作品だと思います。ただ,そこに至るまでが難しく,それゆえ長く感じてしまいました。アメリカの地名にうとく,捜査組織や役割についての知識が乏しいので,よけいにそう感じたのかもしれません。それでも,メキシコとの国境地帯で何が起きているのか,その一端を垣間見ることができたのは勉強になりました。
アクションが売りではない
どちらかというと演技や映像で魅せるタイプの映画でした。
どっしりと腰を落ち着けて観れる安心感があります。ハラハラドキドキというよりは、淡々と残酷にストーリーが進む感じでした。
突入の前の夕陽のシーンは、とても現実とは思えないほど美しいと思いました。
地に足がついた恐怖
個人評価:4.0
凍りつくような緊張感がたまらない。
メキシコの秩序のない現実を描くこの作品は、他のどの映画にも無い、地に足がついたリアルな恐怖を感じる。
主人公であるエイミー・ブラントを完全にくっているベ二チオ・デル・トロが凄まじい迫力の演技。
あまりにも凄腕で冷酷な彼は、きっとジェイソン・ボーンでも倒せないとさえ感じる強さ。
最後にはエイミー・ブラント同様に腰から崩れ落ちるような感覚に陥る。
彼こそ本当の狼だ。
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