3月のライオン 前編のレビュー・感想・評価
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視野を広く持たなければならない。将棋しかねぇ~んだよぉ〜、って言っ...
視野を広く持たなければならない。将棋しかねぇ~んだよぉ〜、って言ってた桐山がどう成長していくか。後編へ続く。
将棋の対局をパチンという音と、後藤と島田の顔であらわす。
ときに心の声で会話する。
将棋がものすごくスリリングにみえる。
将棋の国の人たちの物語。
桐山を拾う家族、あかりひなたももの話は後編で。
2回目見たがやはり面白かった。
前に見たときに全く感じなかったのか忘れているのか、神木隆之介の演じる零と、自分の名前が漢字は違うが同じである。
まず、最初にレイクンと劇中で主人公が倉科カナらに呼ばれるのを自分に言われているように見てしまった(笑)
私は長年、倉科カナのファンで、前回にそれが理由で見たのに、なぜ感じなかった!?
倉科カナと出会うとこから始まってたんだなとあかりの役柄の重要性に気づく。
ストーリーも、もちろん素晴らしいのだが、この映画の素晴らしいと思うのは、役柄の個性の設定が1人1人独特で面白いこと、そしてそれを演じる俳優の演技力がすごい事である。
将棋の知識は無い自分が見て、将棋をさしてる場面が大半を占めているのに、こんなに飽きずに見られるのは、そのためだろう。
対戦相手1人1人が違って個性が強くて、誰一人テキトーな設定の相手がいない。
育ての父親の幸田(豊川悦司)にはじまり、安田、二階堂(染谷将太)、島田(佐々木蔵之介)、後藤(伊藤英明)、山崎、宗谷らである。他の脇を固める倉科カナや清原果耶、高橋一生らも今思えばなおさら、相当豪華である。
安田はDV父親みたいな設定、二階堂は幼馴染みで難病持ちのボンボン。
島田と後藤が面白かった。。2人の対局は良かった。真剣勝負が伝わる。手に汗握るとはこのことか。和菓子食べるシーンなどもユニーク。
島田は山形訛りの朴とつ、胃痛持ちだが、荒々しい闘争心も持ち合わせている。
後藤は目をギラギラさせた迫力がすごかった。攻撃的で闘争心むきだしで、実は病気の妻を看病する一面がある。
新人戦の決勝で零と対局する山崎も個性的で、人間味溢れる演技だったな。
考えたら、佐々木蔵之介と神木隆之介は20世紀少年の勝俣君つながりである。
20世紀少年での神木隆之介の登場には、すごい美男子が出てきたなと印象的だった。
もちろん神木隆之介の演技力は、誠に秀逸である、喜怒哀楽をよく表現していたし、悩みを抱えながらも立ち向かう力強くもはかない青年像をよく表現していた。
あとひとつ欠かせないのが子役が全員が演技力ありはまっていたこと、これはなかなか珍しい。
この映画は完成度が高い。
ながらみしただけだけど
邦画嫌いなので加点方式で評価してみる。
対戦安定の心情をセンスの叩く音で表現してるのが上手いなと思った。
ふだんあまり邦画をみないけど
こういう演出を見ると「邦画も頑張ってるんだな」と少し高感度あがる。
邦画にありがちな「取って付けたような意地悪キャラによる理不尽な仕打ち」も
そこそこ納得できる範囲の理不尽さでよかった。
デブのキャラや演技が良かった。
そのたった一手で、世界はまるで違う姿を現す
映画「3月のライオン 前編」(大友啓史監督)から。
物語自体は、静かなんだけど、全体に緊張感があって、
グッとくるシーンが多くて観入ってしまった。
将棋の世界の話で、こんなに夢中になるなんて、と苦笑い。
将棋の駒の動きくらいはわかるけれど、
こんなに激しい戦いだたんだ・・と驚かされた。
もちろん主人公の桐山零が、多くの人との関わりの中で、
少しずつ成長していく物語ではあるが、
やはり、この映画を思い出すためには、
誰が誰に言ったセリフ・・というレベルでなく、
「試行錯誤」しながら強くなっていく将棋という世界を
メモからピックアップすると、
「そのたった一手で、世界はまるで違う姿を現す」が
浮かび上がった。
さっきまで劣勢だったのに、その一手で形勢逆転、
そのまた逆もあり得る世界、それが将棋なのだと思う。
老若男女、将棋愛好者が多いもわかる気がするな。
P.S
零のライバルで親友の棋士・二海堂晴信役の染谷将太さん、
特殊メイクにしても、すごい変身ぶりに拍手。
後半も楽しみ
原作なんだろうけど、面白かった。一人一人の登場人物が丁寧に映されていていい。
主人公を含め、何かを背負って生きる。勝負の世界は孤独で厳しいく、将棋盤を通し命を懸ける姿と苦しみは伝わる。将棋の難しいところは知らないし、興味もないけど、後編も楽しみだ。
それにしても、染谷将太とは。いやあ、すごいメーキャップと衣装で驚き。動くの大変だったのでは?
漫画本やアニメ観てないと実写化
意味分かりにくいかも知れないと思います❗
将棋解らなくても観れます❗
解ったらもっと凄いけど…。
私自身将棋解らなく、
神木隆之介君や佐々木蔵之介さんや
甲本雅裕さんの役が特に似た感じで
他の方々も雰囲気が伝わりました‼️
有村架純さんと倉科カナさんは逆では?と思っていましたが
観たら、納得しました‼️
解らなくても好きな作品です‼️
威圧感と言うか、
圧迫感?凄かったです‼️
正直見所はストーリー以外
原作未読。
豪華キャストに惹かれて鑑賞したが、内容は微妙。
将棋の内容と言うかは完全に人間関係の話。
見所は随所に散りばめられている有村架純のセクシーシーンくらいかな。
後編のことも考えるとオススメ出来ない。
思ったより良かった
原作ファンなので、正直不安はあったが、雰囲気やキャストが良かった。
特に心配してた香子が、思ったより良かった。
残念なのが宗谷名人かな、全然原作とは違う。
ただ話は原作読んでないと、ちょっと置いてかれる感があるかも。
キャストさんの演技が素晴らしい
⤴キャストさんの演技が光ってました
⤴有村架純さんの新たな魅力にうっとり
⤴主人公の成長ストーリーも良かった
好みの作品ではなかった
四月は君の嘘は割と好きだったのでこの作品も見ました。
ですがなんだろう、淡々と人の感じを見て行く映画があまり得意ではないのと、好きなキャストさんがいないせいかあまり好みじゃなかったです。
つまらないわけではありませんが、面白い!!とはならず、後半もあるのかと思うと長いなぁって思ってしまいました。
漫画は読んでませんが、映画を見た感じだと漫画も読みたいとは思いませんでした。
面白い!
もともとアニメを見ていたので、実写も見に行ったのですが、アニメまたは原作を知らないで見ると分からなくなるほど早い展開でしたが、俳優さんの将棋を指すシーンはとてもリアルで迫力がありました。
川本家の三姉妹は、映画でもとても可愛いかった!特に、ももちゃん(新津ちせちゃん)の「ふくふくになって」という台詞が可愛いかった!
原作だいすきすぎ、キャストほぼほぼ希望通り、 こんなん見に行くしか...
原作だいすきすぎ、キャストほぼほぼ希望通り、
こんなん見に行くしかないっしょ!ってことでこの前(3月末に)見てきた。
前編というだけあって後編への序章感があったけど
れいちゃんが叫ぶシーンや、将棋シーンは
さすが実写!というだけの迫力があった。
私は将棋さっぱりわからんけど
将棋に命かけてる棋士のみんなの緊張感とかが伝わってきた気がする。
中でも佐々木さん演じる島田さんが大好きなんやけど
それを大好き佐々木さん(もうこれ佐々木さん以外ありえないけど)が
演じてくれて感動もある上に、めちゃくちゃかっこよかった。。。
前編の主人公は私の中では佐々木さんでした。
ちょこっとだけしか出ないけど、高橋一生演じる先生も大好きなので
高橋一生がいい感じにいい先生でとてもよかった。
後編も期待。
未完の傑作を映画化する試みはいかに。
羽海野チカ原作の超有名漫画の実写映画です。
アニメ化もされています。
アニメももちろん見ていますし、漫画は発売日には買って、
最新刊を読んでは泣き、前の巻、その前の巻を読み返して行き、
結局最初から読み直しちゃう。そういう力のある漫画です。
その思い入れの強い漫画が、映画化されるというわけですから、
見ないわけにはいきません。
昨今、人気漫画は映画化、アニメ化、ドラマ化されます。
一昔前は、メディアミックス≒原作改悪みたいなイメージを持っていましたが、昨今はそうでもないです。
や、そういうのもあるでしょうが、原作ファンをがっかりさせたくない、そのうえで物語を、映画なりドラマなりアニメという、メディアの中で再構築したい、という意気込みに胸熱になる作品が増えたと思います。
映画三月のライオンもまた、成功したと思います。
大変なプレッシャーだったと思いますが、お疲れ様でしたという気持ちです。
まず、キャストがよかったです。
ここが実写化の最初の関門ですからね。
神木くんが生きていてよかったなーと思いました。
香子は発表の段階ではえー?ちがくね?と思いましたが、有村香純の香子、いいと思いました。
後藤と島田は役者の実年齢と役柄が違いすぎね?と思いましたが、イメージはあってるので、まあよしです。
宗谷さんが、加瀬亮の透明感とよく合ってるなと思いました。
何より、ひなちゃんを、ちゃんとその年頃のお嬢さんで、選んでくれたことがとっても良かったです。
朝ドラの『あさがきた』のふゆちゃんで、
これまたNHKドラマ『精霊の守り人』の少女時代のバルサの、
清原果耶ちゃんですよ。2002年生まれですってよ、今年15歳。
まさにひなちゃんの年齢です。
それが、ほんとにホッとしました。演技もよかったですよー。
初々しくて。中学生らしくて。
あと、チビ零くんが、『ぼくのおじさん』の雪男役だった子ですね。演技うまいなーと思いました。
豊悦に「きみは将棋好きか?」と聞かれ、それにすがるしかなくて、嘘だけど「はい」といって将棋の神さまとの契約をした、というシーンが、たまらなく切なく、そこで最初の涙が出ました。
もちろん、二階堂も林田先生もよかったですよ。地味に重田君が森岡龍だったのもええ、気づいていますとも。あまちゃんで、若いころのアキちゃんパパ役だった彼です。
アニメは、原作漫画をほとんど構成も変えずに頭から順番にアニメに起こしています。なので、とても違和感なく見られますし、アニメならではの表現も味わえて、秀作だなーと思っています。
で、そんな成功したメディアミックスがあったうえでの、映画。
時間枠を考えると絶対構成を組み換え、エピソードを削る必要がある映画。
さてどう料理するんだ?というところにものすごく興味がありました。
しかも映画は前後編で物語を完結させなくてはならない。
でも原作漫画は完結していない、アニメも第二期が決まっていて
現在進行形なんですね。
そんな中でどう、描くか。
その点が注目でした。
前編は、零の生い立ち、川本3姉妹との出会い、幸田家・香子との関わり、将棋の世界での出会いが描かれました。
高橋くんの話がないくらいで、うまくまとまっていた印象です。
香子が漫画よりも踏み込んで描かれているなという感じがありました。
あと、後藤と香子って、どういう関係なのかいまいち漫画でもまだわかっていないんですね。そこんとこがどうなるのかなーっていうのが、後編へのフリとして感じました。
まあ、全編は序章なので、いいね!っていう印象だけです。
相変わらず、将棋の内容はわたしまったくわからないので
(駒の動かし方は知っているけどまともに取り組んだことがないので)、語ることができませんが。
新人王になったところで、後編へと続きます。
お話は、すでに漫画で知っているので、海街ダイアリーと同じで、次こうなるよねって先に想像して泣いちゃう感じでした。
映画の出来を評価するには、まあ、後編を見ていないとな、という感じですね。
やっぱり無くならない違和感
感想を一言で言うと、題名の通り。
①全体的にまだ内容は不明
全編全てをかけて、いろんな人の背景を丁寧に紹介した感じ。
まぁキャストも豪華だし、漫画に忠実だし?悪い気はしてないです笑
②やっぱり違和感!!!何なん?美女家族っておい!!
スタイル抜群、天真爛漫、めちゃくちゃお人よしの倉科カナ率いる家族の異常性にびっくり!!!!
出会い方もおかしいだろ!!!!!!
しかも、全員美人で、全員性格の良くって、セキュリティの甘い家庭など、まずあり得ない!!!!!!!!
原作どうだっけ?全然覚えてないけど、あの時点で幸せものだ!!!
いや、逆はあるよ?男なら、酔った女の子助けると思うよ?
けど、いやいやいや
女側からはないでしょ!!!!
オネェちゃん何でも拾ってくるよね、まさか今回は人間だとはってオーーーーーいいいいいいいいおかしいだろ!!!
③結局主人公は天才でモテモテ人生最高?
背景として親が死にました。拾われた家族でいじめられました。ってそれだけかよ!!!!!!!
今じゃ、天才棋士、さらに美女の家でたまに借りぐらしって、、、、
アリエッティかよ!!!いやいやナシエッティでしょ!!!!!
④総括してまぁまぁ
しゃあなし、後編をみにいくけど、期待は薄いね〜
以上
胎動
二部作の前編。
まさに、序盤。
作り手側と観客と、差し向かいで将棋を指してるかのように、着々と静かに…でも、確実に盤の上が整えられていく。
主に登場人物たちの背景が描かれる。
未だ、途中。
何も動き出さない。
前編という位置づけには最適な構成ではあるが…一作品としては、出し惜しみ感しか残らず、この作品単体での評価はし辛い。
まるで対局中の棋士のように…静かな外面とは真逆の内面を画面から感じた前編だった。
だが…其々準備は整ったように思う。
物語が動き出すであろう後編を。
この静かな前編があったからこその後編を。
雰囲気のあるキャスティングに煽られつつ期待感が上昇していく。
加瀬さんの佇まいときたら…素晴らしい!
全編でどんな作品になるのか楽しみにしたい。
葛藤
将棋は好きなので将棋にまつわる作品はみてる方なんですが3月のライオンは読んだことありません。
面白いと聞いてアニメは少しみてたんですが将棋というよりは人の内面を描いている様に感じたので途中でみるのをやめてしまいました。
神木くんが主演という事と映画だったら2時間だしみれるかなと思って観てみることにしました。
原作が漫画の為か見た目や性格に個性があるキャラクターが多かったですね。
染谷くんなんかは最初誰だかわからず、途中で声で気づいたんですがふくふくした演技がよかったです。
全然情報みてなかったんですが何気に好きな役者さんが多かったので嬉しかったですね。
ストーリーはやっぱりアニメの時に感じた零の内面の葛藤や家族への想いとか将棋よりは心の話が大きいなと思いました。
幸田家の子供たちのいじめっぷりや零に当たりの強い対局相手の棋士達はこんな人いるの?って感じで、普段の目にする棋士達は良い人ばかりにみえるので設定に違和感はあったんですけど、中継されないような場ではこんな人たちもいるのかなぁって感じでした。
感想戦もそこそこに去っていく名人もなにか微妙な感じがありましたね。
2時間尺だから、その辺りは仕方ないのかな。
そんな中でもいい人たちもいて、川本家の人たちや二階堂、学校の先生、島さん
幼いころに家族を失った零にとっては家族の温もりを感じられる場所なのかなって思いました。
先生は出番少なかったですけど好きでしたね。
零に接する姿が、思った事をズバズバ言うけどちゃんと零の事をわかった上でああいう会話してるんだろうなとか、応援して一人でガッツポーズとってる姿なんかはかわいいなって思いました。
島さんとの対局でも将棋を通して心の中で語り掛けてくるシーンは最高によかった。
まだ前編という事で後編に期待したいです。
※作品の内容および結末、物語の核心に触れる記述が含まれています。未鑑賞の方はご注意ください。
「気が遠くなりそうな日々を、ただ指して、指して、指して、指し続けて、そうして、今、僕はここにいる。」
将棋は人生そのものである。
どの強い駒を持っているかが最重要ではなく、手持ちの中のどの駒をどう進めるかの方が重要なのだ。
5つの永世称号を保持していた将棋棋士の大山康晴による「長所は即欠点に繋がる」や「平凡は妙手に勝る」という言葉がある。
まさに人生そのもので、自分がどんなに素晴らしい容姿や力や知識や財産を持っていても、その事に甘んじてばかりいたら一瞬で足元をすくわれる事もある。
逆に、相手がどんなに無敵の武器や技を持っていても、その事で相手に油断や隙が生まれ、いとも簡単に形勢を逆転できる事もある。
どれだけ強い駒を持っているかが重要ではなく、自分の手持ちの中でどの駒をどう進めるかを考えることの方が重要なのだ。
場の空気を読み、相手の心理を想像し、自分の出せる手の中から最良の選択をし、それを自ら決断するという様に、将棋は相手の出方を予測しながら現時点での最良の決断をするという決断力と、その選択肢を広げる為の新しい発想や柔軟な視点の変化、失敗を恐れない実行力などが求められる。
また、「諦めてはいけない」と言うのは簡単だが、必ずしも諦めないことが良いわけではない。時には潔く諦めることも必要だ。と羽生善治は語っている。
将棋も人生も、何を選択し、どう進むかは、人の心理=「心」の強さが大きく関わっている。
「落ち着け、桐山。まずは深呼吸しろ。広く見渡して、最善の道を探せ。」
人は「心」の成長が子供の頃で止まったまま大人になる事がある。
いろいろな理由で親からの愛情を受けずに(感じられずに)育ったり、子供の成育に悪影響を与える親のもとで育ち、成人しても極度に他人に愛情を求めたり、逆に愛情表現が苦手だったり、情緒不安定だったり、弱者に攻撃的だったり、言動が幼稚だったり、この様に大人へ成長してもなお「精神的悪影響」が残っている人を「アダルトチルドレン」とよぶ。
日常的な愛情表現の文化があまり無く、笑顔やユーモア精神に乏しい日本人。
そういう傾向にある親たちから育てられた我々日本人に「アダルトチルドレン」はとても多く、現在では社会問題にもなっていて、当然の様に本作にも何人か登場する。
兄弟がいる家庭では、下の子に親の愛情が注がれがちで、上の子ほど「愛情不足」を感じる傾向にもある。
いま「自己肯定感」を持てずに成長し、心が弱いままの大人が日本には年々増えていて、世界の幸福度調査で「先進国の中で最下位」という結果も出ている。
現代日本の社会問題である学力低下、自主性の無さ、我慢弱さ、いじめ、非行、ニート、無気力、犯罪、自殺・・・の原因と言われている。
「ずいぶん偉そうに言うじゃない。私から逃げたくせに。今度はこの人たちなんだ。得意だもんね。不幸ぶって人んちに踏み込んで、家族をめちゃくちゃに壊すのが!てか、お前ムカつくんだよ。負け犬でも見るような目しやがって!」
神木隆之介が演じる「桐山零」は、幼い頃に家族全員を失い、親からの「無償の愛」を受けることも無く、親に甘えさせてもらうことも無く、学校の進路や就職などの未来や夢を抱くことも出来ず、ただただ将棋だけの為に生きてきた。
有村架純が演じる「幸田香子」は、慕っていた父からの愛情がある日、自分に向いてない事を悟り、必死にもがき苦しんで努力しながらもなかなか上手くいかず、結局は父に人生を否定されたと感じ、深く傷つきながら生きてきた。
二人とも「自己肯定感」をほとんど持てないまま育ち、今、大人になろうとしている。
人は「自己肯定感」という心の土台、心の基礎がなければ「心」を大きく成長させることが出来ない。
幼少期の間に心に貯めておかなければいけない「自己肯定感」は、親からの「無償の愛」によって心に蓄積されていく。
人は、一人で、自ら「自己肯定感」を持つことは非常に困難なのである。
特に大人になってしまうとさらに困難になる。
「なに、おまえ、神?これはいい、これはダメ、全部お前が決めんのか?」
実写版『るろうに剣心』シリーズの監督で本作の監督も務めた大友啓史監督は『零の将棋人生は、育ての父である幸田に「将棋が好きか?」と尋ねられて「はい」と嘘をつくところから始まり「自分にとって将棋とは何なのか」という複雑な愛憎がずっとあり続ける。迷い悩み続けた先に何があるのか。零が何かを知る瞬間を見守ってほしい』と語っている。
そして『母親に「あなたはプロなんだから泣きごと言っちゃダメ」と怒られたこともあり、幼少の頃から俳優として映画やドラマの現場で大人に囲まれて架空の人物を生きてきた神木隆之介のことを「フィクションの申し子」だと感じている。零の「10代でプロ」の感覚はきっと普通の人は共有できない。でも神木隆之介ならできる。僕らが思いつかない、思い至らない様な所で、彼だから発見できる感情や表現がある』という監督の強い思いで神木隆之介はキャスティングされた。
原作者の羽海野チカは『3月のライオンは「将棋」をテーマにした作品ではなく「将棋を職業とした一人の男の子の人生」を描いています。私の人生も「漫画」がテーマでは無く「漫画を職業とした自分の人生」を生きています。「仕事=自分の人生」ではなく、それらは「両輪」のようなものだと思っています』とコメントしている。
「桐山は俺の恩人なんです。俺より強いやつがいる、俺より努力している人間がいる・・・。俺は独りぼっちじゃないんだって。」
1対1で81マスの盤と40枚の駒を使用する将棋。
その限られた制約の中で、どんなに強い駒を持っているかが重要ではなく、自分がどの駒をどう進めるかという知恵と発想が求められる。
自分がどんなに素晴らしい容姿や力や知識や財産を持っていても、その事に甘んじてばかりいたら一瞬で足元をすくわれる事もある。
逆に、相手がどんなに無敵の武器や技を持っていても、その事で相手に油断や隙が生まれ、いとも簡単に形勢を逆転できる事もある。
どんなに強い駒を持っているかが重要ではなく、自分が手持ちの中でどの駒をどう進めるかを考えることの方が重要なのだ。
将棋は人生そのものである。
何かに挑戦したら確実に報われるのであれば、誰でも必ず挑戦するだろう。報われないかもしれない所で、同じ情熱、気力、モチベーションを持って継続しているのは非常に大変なことであり、私は、それこそが才能だと思っている。/羽生善治
「死地に一瞬垣間見えていた、閃光のような活路。その、たった一手で、世界はまるで違う姿を現す。そうだ・・・答えは、決して誰かの横顔に問うてはならない・・・。嵐の中で自らに問うしかないのだ。」
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