「ライオンの成長。」3月のライオン 前編 ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
ライオンの成長。
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やっと「るろう~」以来の大友啓史を観た思いがするくらい感動
した。原作もTVアニメも見ていない状態だったが、あまり影響
なく素直に入り込める。主人公桐山零が於かれた状況を把握する
までのややミステリータッチな家族関係は、ヒール役の義姉にも
感情移入できる設定で、親子の絆以前に師弟関係のような、愛情
を勝負でしか量れない哀しみが浮かび上がる。有村架純はひょっ
としたらこういう役の方が合うんじゃないか?と思ったくらいだ。
家族を全員交通事故で失い、生きるために好きでもなかった将棋
を学び始めたという告白でこの子にはずっと安らげる場所がなく、
無償で愛されることを知らないまま生きてきたことにまず泣ける。
こんな境遇で生きるためには何でもやりこなさなくてはならない
(もちろん性格もあろうが)ことが神木隆之介の目線から表情から
心で呟く言葉から感じられるのだ。一見大人しく見えるが手強い。
とはいえまだ高校生。佐々木蔵之介演じる島田との対局で相手を
なめてかかって恥をかくあたりでまだまだ子供だと気付かされる。
彼を師匠に迎えた零がこれから様々な名士と渡り合うことが予想
される後編が楽しみ。それにしてもつい先日「聖の青春」を観た
ばかりの感覚からよく似た場面やキャラを連想してしまうのだが、
染谷くんが特殊メイクで挑んだ二階堂という役柄は原作と比べて
どうなんだろうなんて思った。かなり目立っているので面白いが。
(加瀬亮はやはりあの人を連想させるし。着物もよくお似合いで~)
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