劇場公開日 2017年3月18日

  • 予告編を見る

「将棋をやってみたくなる」3月のライオン 前編 ガバチョさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5将棋をやってみたくなる

2017年3月21日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

楽しい

幸せ

少年天才棋士桐山零役の神木隆之介がいい。不幸を一身に受けながら、年齢や境遇などでどうしようもなくもがき苦しむ姿をよく演じている。家族を一瞬でなくした時点で、どれほど不幸かと思うが、引き取られたプロ棋士の家で、将棋が強くなることでしか自分の居場所がないと覚り、必死になって努力するが、上達すると養父の姉弟と不和になってしまう。世話になった養父とプロとして対戦して負かしてしまう。彼の苦悩や葛藤は若さゆえでもあり、その意味では舞台は特殊だが一種の青春映画でもある。神木はとても似合っている。
将棋の勝負の世界の雰囲気もとても新鮮だ。特に伊藤英明と佐々木蔵之介の戦いは、真剣さゆえのおかしさもあって、とても楽しい。あんな風に将棋が指せたら面白いだろうなと思う。
前編なので、充足感はないが、後編に向けて、桐山零の成長や、川本姉妹、幸田香子との関りなどがどう描かれるのか楽しみである。

ガバチョ