ひつじ村の兄弟のレビュー・感想・評価
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えっ、そこで終わるの?
もふもふの羊さんがかわいい。
最後の方で一気に兄弟仲の雪解けがあるけど、急に終わった感。
あらすじにユーモアって書いてあるけど、そんなには無い。終始暗め。
日本人の演出家ならどんな表現をしたか? なんか笑えてくる。
プロパガンダを目的とした映画である。スクレイピーと言う羊や山羊に起こるプリオン病に対するアイスランドの政策に対しての抗議を表している。演出家の所属する団体をWiki◯edi◯すると直ぐに分かる。
僕も彼等の考え方には共感を持てる。しかし、スクレイピーの知識が無いので、大きな間違いである可能性はある。従って、アイスランドの農業政策に、日本人として物を申すつもりはない。内政干渉に値する。また、日本国に於いても豚や鳥の殺処分に付いては、僕自身に技術的な面が欠けているので、物を申すつもりはない。
だが、日本国の一次産業に対する政策は決して良い方向ではないと思っている。そして、政策が見直される前に、あの大災害が引き金となって、農業林業水産業は存続し難い物になってしまった。それを憂いている。憂国の思いだ。
従って、こう言った映画を採算を度外視して作るアイスランドの国民性を評価したい。日本人の演出家ならどんな表現をしたか?
なんか笑えてくる。
モコモコ羊とおじいちゃんズ
まず最初に言いたいのは、予告編で受ける印象ほどコミカルでハートフルな作品ではないということだ。見ようによっては全編ユーモアの塊だったと言えなくもないが、もっと残酷でシリアスな作品だよ。
だけど、裸のおじいちゃんと裸のおじいちゃんと裸の羊がアイスランドの自然の中で暮らす物語でもある。
それで、アイスランドにおける羊の重要性とか、伝染病のこととか、兄弟のこととか、見るべきところは多いけど、やっぱり一番重要なのは兄弟のことだろうね。
二人が40年も口をきいていない具体的な理由は明かされない。まあ、なんとなく観ながら考えていけば複合的な何かが見えてくるし、そこから派生して、兄弟の微妙な関係と、それが修復?と言っていいかわからないけど、ポジティブな変化を楽しむものだと思う。
だけど、牧羊家の人々が大変なことや、羊が可哀想なこと、酷く残酷な出来事、それらをよく理解した上でも、獣医の決めたルールには従わないといけないと思って、兄弟を応援する気持ちになれなかったのは大きなマイナスだったよね。
常にどこかにモヤモヤが残っていて、ラストまでスッキリすることはなかった。
カンヌ国際映画祭のある視点部門の受賞作だし、なんとなくわかってはいたけど、娯楽要素がちょっとばかり薄かったかな。
原題の意味は「子羊たち」
居場所を失くし、救いを求め山に登っていく迷える子羊たち。雪山は吹雪になり、裸のおじいちゃんと裸のおじいちゃんと裸の羊は、その中で殉教する。
アイスランドはキリスト教国だけど不信心だから見当違いの見立てだけど、自分ではなんか面白いなと思った。
削ぎ落した環境で描く兄弟愛
アイスランドで羊飼いをする、40年も口を利かない兄弟。
奇しくも、コンテストで優勝した兄の羊に疫病を見つけてしまった弟。
疫病の発覚で、その村全体の羊を根絶やしにすることになる。一頭も残してはならない。
その事実に感情的な兄は激昂し、冷静な弟は落胆する。
しかし、二人にとって羊は、人生そのもの。羊の出来こそ、人生の出来。だからこそコンテストに誰よりこだわり、自分を羊に強く投影する。
40年も口を利かない兄弟。つまり、40年も羊飼いをしていたということ。
まさに人生そのもの=羊は自分である。それが、一頭もいなくなることは、生きてきた証がなくなること。それだけは、ダメだ。他人(獣医)に決められていいもんじゃない!…と、羊を数頭隠して育てる弟。
ある日、兄にその事実を知られる。ほぼ同時に、獣医たちにも羊を隠していることを知られた弟は、仕方なく羊を兄の家に隠す。この行為自体が、兄を「羊飼い」として敬意を示しており、兄弟としての信頼が垣間見えた。
夜、山を越えて羊を逃がそうとする兄弟は、吹雪に見舞われ、弟は倒れてしまう。急遽かまくらをこさえ、裸で弟を温め、抱き合う姿は、なんとも美しい。兄弟愛が、人間愛が、描かれている。
羊たちが獣医らに処分されなかったことで、自分の人生が、生きた証が、「どこかで生きている」と思えるようになった。
兄が弟を裸で温めるシーンで映画は終わるが、あの猛吹雪に高齢の二人ですから、その後、二人が死んでいるかもしれない。しかし、そうだとしても生きた証は、羊は、自分たちの手で守り切った。それはそれで、ハッピーエンドかもしれない。
個人的には、酔っぱらって外で雪の上で寝てても生きてた兄の弟なので、二人は生きてるのだろうなーとも思います。観た後で想像を膨らませて、楽しめた映画でした。
アイスランドの田舎の小さな村の羊飼いの老兄弟の話で、40年も口をき...
アイスランドの田舎の小さな村の羊飼いの老兄弟の話で、40年も口をきいていないという仲の悪い兄弟の弟目線で描かれる。ある時、村のコンテストで優勝した兄の羊が不治の疫病と気づき、その結果村全体の羊が殺処分になる。希少で優良種の羊をみすみす全頭殺処分にさせるものか、と抵抗する兄はなかなか役所の言う通りにしないが、弟は表面的には全頭殺処分に応じながら数頭だけ隠して飼うことに。でも役人にばれてしまい、止む無く、自分と同様に羊を愛する兄に助けを求める…。
なぜそんなに兄弟が憎み合っているのかは描かれず、監督が描きたかったのは単なる「兄弟の愛憎」でもなく、むしろ私達が観た時には、アイスランドという国、極寒の村での生活や、羊飼いについて等の方に気づくことがあると思う。
兄の乱暴なキャラが少しコミカルで、静かだけど重さはない映画です。おまけとして、決して金持ちではない一人暮らしの弟(半ばおじいさん)の家の北欧インテリアも結構素敵。
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