「暗い雰囲気を見事に表現」ひつじ村の兄弟 SHさんの映画レビュー(感想・評価)
暗い雰囲気を見事に表現
ストーリーの暗さと映像が非常にリンクしていて、やるせない現実感がよく伝わってくる。
誰が正しくて誰に感情移入できるとか、そういった分かりやすい感情は起こりにくかった。それだけ複雑な問題を題材にした映画だったように思う。
解決策が見つからない現実的な問題を、兄弟という人間関係を通して表現しているのであるけれども、それがかえって現実問題から逃げているように感じてしまった。
ねじれた兄弟関係がユーモアなども誘って、エンターテインメント性を醸し出しているのは理解できるが、ラストには納得しかねる。半ばエンディング放棄のように感じてしまった。
醜い、そう感じて終幕。
別にそれはそれで良いかもしれないけれど、取り扱っている物事はそれだけで片付けられるものじゃないだろうと思うのだが…
あとひとつ何か別の終わりの絵が欲しかった印象。
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