ひつじ村の兄弟のレビュー・感想・評価
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羊さん、何処行った…?
♪︎アイスランドの羊~
…と言うと見る順番が逆になったが、あの“羊人間”ホラーがインパクト。
こちらは、羊を愛するおじいちゃんたちの話。
アイスランド辺境の牧羊の村。伝染病が襲い、羊の殺処分が命じられる。
代々牧羊家の老人グミーは危機を乗り越える為、弟キディーと協力する。
が、同じ村で隣同士に住んでいながら、40年も口を聞いていなかった…。
不仲の老兄弟が羊を通じて。
邦画だったら人情物語が期待出来そう。
もっとユーモアやペーソスあると思ったら、独特の雰囲気は醸し出すも、淡々とした作風。ちょっと引き込まれるものに欠けた。
しかし、それ以上に気になったのは…
終盤、吹雪でグミーが遭難。キディーが(文字通り)我が身で助けようとするのは兄弟の絆を感じさせるのだが…、
何だか急に極寒の地のサバイバル。
羊さん、何処行った…?
日本人の演出家ならどんな表現をしたか? なんか笑えてくる。
プロパガンダを目的とした映画である。スクレイピーと言う羊や山羊に起こるプリオン病に対するアイスランドの政策に対しての抗議を表している。演出家の所属する団体をWiki◯edi◯すると直ぐに分かる。
僕も彼等の考え方には共感を持てる。しかし、スクレイピーの知識が無いので、大きな間違いである可能性はある。従って、アイスランドの農業政策に、日本人として物を申すつもりはない。内政干渉に値する。また、日本国に於いても豚や鳥の殺処分に付いては、僕自身に技術的な面が欠けているので、物を申すつもりはない。
だが、日本国の一次産業に対する政策は決して良い方向ではないと思っている。そして、政策が見直される前に、あの大災害が引き金となって、農業林業水産業は存続し難い物になってしまった。それを憂いている。憂国の思いだ。
従って、こう言った映画を採算を度外視して作るアイスランドの国民性を評価したい。日本人の演出家ならどんな表現をしたか?
なんか笑えてくる。
モコモコ羊とおじいちゃんズ
まず最初に言いたいのは、予告編で受ける印象ほどコミカルでハートフルな作品ではないということだ。見ようによっては全編ユーモアの塊だったと言えなくもないが、もっと残酷でシリアスな作品だよ。
だけど、裸のおじいちゃんと裸のおじいちゃんと裸の羊がアイスランドの自然の中で暮らす物語でもある。
それで、アイスランドにおける羊の重要性とか、伝染病のこととか、兄弟のこととか、見るべきところは多いけど、やっぱり一番重要なのは兄弟のことだろうね。
二人が40年も口をきいていない具体的な理由は明かされない。まあ、なんとなく観ながら考えていけば複合的な何かが見えてくるし、そこから派生して、兄弟の微妙な関係と、それが修復?と言っていいかわからないけど、ポジティブな変化を楽しむものだと思う。
だけど、牧羊家の人々が大変なことや、羊が可哀想なこと、酷く残酷な出来事、それらをよく理解した上でも、獣医の決めたルールには従わないといけないと思って、兄弟を応援する気持ちになれなかったのは大きなマイナスだったよね。
常にどこかにモヤモヤが残っていて、ラストまでスッキリすることはなかった。
カンヌ国際映画祭のある視点部門の受賞作だし、なんとなくわかってはいたけど、娯楽要素がちょっとばかり薄かったかな。
原題の意味は「子羊たち」
居場所を失くし、救いを求め山に登っていく迷える子羊たち。雪山は吹雪になり、裸のおじいちゃんと裸のおじいちゃんと裸の羊は、その中で殉教する。
アイスランドはキリスト教国だけど不信心だから見当違いの見立てだけど、自分ではなんか面白いなと思った。
【”牧羊家の不仲な老兄弟の、羊の殺処分を逃れるための密やかなる隠し事。”スクレイパー、知らなかったな。それにしても、兄さん吹雪の中で倒れすぎ!凍死しちゃうよ!】
■アイスランドの辺境の村。
隣人同士の老兄弟グミーとキディーはともに優良な羊の世話に全人生を費やしてきたが、何年間も一切口を聞かない不仲が続いていた。
そんなある日、キディーの羊が疫病スクレイパーに感染している事をグミーが見つけ。すべての羊の殺処分が命じられる中、羊を守るため兄弟はついに協力する。
◆感想<Caution! 内容に触れています。>
・物凄く寒そうである。雪がビュービュー降っている。
・そんなある日、村の羊審査会でグミーの羊が優勝。悔しくなったキディーはコッソリとグミーの羊を調査に行くが、グミーの羊の一頭がスクレイパーに罹っている事を知る。
ー この辺り、シビアな話の筈なのに、何か可笑しい。-
・村の羊全頭の殺処分が決まる中、グミーはしょうがなく処分。キディーはキッパリと拒否。
ー 良いのかな?けれど、その後グミーの企みがキディーにバレる。仲が悪いけれども、羊愛だけは共通だね。-
■ストーリーとは関係なく、二人は紙で伝言しあい、キディーは何故か屡々、雪の上で倒れている。そんなキディーをグミーは、トラクターに乗せて病院の前でドスンと落として帰って来るシーンは可笑しかったなあ。
<そして、二人は村の固有種の羊を助けるためにある行動に出る。だが、激しい吹雪の中マタマタキディーは倒れる。
だが、今度はグミーはキディーを裸になって温めるのである。
今作は、アイスランドの大自然を背景に、人々と羊の悲喜こもごもがユーモアとペーソス豊かに綴られる作品である。>
心の距離以外も縮めるのかいっ💦
羊と共に歩んできた村で仲が悪く40年も口を聞いていない老兄弟が、羊の伝染病「スクレイピー症」を機にお互いの距離を縮める話🐏
羊コンテストで優勝した兄キディー。
その羊の伝染病に気がついた惜しくも二位の弟グミーは保健所に連絡。
優勝を逃した腹いせか⁉︎とグミーの家にライフルをぶっ放すキディー。
凄い兄弟喧嘩💦
(まぁ、吹っかけているのは兄だけだが😅)
羊の伝染病は村の死活問題。
しかも生活がかかっている。
殺処分断固反対のキディー。荒いし無頓着な性格。
やむえなしの冷静なグミー。大人しい冷静な性格。
かなり対照的である。
そんな対照的な性格の兄弟を楽しむのもこの映画の魅力でもある。
そんな兄弟がどういう理由でどうやって手を取り合うのか?
そこがこの映画の面白味なのでこれ以上は触れない。
(終わり方が癪に障るが)
伝染病が気になる今だからこそ楽しめたのも確かだ。
削ぎ落した環境で描く兄弟愛
アイスランドで羊飼いをする、40年も口を利かない兄弟。
奇しくも、コンテストで優勝した兄の羊に疫病を見つけてしまった弟。
疫病の発覚で、その村全体の羊を根絶やしにすることになる。一頭も残してはならない。
その事実に感情的な兄は激昂し、冷静な弟は落胆する。
しかし、二人にとって羊は、人生そのもの。羊の出来こそ、人生の出来。だからこそコンテストに誰よりこだわり、自分を羊に強く投影する。
40年も口を利かない兄弟。つまり、40年も羊飼いをしていたということ。
まさに人生そのもの=羊は自分である。それが、一頭もいなくなることは、生きてきた証がなくなること。それだけは、ダメだ。他人(獣医)に決められていいもんじゃない!…と、羊を数頭隠して育てる弟。
ある日、兄にその事実を知られる。ほぼ同時に、獣医たちにも羊を隠していることを知られた弟は、仕方なく羊を兄の家に隠す。この行為自体が、兄を「羊飼い」として敬意を示しており、兄弟としての信頼が垣間見えた。
夜、山を越えて羊を逃がそうとする兄弟は、吹雪に見舞われ、弟は倒れてしまう。急遽かまくらをこさえ、裸で弟を温め、抱き合う姿は、なんとも美しい。兄弟愛が、人間愛が、描かれている。
羊たちが獣医らに処分されなかったことで、自分の人生が、生きた証が、「どこかで生きている」と思えるようになった。
兄が弟を裸で温めるシーンで映画は終わるが、あの猛吹雪に高齢の二人ですから、その後、二人が死んでいるかもしれない。しかし、そうだとしても生きた証は、羊は、自分たちの手で守り切った。それはそれで、ハッピーエンドかもしれない。
個人的には、酔っぱらって外で雪の上で寝てても生きてた兄の弟なので、二人は生きてるのだろうなーとも思います。観た後で想像を膨らませて、楽しめた映画でした。
ひつじ村の兄弟
無垢な風が吹き抜ける広大な草原に、家族のようなひつじ達と共生する村の老兄弟。といっても“兄弟は他人の始まり”ボクの兄弟も、喧嘩はしないが離れて生活していたら日に日に疎くなるもの。気になる存在だから愛情表現が裏目に出て犬猿の仲になる気持ちはよく分かる。
アイスランドはノルウェーの遥か西方に浮かぶ島国だから冬の寒さは厳しい。そこに降って湧いたスクレイピー騒動は宮崎の口蹄疫のようなものか。
病院もスーパーもない片田舎で生きる人々の生命力が素晴らしいじゃないか。
最期の解釈は各自で?!
何とも物悲しいストーリー、映像、音楽・・・不思議な映画だった。登場人物はほとんどこのタイトルのまんま、兄弟と羊。メルヘン風なタイトルだが全く、違う、厳しい現実を描いたものだ。グミーの行いはやはりいかんだろう、と正義心で見ていたが、エンディングのシーンでは何とか彼らと羊を助けて、と願っていた。願いはどうなったのか??
家族同士の喧嘩は根が深い
アイスランドの牧羊家で、40年も口を利かないほど仲の悪い兄弟の話。
大事な話は牧羊犬が手紙を運んでいる。
羊の伝染病が発生、役所からは殺処分するように指示が出る。
兄は抵抗して役所を悩ませるが、弟は素直に従い・・・。
この兄弟の関係が何とも言えず微笑ましく描かれ、二人を見ているだけで楽しい。
景色が素晴らしい
兄弟って、どんなに仲が悪くてもどこかが繋がっている。たしかにこの兄弟は仲良くは、なれないだろうとおもう。でも羊とその血統に同じ価値観を有している。羊の全頭処分に対してそれぞれが違う抵抗をしている。
この映画を見ていて、どっちが兄でどっちが弟か時々わからなくなる。顔も似ているし、セーターも似ているし、家も似ている。他の登場人物とは違うから、やはり兄弟だからなのだろう。
いちばん大切なものは?
羊毛みたいな髯した兄弟の、コメディかと思ったんですが、それではカンヌで受賞しませんね。アクション映画のお約束に、「命に替えてお前を守る。」主人公が言うと、死亡フラグが立たないと云う特典がつきますね。でもそのセリフ使う前に、本作を観てほしい。大切なもの、守りたいものは、本作の兄弟のように、それぞれでしょう。そして、その何かを持っている人に、不思議な魅力を感じることを禁じ得ません。その"何か"が、人を幸せにするものであれば、尚、いいですね。ただ、あのラストには、驚かされましたけど。
ある種の神話性や寓意を感じる老兄弟の物語
アイスランドの辺鄙な村で、固有種の羊を飼って暮らす老兄弟。
互いにいがみ合っていて、隣り合う広大な敷地の真ん中は、鉄線の柵で仕切られており、もう40年近くも口を利かないという有様。
ある日、コンテストで優勝した兄の羊が伝染性BSEに感染していることを知った弟は・・・というハナシ。
荒涼とした風景のなかで語られる兄弟の話は、ある種の神話性や寓意を感じさせる。
従順な純血種の羊。
弟はその羊たちの多くを自らの手で屠る。
しかし、その貴重な血は残しておきたいと、不法行為に及ぶ。
兄は兄で、弟が、伝染病に気づき、保健局に密告したために、いまの困窮があると恨む。
保健局への申告は正当なのだけれど、過去の諍いから、兄には背信のように感じている。
そのふたりの確執が、純潔種の羊を守りたい一心で、どこか通じ合っていく。
憎しみながらも、水よりも濃い血に抗えない、とでもいうように。
そしてクライマックスは、テオ・アンゲロプロス監督もかくや、とわんばかりの真っ白で厳しく、かつ幻想的な画面を魅せてくれる。
遺された羊たちを、猛吹雪のなか、兄弟たちが追うさまは、映画の「画力」を感じさせる。
さらに、エンディングシーンも驚きだ。
和解というのではなく、もっと直接的で直截的な「ふれあい」には、命の力も感じさせる。
この物語に神話性を与えたものとして、荒涼たる風景に加えて、もうひとつ重要なアイテムがある。
それは、十字架。
純血種の羊を匿う弟の家の、地下室に降りる階段のところに架けられている。
なにかしら、神の存在を信じたくなってくる気持ちにさせられました。
自然に生かされている。
大自然の中で 生かされている 人間 そして 羊 それを 糧に 生活が成り立っている 現実 。
コミカルな 場面も含めて 画面一杯に 映される 大自然に 感動しながら
流れる時の ゆったりしたリズム その中で 暮らして行くことの 厳しさも含めて 羊 人間も含めた 動物 が 自然に生かされている事の意味を
問われる 映画 でした。
アイスランド映画
最近このあたりの地区の映画を観る機会が多いです。
自然は過酷。
しかし、ある意味美しい。
しかしこの兄弟、愛があったんですね。
羊への愛と家族愛が・・・・・。
羊さんの最後が分からなかったので、3.5です。
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