劇場公開日 2016年7月2日

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「『ご当地活性化映画でしょ?』と観てはいけない」海すずめ ninjaさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0『ご当地活性化映画でしょ?』と観てはいけない

2016年7月9日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

楽しい

幸せ

まず、言っておきたいのは私が愛媛県出身だから、甘くレビューしているのではないと言っておきます。

色々なサイトなどの評価の低いレビューを見ると、『ご当地PR映画だから』という理由のものがあったが、撮影の9割を宇和島で撮影すればそう感じる人もいるかもしれない。

しかし、映画なんて『なにか批評してやろう』という目線で観てしまうと、どんな映画も退屈になる。まして撮影が行われた街を知っていたり、現実を追及しすぎるとツッコミを入れたくなるのかもしれない。
でも、この映画はドキュメンタリーではないし、台本のある『物語』なのだから、そうやって『ムリ!ムリ!』と肩肘張らずに観てほしい。

そして、できれば2~3回観てほしいと思う映画だった。なぜか、
この映画の主人公(すずめ)は悲しいシーンも悔しいシーンも涙を見せて、観客の『誘い涙』を誘う主人公ではない。
『泣かせるタイミング』で盛り上がりのある音楽を入れて泣かす映画ではない。
泣きたいけど泣けない、辛いけど弱音が吐けない。そういう感情ってあると思う。

単純に目に映る映像だけではなく、『感情』をよく観てほしい。
主演の武田梨奈さんは、上手にその辺りを演じていたと思うし、監督も上手く映像にしていると感じる。
じっくり役者の表情を読み取ると、この映画はもっと面白いし、本当の意味で感動できると思う。
けっして、ただ単に地域起こしの観光ご当地映画ではない。その辺りを感じられれば、もっと評価は上がる。
何度か観るほど、味わいがわかってくる様な映画だと思う。
と…、いろいろ書いたが、本当に大人から子供まで気軽に観てほしい。

アクションのイメージの強い武田梨奈さんだが、素の武田梨奈さんは、きっとこの主人公(すずめ)に近いのではないだろうか?自然に役を演じていたように感じた。
『女優、武田梨奈』としての今後が楽しみ。

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ninja