劇場公開日 2016年7月2日

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「見終わって気持ちの良い映画♪」海すずめ 600mlのたっぷりサイズさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0見終わって気持ちの良い映画♪

2016年7月4日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

幸せ

宇和島を離れてもう20数年。
映画評論家でもないので、一個人の感想ですが…

<<予告編>>を見たときの正直な感想
・自転車!?ママチャリ以外見たことないんだけど…。
・400年祭があるのは知ってるけど、どう絡めてくるんだ。
・俳優さんたちは、方言はマスターできているんだろうか
・景色がたくさん出てくるようだ、それを楽しもうか。

<<鑑賞後>>

・ダラダラではなく、景色とストーリーが上手く融合している。「あと30分くらいかな?」と時計をちらっと見ると、まだ上映開始から40分しかたってない…とか、「あー、あと30分しかないよ?終わるの?駆け足エンドになっちゃうの?」と思っていたら、飛行機がソフトランディングをするようにエンディングへ。とか。1時間48分の上映なのに、(いい意味で)3時間くらいに感じた。監督の妙技だと思う。

・宇和島や宇和海の景色の部分が、随所随所にちりばめられていて、目に優しい。観光でも何でも宇和島にいたことがある人だと分かる"あの"お日様の温度や海風をスクリーンから感じることができる。行ったことのない方でも、主人公が自転車で巡る城下町の風景や九島などの風景を楽しむことができるし、もしこの後、宇和島を訪れる機会があれば、その匂いや温度を感じていただき、映画のシーンを思い出していただきたい。

・400年祭…。宇和島の人達がイキイキと準備をしているのが見ていて面白かった。エキストラだから、セリフや音はないんだけれど、宇和島の人達にとって「伊達家」や「殿」が、どういう存在なのかっていうのを感じることができる。宇和島の若い子たちにも見ていただきたいなぁ。

・私は、もう標準語仕様の人間になってしまって、方言のことをどーとか言える立場ではないんだけれど、特に吉行和子さんは、さすが…!というくらい自然だった。と思う。セリフとしての発声に方言を乗せるのは、簡単なことではないのに、他の俳優さんたちも不自然なことはなく吃驚した。まぁ、お母さん(岡田奈々さん)に、もう少し頑張ってほしかったと思う。岡田さんで標準(現実)に戻されて、吉行さんでスクリーンに戻るっていう感じがあったので。

全体的に、とても懐かしく、見終わって気持ちの良い映画であった。ストーリーも、全体的によくできていて、本当に「自転車課」があればいいのに…と思った。音楽も素晴らしく、景色にも見ている観客の心にも溶け込む素敵な音楽だった。

もちろん自身の出身であるので贔屓目はあると思うが、PR映画という意味で、この映画を通して「夏にちょっと行ってみようかな」とか「松山までしか行ったことないけど、もう少し南まで行ってみようかな」とか思っていただける人が一人でも増えていただければ、宇和島出身東京在住者として、喜びの限りである。ちなみに、私も夏には帰省しよう、と映画をみて決意した。

なお、★に-(マイナス)があるのは、やはりPR映画の域を超えられない、見えない壁を感じたから。だが、小数点までつけられるなら、4.7と言いたいところ。

★他レビューにもあるけれど、エンドロールも映画の一部なので、ぜひ見ていただきたい。

★宇和島出身東京在住者には、ぜひ見ていただきたい。郷愁にかられることは、間違いない。

600mlのたっぷりサイズ