劇場公開日 2016年5月14日

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ひそひそ星のレビュー・感想・評価

全16件を表示

3.5最難関な作品

2024年6月23日
PCから投稿

難しい

タイトル名は、宇宙船が最後に立ち寄る人間だけしかいない惑星。30デシベル以上出せば人間が死ぬ可能性があると注意を受ける。
しかし、そもそも宇宙船のAI(コンピュータ・機械)もアンドロイド鈴木洋子も、最初からひそひそ話しかしていない。
昭和40年ごろのデザイン 宇宙船の内部はまるで当時のアパート AIも当時の機械のようなデザインで、宇宙船そのものは神社のような佇まいをしている。
鈴木洋子はこの宇宙船をレンタルして宅配の任務をしている。
宅配は人間が人間に対してだけするもので、早々に発明されていたテレポーテーション技術は、最初だけよかったものの距離と時間に対するあこがれは人間にとって心臓がときめくようなものだと、鈴木洋子は考える。
目まぐるしく変わる曜日は、宇宙船のスピードを表しているのだろう。鈴木の挙動ごとに次々と曜日が変わってゆく。
鈴木はテープレコーダーに、次にこの船をレンタルする者に向けて宇宙船での暇つぶしの仕方を録音していて、それはすでに14年分溜まっている。
しかしそれは本当だろうか?
鈴木は朝(仮に)蛇口の水が滴るのを見て、それを止めるまでに3日ほど要しているが、それは地球時間との相対的な時間であり宇宙船での時間ではない。
つまり鈴木にとっての1日は1年くらいに等しいのかもしれない。
そうであれば、14年とは2週間程度だ。しかし壊れつつある蛇口とヒンジねじが外れた衣装箪笥、特にテープレコーダーに記載された日付は、14年を物語っている。
逆に鈴木洋子の認識設定が誤っているという設定なのかもしれないが、この曜日による時間軸の設定は、若干おかしいと思う。曜日という概念そのものを採用した理由が分からない。
また、荷物の受取人が時間経過的理由ですでに死亡していることもあるが、奇妙な隣人たちが荷物を受取ってくれる。その場所、荷物の届ける先はすべて「フクシマ」に設定されている。
この設定が福島の現状として表現されていることがもの悲しさを伝えている。
届け先は廃墟化した建物 砂地に埋もれた場所 誰もいない町…
人間の男が廃墟の街に転がる空き缶を踏みつけると、それが靴底にハマり、そのまま音を立てて歩いている。小学校の時同じことをした記憶がある。
カメを見つけ、放置された昭和デザインの自転車に乗る。
男はアンドロイドの鈴木にあれこれ問うが、最後に宇宙船の窓にスプレーをする。
鈴木は仕方なく一度降りて窓を拭くが、これが何を意味していたのだろう? 男の徘徊行動から見ても理解できなかった。
その後鈴木は、別の惑星で男と同じシチュエーションが起き、彼女も同じように空き缶を靴に挟んだまま音を立てて歩く。
鈴木はこの男から自転車を知ることで、どこか別の惑星にあった自転車に荷物を付けて乗る。
AIの音声は子供の声に設定されていて、このAiが見ているのが、どこかの星に着陸した時に入り込んだ虫 AIはその虫が苦手だ。
ある時鈴木は届ける箱の中身が気になりいくつかを覗くが、箱の中には写真のフィルムや蝶の標本、写真、紙コップなどおおよそつまらなものしか入ってない。
鈴木は砂浜のタバコ屋に荷物を届けた後タバコを買う。これは人間というものに興味が出たのだろうか。
さて、
冒頭から「水滴」が登場する。それがケトルに入れられ、中の水すべてが捨てられる。これは津波の象徴だと思う。命の水は人を殺すものにもなる。
荷物の届け先は、当時とは変わってしまった廃墟。
誰もいない町にも、探せばどこかに人がいるようだ。それとも荷物を取りに普段は行かないそこまで来たのかもしれない。
少年は地下鉄で荷物を受取り、鈴木に昭和レトロなカメラをくれた。
鈴木のファインダー越しの対象物はAIだった。想い出というものがないアンドロイドにとって近しい存在がAIだったのだろう。
その後鈴木は最後に靴に挟まった空き缶を箱の中に入れる。
それは鈴木がこの宅配業の中で得た思い出だったと考える。
ひそひそ星では人間の営みが影絵になって登場する。これは当時の福島の人々の日常だろう。その一つに荷物を渡すと、中身を見た家族が泣く。中身がなんだったのかはわからないが、鈴木にとって不思議なことだったと思われる。
機会にとっての記憶はそれだけのことだが、薄れ忘れ行く人間の記憶は、時に「想い出」として大切にされる。それは単なる記憶ではなく、その前後のことまでも彷彿とさせるエネルギーなのだ。
箱の中の紙コップは、紙コップではなく、届けられる人と届ける人とをつなぐ大切な「想い出」だ。
鈴木は最後にこの想い出という概念に触れたのだろう。
同時に人々に福島を忘れないでと言っているのかもしれない。
鈴木洋子以外すべてが福島のエキストラだったと思われる。
福島の人々に贈られたのが、「いつまでも覚えていますよ」ということなのだろうか?
最初の配達地で一瞬だけモノクロからカラーになった箇所があった。この意図もわからない。
また、AIの咳や鈴木のくしゃみなどどのような意味があるのだろう?
荷物を届けた老夫婦に「少しそこまで歩きませんか?」と言われて歩く鈴木。会話などはない。この意味も不明だ。
作品全体がモノクロでかなり徹底して昭和40年代をデザインしているが、福島は昭和40年代なのだろうか? 自転車がそうであったし街並みもそう見えなくはないが、そこに昭和の意味を持たせる意味が分からない。
AIが軌道上に接触する可能性のある宇宙塵のことを「隕石」というあたりがとても怪しい。
様々な点で不明な作品だった。せめて途中で眠くなるようにできなかったのかなと思った。

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R41

4.5もしかしたら凄いメッセージの込められた映画なのかもと思った

2024年6月13日
PCから投稿

ようやく観ることができました。
震災後に少し作風が変わった監督。
あの場所でロケもした。
音の使い方も上手い。
宇宙船は滑る様に進む。

物語は ー
多くの震災で人類は激減した。
地球から宇宙に散らばった人々へ
アンドロイドの鈴木洋子は
淡々と荷物を届ける。

意味不明なセリフ。
自主映画だからチープな雰囲気。
日本家屋の宇宙船?ありえない設定。

しかし全てのカットは芸術的な写真に見え
物語の何もかもが詩的で哲学的に思えた。
美しいが悲しい、悲しいが希望が見える。

アンドロイドの運ぶ荷物
その中身はハッキリしないが
受け取った者達には大切な何かか?
最後は幻想的な影絵の廊下を歩く。
影の主達は生まれ、死に、喜び、悲しむ。
その世界は今現在の?それとも過去の?

その内に思った
長く歩くその廊下は過去のもの
すでに失われた人々の、時間の姿、
個人的に、そうではないのかと、思った

その途端、恐ろしく悲しくなった。

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星組

1.0色んな意味で困った作品。

2022年10月15日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

笑える

寝られる

内容は、屋形船型宇宙船が宅配便として運航されている人類がほぼ絶滅した宇宙空間で荷物を届けると言う話。届ける場所が東北大震災跡の福島の街並みなので、震災後の街並みを残したいという意図がみてとれる。神楽坂恵を主人公にしている辺り困った感否めず、表現力を誤魔化すには良いアイデア💡と思うのですが、物語通してのヒソヒソ声は観ていて拷問級だ。印象的言葉は『着陸体制に入ります』と宇宙船が言うと同時に外壁扉が🚪開く所。思わずっんな馬鹿なって何度も思うシーンがあり困りましたし笑えました。好きな場面は畳の縁が神社仏閣でしか使用しない白中紋であった事は驚きで、ゴザやら畳の拭き掃除は逆の方向の雑巾掛けも誰が演技指導したんだと言いそうになります。宇宙船もエンジン噴射口は常に火を噴いてる🔥ワケな事なくSF表現のや日常表現にしても粗が目立ち過ぎ笑えました。テーマとして震災後の福島県の街並みや生き残った人々が使いたかったし残したかった様に思える手段が目的化してしまった感じの強くする自分にとってあまり好きな作品ではありませんでした。空き缶を靴底に片足だけ引っ掛けたまま歩くシーンは深い傷(思い出)を残したまま生きる事表現したいのだとは思いますが執拗で困ってしまいます。表現の未熟さをカバーする為のヒソヒソも手段が目的化した様で笑えました。最後の影絵の場面でも表現力の差が解り面白かった。情動音楽のヴァイオリンもしっくりこずに困りました。でも勝手に人の荷物📦開けて見ちゃうのは駄目だよ🙅なぁ。マシンNo.722鈴木洋子さん。

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コバヤシマル

2.0俺感

2020年7月11日
PCから投稿

セピア調の昭和風屋内シーンから始まりますがパンすると宇宙船内です。
なぜか1Kアパート的な台所がありなぜか昭和風な女性がなぜか茶を飲んでいます。
宇宙船の操作パネルは手づくり感に溢れています。
レトロラジオのような箱の船内アナウンスが意味不明の航路を伝えてタイトルが出ます。
タイトルが出たあとの状況説明文は怪しいものでした。

『人類はあれから何度となく大きな災害と大きな失敗を繰り返した。その度に人は減っていった。宇宙は今、静かな平和に包まれている。機械が宇宙を支配し、人工知能を持ったロボットが全体の8割、人間は2割になっている。すでに宇宙全体で人間は、滅びていく絶滅種と認定されている。科学のほとんどは完結しているが、人間は昔と同様、百年生きるのがせいぜいだ。人間の人口は、宇宙の中でしだいに消え入るローソクの火のようだ。』(本編より)

国語力に乏しいのに加えて、率直に言って、とても馬鹿っぽいと思います。
機械が宇宙を支配、8割と2割、絶滅種と認定、科学のほとんどが完結、百年生きるのがせいぜい、消え入るローソクの火。
どうみても、他の言いようがあるんじゃなかろうか。

乗組員であるスズキヨウコは宇宙航行中の日記として音声を録音しています。
その録音として、現在の状況や立場などが説明されます。たとえばしつこいほど挿入される天井照明に囚われた蛾が、何とかいう惑星に着陸したとき入ってきてしまった虫だとか、例えば惑星間宅配サービスで十数年航行しているとか、などです。
それらが総てひそひそ声です。
やがてひとつの星に着き、とことこ荒野を歩いて廃墟のようなところに荷物を届けます。
普通のおじさんがそれを受け取ります。

そんな配達を何件かこなすのが映画の粗筋です。

予感していましたが、音声日記の録音によって、映画として訴えたいことも説明されます。例えば、テレポーテーションなら配達も瞬時だけど、「思い」を伝えるために、何年もかけて運ぶ、とかなんとか。

家での視聴だったゆえ、このへんで私は映画が何分経ったかを見ました。そしてあと何分あるかを見ました。映画が終わるまでにそれを4、5回やりました。

ここで、荷物をテレポーテーションによって一瞬で運ぶより、宇宙を旅して何年もかけて運ぶほうが「思い」が伝わる、という主張が出てきます。
おそらく機械的より人間的であれかし、というシンボルなのでしょう。ただし、それを呈示するには描写が足りません。説明として言ってしまうなら、映画である必要がないのです。スカーレットが、タラのテーマとともにいきなり出ててきて「明日には明日の風が吹くわ」と言えばいいのです。
あるいはテレポーテーションだって「思い」が伝わるかもしれません。なぜそうでないと言えるでしょう。いずれにせよ情緒がいきなり過ぎ、象徴へ導くには短絡過ぎ、なのです。
映画文法を無視というような問題ではなく、これが映画ではないということに、気付かされたわけです。

誰もいない浪江/南相馬でのロケ、またその住人たちの出演は免罪符になっています。素人感も意図的に隠していません。大震災を思い遣っている、彼らに寄り添っているという気配が、冷評を回避するのです。抜かりはありません。

これは、承認欲求で描かれたアートハウス風のプロモーションビデオです。プロモートするのは監督自身です。俺が描く俺の世界です。
言うなれば、桐島の前田涼也が、押しの強い先輩の隣で、先輩のつくった映画を観ている、ようなものです。
鑑賞中、先輩はずっと「どうだこのペーソスは!」とか「どうたこの映像美は!」とか「アルミ缶が靴に噛んだまま歩き回るのって楽しいだろ!」とか、絶対に、それを自負しているに違いないと思わせるねつこさにおいて、同意を強請してくるのです。
とりわけシルエットの回廊のあざとい愁嘆的雰囲気は凄まじいものがありました。
同意はしませんが、これが映画だとするなら、ありふれた体験ではないと思います。

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津次郎

3.5素敵。

2017年5月31日
PCから投稿

まるで一編の詩のように文字どおり静かに語られる映画でした。

嫌いな人が大半だと思いますが私は大好きです。

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ハワイアン映画道の弟子

4.0これこそが

2017年1月23日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

園子温が伝えたいことが詰まった作品なのだろう。今の人間がしていること、今の環境がこのまま続くとどのような世界が待っているのか。想像もしたことないけど、昔のものと未来のものが混在しているところがリアルだった。一周回って良いとされるもの、結局愛するものの本質が、人間だけが住む星に表されていたのだと思う。

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いつこ

2.0タイクツ

2016年12月7日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

園子温はわからない?
どこに向かってるのか!?
これはショートムービーならいい感じの1本。
自主製作だから嫁を主演にしたのだろうけど、悪いけど彼女に映画1本背負う魅力はない。
タイクツで、タイクツでコマッタ。

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花形右京

2.5今年ワースト

2016年11月12日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

映画の日に、デッドプールを観るまでの時間稼ぎに駆け込みで入った。
園子温映画だったので選んだが、全然ダメだった。
まぁ好みの問題なのでしょうがないのだが‥
いろいろ震災に対する想い等、意味が織り込まれているらしいが時間稼ぎ以外の何物でもなかった。

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うんこたれぞう

5.0タルコフスキーの時間感覚

2016年7月3日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

知的

タルコフスキー映画のファンにとっては、長回しやオマージュショットもあり、タルコフスキーと同じ時間感覚に浸れる、予期せぬ 癒しの作品。
アンドロイドの宅配業者とずっと旅を続けていたい!
(≧∇≦)

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nao

2.5妙にココロに残る映画

2016年6月30日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

寝られる

1回目に見て寝落ちして、今度こそはと気合を入れていった2回目もほとんど寝てしまった(笑)

こんな映画も映画らしくていいんじゃないかと思う。土地の記録にもなってるしね。

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星なれ

1.5ショートムービーにすべき

2016年5月29日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

知的

園子温さん、ショートムービーにできなかったのかな。あの尺はいらないでしょう。

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ヒロモチ

3.5夢の世界

2016年5月23日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

寝られる

夢のような素晴らしい世界、というわけではない。
脈絡のなさそうな光景や状況がつながっている。
これは園監督の夢なんだろう。夢だと思いたい現実だったりするが…。
寺山修二の田園に死すを思い出してしまった。

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HigeKobo

4.0詩的

2016年5月23日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

興奮

知的

寝られる

園監督 詩を書いてた頃は「ジーパンを履いた朔太郎」と言われてたらしいんだけど、その部分が前面に出てたね。

主演の神楽坂恵さんが映像に合ってて「さすが嫁さんの活かし方知ってんなあ」と思ったよ。

「これは映像の詩なんだな」と思って観てたから、ストーリーは気になんなかった。動きの少ない映像が続くから、途中何回か寝落ちしたんだけど、まあいいんじゃないかな。ゴダールだってみんな寝るしさ。

「これは詩の世界なんだな」と思ってい観ている草原に漁船が転がっている光景が「現実の光景だ」と気づいたときに、少しヒヤっとしたなあ。

もう一回みたらもう少し色々感じると思うから、また行こ。

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Scott

2.0は、ハードルが・・

2016年5月14日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

私にはハードルが高過ぎた作品でした。あと1回見直せば、評価が出せたのですが・・。
それより、右隣の席の携帯が鳴ったり、左隣の席の男のイビキが館内に響いたりと、散々な視聴環境でした。

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はるっち

3.5初期から中期の作品を彷彿

2016年5月14日
iPhoneアプリから投稿

今から20年前に描き上げた脚本ということもあり、ブレイク以前の作品を彷彿させる仕上がり。SFとしてはチープな作り、エンディングもバッサリ終わる点は好き嫌い分かれると思いますが、それでも私は楽しめました。名古屋のシネマテークで観たのですが、劇場の雰囲気(余りにも古い)と作風がピタリとマッチしていました。

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M.E

3.5ほんわり

2015年11月21日
iPhoneアプリから投稿

東京フィルメックスのオープニング作品にて鑑賞。
モノクロームでなんだか時代背景もよくわからない、そんなカットから始まり、のっけから引き込まれる。
雰囲気暗いんだけど、妙にコミカルで違和感がある。何だろう、と思っていたら特撮っぽい宇宙船内セット。外からの宇宙船も少しバカにしたようなデザインで笑える。
でもテーマはなかなかシリアスだし、だからこそその違和感が気持ち悪くもあり、ドキドキもする。
終了後のトークセッションで、25年前には予算的にできなかったものを、今やっとできる。今の自分の解釈をできるだけ入れずに、25年前の彼をリスペクトして作った、と言っていた。
なるほど、と思った。あの違和感は妙に完成度が低いからこそ感じるものだったのかもしれない。
とてもよかった。大人のおとぎ話を観ているようなそんな気分になる。

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kohakine