劇場公開日 2016年10月29日

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「「バカしかいない頭脳戦」ってレビューが一番的を射てる」デスノート Light up the NEW world といぼさんの映画レビュー(感想・評価)

0.5「バカしかいない頭脳戦」ってレビューが一番的を射てる

2019年8月6日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

原作漫画・アニメ・劇場版デスノート前編後編・劇場版L視聴済みです。

結論から先にお伝えします。この映画は極めて駄作です。原作ファンはもちろんのこと、原作を知らない人も観るべきではありません。「これがデスノートか」と思われてしまうのが許せません。

これを「デスノート」と呼ぶことには抵抗があります。
デスノートの面白さの肝は「天才たちによる高度な頭脳戦」だと考えているのですが、この映画には頭脳戦と呼べるものは一切含まれておりません。

ストーリーも酷く、話の大部分が菅田将睴演じる天才ハッカー紫苑がハッキングで無双する話です。紫苑は何でもかんでもハッキングで解決するジョバンニ級のチートキャラクターに描かれていて、佐藤信介監督は「ハッカー」というものを魔法使いか何かと勘違いしているのではないかと疑ってしまうほどです。

6冊もノートを出しておいてまともに使われているのは2冊くらいです。何のためにノートを6冊にしたのか、理解に苦しみます。

個人的に一番「ふざけるな!」って思ったシーンは、映画終盤に紫苑が死神の目を手に入れて機動隊を次々ノートで殺害するシーン。フルフェイスヘルメットで顔を隠している機動隊員のヘルメットをリュークが奪い、顔が見えたところで機動隊員の名前を書くという戦略を取るのですが、ついさっき死神の目を手に入れたばかりの紫苑が「リューク、あの遊びやろうぜ」と言うのは矛盾があります。原作のリュークは月とLの戦いに対して徹底的に中立の立場を貫いていました。月に利用されるような形で手助けをすることはあれど、自分から進んで月の行動を助けるような描写はありません。それなのに、この映画のリュークは遊び感覚で紫苑の殺人の手助けをします。ここが私には原作漫画の侮辱にしか見えなかった。原作へのリスペクトなど、この映画からは一切感じられません。

このような「人気作品の続編と謳えば適当に作っても客入るだろ」というスタンスが見え透いた作品を、私は心の底から軽蔑します。「カイジ ファイナルゲーム」もその類です。

二度とこのような酷い映画がこの世に誕生しないことを祈ります。

といぼ:レビューが長い人