「今年観た映画でトップ3に入る」デスノート Light up the NEW world yu-gさんの映画レビュー(感想・評価)
今年観た映画でトップ3に入る
この映画のレビューを見てると原作とズレ、頭脳戦してないなどの感想が多々ありますが個人的にはそういった批判は的外れかなと思いました。
そもそも、実写作品というのは映画やドラマの形をとる時点で根は共通しているが原作とは別作品と考えます。そのうえで比較しながらデスノートは深みがより出てくる作品と思います。
加えてデスノートは原作との結末の違いが決定的に原作と袂分けたと解釈してます。そもそも原作でなく前後編の続編なので過度な原作意識は逆にバイアスとなってしまうのでは…と。
次に頭脳戦ですが、原作でも第二部ではデスノートの存在をお互いに知っており心理戦に重点が置かれ頭脳戦要素は薄く最後の駆け引きはどちらかというと後出しジャンケンになっているようにも思えました。
今作はその第二部の雰囲気に似るのだろうと考えていました。ただ3人の天才が~というキャッチコピーは大げさだろうなと思います。
頭脳戦要素もあるが概ね人間ドラマ的であったという所でしょうか。ドラマ以上にもしデスノートを手にしたら…?という要素が強調されていたと。
もう一つ見受けられたのが二次創作的というものでしたが、
劇中の竜崎が述べていたように「デスノートが存在するんだから夜神月も生きていてもおかしくない~(意訳」というのがありました。
勿論セリフのような事実はありませんでしたが、続編に対する視座を与えてくれたセリフだと思いました。
六冊のノートもデスノートの世界ではあながち有り得なくもないと思います。
月の遺伝子は流石にうーん?という感じですが…
本題に入ります。
演出とキャラの掘り下げ、劇伴が前後編をも上回る勢いでした。
旧来のキャラも含めてちゃんと描きつつ容赦もしない展開。特に松田は前後編よりもちゃんと描いていました。
女性陣の見せ方も佐藤監督のほうが上手ではないでしょうか。
とくに注目したのは後継者3人の未熟さから浮かび上がる人間味です。
新生キラであった三島は竜崎と紫苑をも利用し六冊のノートを集める計画を実行できたが記憶を取り戻したときにはキラにも染まれずL側にも染まることもできず。東出さんの堅い演技が生かされていたと思います。
竜崎は死神に情を持ち終盤では無力感をも曝け出したのが人間味が出ていた。Lとキラと死神の奇妙な友情。正直松山ケンイチのLよりも好きです。
紫苑はキラの使者としての不気味な青年というイメージでしたが終盤のリュークとの掛け合いは幼稚さも見え笑えてしまいました。
結末が納得しきれないのとこれ以上の続編は望みませんが、近年の続編のなかではスターウォーズよりも好きです。