「『デスノート』としては。」デスノート Light up the NEW world みゃーあいさんの映画レビュー(感想・評価)
『デスノート』としては。
原作・アニメ・先代の映画を見ての視聴です。
一つの映画としてならば、普通に見れると思います。役者さんの演技は良かったかなと。
ですが『デスノート』として見るなら、なんだこれの一言です。
「人間界でデスノートが存在することができるのは6冊まで。7冊目以降のデスノートは、一切の効力を持たない。」
そのルールを論点としたいのでしょうが、そこに焦点を当てすぎてデスノートの良さが活かされていない。簡潔にいうと味が無さ過ぎる。とっちらかっては、当て役やシーンが出てきてそして消えて行く。外国の医師といい序盤の死神といい、船越さんの役といい。女刑事だっていなくてもなんとでもなったでしょう。
唯一心が引き付けられたのは、ミサが死んだシーンでしょうか。にしても、ミサは本来何歳まで生きることになっていたのか…。
一番物申したい部分は、月がキラの後継者として子供を作っていたことです。 頭脳明晰な彼なら、もしもの事は考えていたとしても。自尊心とプライドが高く、自身が世界の神になるとまで豪語していた彼が、 誰かにキラという役目を任せ実行に移すとは思えません。月だからこそ、今までキラが成り立っていたのではないでしょうか。
『デスノート』の醍醐味ともいえる頭脳戦が無いのも、何とも言えません。先代に遥か劣る頭脳の彼らたち。確たる物的証拠が出るまで何も分からない…。2代目Lに至っては、それでLを超えるつもり?いやいや、無理でしょ…と呆れてしまいました。むしろお前は何をしたのか。三島たちも、対策本部と名を打ちながらそこらの警察と変わらない気も…。
また、前までは完全にトップシークレットとされ、身内にさえ伏せられていたLの存在や月の本当の死因も、普通に全国に知れ渡り。いつでも簡単に出てくる拳銃、脳のない策で敵地へ乗り込むところなどは、ぬるい警察だとさえ思うほど。
デスノートの使い方も即死や心臓麻痺ばかりで、「デスノート=殺す(=即死)」という認識なのでしょうか。緊迫感を感じられませんでした。
他にも色々と突っ込みどころ満載で、思い返せば返すほど生じてくるので書きませんが、求めて満足のいく作品ではないのは確かです。予告でなんとなく察してはいたけど、これほどだとは…。
前作と比較してなどではなく、『デスノートという一つの作品』として今回私が見たのは、伝えやすくいうと「緊迫感の無いシリアス風味なドラゴンボール」なのだと思います。
『デスノート』としては、オススメはしません。一つの作品として見るなら是非どうぞ。