「デスノートではない。ただの駄作。」デスノート Light up the NEW world 蓮めろさんの映画レビュー(感想・評価)
デスノートではない。ただの駄作。
すべてにおいて「何がやりたかったのか」の一言に尽きる。役者の演技とネームバリュー、死神CG等の絵面のインパクトで何とか持った映画といって過言ではない。
まず「6冊のデスノート」という最も大きなテーマがぼやけすぎている。それを生かした設定がまるでなく、ただの数の奪い合いになっている。
次に新キャラに魅力が感じられない。後継者という役の割に知性が感じられるシーンがまるでない。
そしてシリーズ最大の魅力である頭脳戦はどこへ?実は裏に激しい頭脳戦があって、背景が描かれてないため馬鹿な私が気付かなかったのかもしれないが、絵面だけ派手な銃撃戦よりよほど盛り上がるはずなのになぜ解説・回想を省いた?あまりに不親切。
特に新生キラの正体が明らかになり、彼が新生Lの名前をノートに記していたせいでノートの効力がなくなっていたシーンがあったが、死亡時間を引き延ばしてわざわざ新生Lを生かしていた理由が不明。最も盛り上がるはずのシーンで理由は「計算通り」の一言で片づけられ、のちの砲撃でうやむやにされる。加えてエンドロール後の計算どおり。の一言、自分の遺志と遺伝子を継ぐ子供が発狂して計算通り?前作のキラまで巻き込んだ大事故というほかない。
前作のキャストを出さなければ「デスノート」であることを忘れるくらいだし、前作からの人物に対して前作の良さをもそいでしまいかねない演出が多い。(松田が簡単に死ぬ、個人とは言えLが大々的に顔をさらしてしまう)前作を超える超えないの土俵ですらない。
2時間という尺とはいえ、短いなりにもっと描きたい部分をピンポイントで描くべきで、顔すら出てこない月の子供(?)のくだり、冒頭の外国のシーンなど省ける部分は多々あったはず。どの要素をとってみても中途半端でピントが合わないまま終わる。儲けるための映画という感じ。デスノート、と期待せずに見ても面白みがない。数少ない実写化成功例といわれたデスノートの汚点になることは間違いない。