「原作と映画前作に失礼な内容」デスノート Light up the NEW world corcさんの映画レビュー(感想・評価)
原作と映画前作に失礼な内容
デスノートは、漫画版・前映画版・ドラマ版を視聴済みです。
Huluで配信されていたスピンオフは見ていません。
レビューを見てかなり不安でしたが、やはり「デスノート」という題材である以上、見るまではずっと気になるだろうと思い、地雷っぽいなと思いながら映画館に行ってきました。
他の方も仰っているとおり、私も設定自体は面白いと思いました。
見る前は6冊(6人の所有者)がどのように交差していくのだろうと期待していたのですが、宙ぶらりんなデスノートが多すぎます。
「地上で効力を発揮するデスノートは6冊まで」という設定を使いたいがために、無理矢理6冊ねじこんだだけなのだろうと思います。
この6冊という制限が作中のドラマに関わることは大してありませんので、最初からこんな設定なければよかった。
あと、この映画は、3次元的に表現したいのか、2.5次元(アニメの延長線)的に表現したいのかハッキリしませんでした。
現実的のような要素が出てきたかと思えば、これ実写でやっちゃうの?とドン引きするような表現なども…。
役者さんの演技ですが、東出さんの演技は役にハマっていたと思います。
淡々とした表情や演技ですが、それが三島=キラだと発覚したときにとても映える材料となっている気がしました。
菅田さんは、いい意味でいつも通りの菅田さんでした。
最後に池松さんですが、この方だけキャラクターが「アニメから出てきたキャラクターなのかな?」と思うくらい、台詞やイントネーション、動作などといった何もかもが実写で表現するには胡散臭く、痛々しいというか、とにかく見ていて寒くてドン引きでした。
※池松さんが悪いのではなく、キャラクター自体の話です。
他の方のレビューを見ると、こちらのキャラクターは好評なようでとても驚きました。
こういうキャラってアニメじゃないと見てられないなー…というか。
この新生Lのキャラ作りというか台詞や一挙一動が寒くて、とにかくこの人が何かする度にウッとなっていまった。とにかく三島・紫苑のキャラと比べて悪い意味でかなり浮いてました。
印象タグとして「笑える」にチェックを入れましたが、これは上記の竜崎の寒々しい一挙一動、及び、紫苑が全身を銃で滅多打ちにされるシーンです。
特に紫苑のシーンは心の中で爆笑するとともに寒いなーと思いました。
このシーンをやるなら、もっと紫苑というキャラの掘り下げ、もしくは三島との繋がりが必要でしたね。
前キラ・前Lは完全に踏み台にしか見えませんでした。
監督がこの映画を通して何を表現したかったのかも分かりません。
あとラストの三島・竜崎の入れ替わりのくだりで発生するとある台詞を聞いて、「監督(もしくはライター)はどうしてもこの台詞を使いたかったんだろうなw」としか思えなく、なんだか萎えました。
スタッフクレジット後のキラの「計画通りだ」という台詞も、前キラを馬鹿にしているようにしか思えませんでした。
とにかく、全シーン通して、原作へのリスペクトというか「これは大場・小畑タッグが原作のデスノートという作品の実写映画版だ」という意識が感じられませんでした。
単にデスノートという商業的に便利な題材を使えるwというオーラしか伝わってきません。(もちろん実際はそうではないかもしれませんが、この映画を見ただけでは、そうとしか捉えようがありません)
見ていておっと思ったのは、ミサが「ライトの腕に抱かれて死亡」とノートに書き死亡したことと、EDのスタッフクレジットで、役名が偽名→本名に書き換わっていったことでしょうか。見ていて面白かったです。