劇場公開日 2016年10月29日

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「デスノートルール内で展開する刑事物の亜流」デスノート Light up the NEW world りゃんひささんの映画レビュー(感想・評価)

2.5デスノートルール内で展開する刑事物の亜流

2016年10月30日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

前回のデスノート事件から10年。
世界に6冊のデスノートが頒布され、日本では警視庁にデスノート対策班が設置された。
対策班の主力は三島と名乗る、デスノート事件に詳しい刑事(東出昌大)と、前回の事件解決の立役者Lの後継者で世界的探偵の竜崎と名乗る男(池松壮亮)。
そんな二人の前に、デスノートを用いた通り魔的殺人者が現れる・・・

というところから始まる物語は、その後、前回の事件の犯人キラの後継者(菅田将暉)が現れ、地上にもたらされた6冊のデスノート争奪戦が始まる。

うーむ、前作をおさらいしておけばよかった・・・

とにかく、デスノート・ルールが判らない(思い出せない)。

顔を特定して名前を書くと、書かれた人物は書かれたとおりに死ぬ、というのは覚えていたが、その他はさっぱり。

一度名前が書かれると、その後に名前が書かれても無効になるとか、また、ノートを破ろうが燃やそうが効果は変化しないとか、デスノートを使った後に所有権を放棄すると所有時の記憶がなくなるとか、死神と契約すると観た人物の名前がわかるとか、なんだかそんなのがあったのね。
さらに今回は、地上に存在できるデスノートは6冊が上限だとかというルールも加わる。

劇中前半で誰だったかが死神に問う「デスノートにはルールはいくつあるんだ」というのを、製作者サイドにそっくりそのままお返ししたい気持ちになった。

で、そんなルールの中で繰り広げられる物語が、刑事ドラマの亜流。
すなわち、
(1)誰が貴重な品(デスノート)を持っているか
(2)誰が、その貴重な品を狙っているのか
のふたつで物語が展開される。

いやぁ、刑事ドラマならば、一般の常識や法律という範疇で活動がなされるから、観ていて(納得できなくても)わからなくなることはないんだけれど、デスノートルールの中で展開されても、なんだか勝手にやってくれ、という気になってしまう。

前作で感じられた「ノートを手に入れた主人公が、「犯罪のない世界を夢見、また、法律で罰せられない犯罪者を自らの正邪の論理で罰する」ところから発せられる「物語の葛藤」が、本作ではまるでない(いや、最後の方にあるのはあるんだけれど)。

ということで、今回は期待外れ。
135分の長尺も、やたらと疲れるだけの結果になってしまった。

りゃんひさ