リリーのすべてのレビュー・感想・評価
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考えさせられた
この作品は愛で溢れていると思いました。様々な壁に当たるもそれを受け入れ乗り越えていく。これがもし自分だったら受け入れられたか、乗り越えて行けたのか、とても複雑でした。最近はジェンダー問題も話題になっているので少しでも多くの方に見て頂きたい。
内容も勿論ですが、エディの演技も素晴らしかったのでそちらにも注目して頂きたいです。
リリー
予告見ずに観たためか、偏見なしで観ることができた。エディ演じるリリーが美しすぎて、この映画を観るまで、広告ポスターの2人はどちらも女だと思っていた。アイナーの妻の気持ちを考えると胸が痛いし、リリーの気持ちも理解できないわけではない。この問題は、今の時代でもまだまだ続いている問題である。わたしはこの映画を観ることができてよかったと思う。
多重人格に思えるリリーのしくみ?
リリーは昔から存在していて女装が切っ掛けで呪縛から解けたかのように全てがリリーに。
リリーは物凄く我儘な少女のように御転婆で女性より女性らしい手の掛かる人だ。
生涯のパートナーと想えた男が生涯の女友達に関係が様変わりする複雑な奥さん。
グザヴィエ・ドランの「わたしはロランス」や「彼は秘密の女ともだち」よりもシビアな内容だけどその二作品よりも胸が熱くなる感動には至らず案外、スムーズに鑑賞。
リリーも含めた主要人物の描写を感情的に深く掘り下げる工夫が欲しかった。
苦しすぎる映画!!
エディ・レッドメインの演技は凄いですが、仕草をいくら研究しても女性には見えませんでした。ストーリーは特に盛り上がることもなく、ただただ盛り下がっていき、体を傷つけていくので観ていて苦しくなります。部屋の中でもスーツを着ている姿はキマッていました。男ヴァージョンの方が格好良くて好きです。「善き人のためのソナタ」のセバスチャン・コッホを久しぶりに観ました。
史実として重要
エディレッドメインはやっぱり良い。
だんだん女に見えてくる。
エディの女装がきつい、とかってレビューもあるけど、そりゃ男ですから。そういう話ですから。外見を綺麗につくろうオネエの話ではないですから、そこは勘違いしないでほしいですね。
愛とか云々の難しい話ではなく、
初めて性転換手術をした人の話、
現代みたいな概念が無い時代の話、として見るべきです。
おもしろいです。
思っていたより、やっぱり妻の辛さが、
辛いなぁ、と思いました。
女装はイマイチ、映像美の方を堪能、
これははっきり言って、性同一障害と同性愛の相違点に食い込みたかったのでは?
はっきりいってレッドメインの女装はきついですw
それと包茎のアレをばっちり映すような全裸シーンは無用だった。
劇中にいくつか織り込まれる男同士の同性愛のエピソードも比重が重過ぎた。
女でありたいと願うとともに、女が好きだという話の展開にしていった方が、例えば日本のトランスジェンダーたちにも理解されやすかったのでは。
そんな事より、この監督は画面の構図や背景のシーンに素晴らしいものがある。
子犬の印象付け、木立の情景、オランダの市街地、どれも絵画を見るように美しい。
むしろ次回作に期待。
感情移入しまくり
いろいろ物議を醸しているようですが、最も受け取るべきは普遍的な、愛するって何、ってことだと思いました。
他人を伴侶として愛すこと、自分をかけがえのないものとして愛すこと、もしかしてそれは時に残酷な形で矛盾していくということで、葛藤とか喜びとか、涙なしには見られない作品でした。
久しぶりに嗚咽して泣きました。
美しい映画
性別が変わっても変わらず愛し続けることができるのが本物なのだろうか。少なくとも今の私にはできないことだ。
衣装も風景も美しく最初から最後まで飽きることなく鑑賞できた。
妻は健康的なかわいらしさがあり、夫は哀しさを増すごとに美しくなっていったのが印象的だった。
A man suffering gender identity disorder
Eddie Redmayne is one of my favourite actors and Congrats Alicia Vikander for the Academy Awards Best Actress in Leading Role this year ! I should've watched this at the cinema although I really considered if I should go to the cinema to see it or not but just didn't have enough time to go unluckily ... finally watched it on the Internet , we'll both of cast are beautiful Eddie is like a real beautiful woman and Alicia really deserves the Oscar ! I thought that it would be a little similar to Carol but completely different . Enjoy ( Based on a true story )
強い
実際の人物をモデルにしてるって知らなかった。今でも偏見の残るトランスジェンダーの人が、80年も前に自分を貫き通すってすごい強さだなと思った。
心情とリンクしてる音楽もとてもよかった。引き込まれっぱなし
実際は、二人は結婚を無効にされて、お互い再婚するって話らしいけど、妻の立場が切ない。切なすぎる。愛してる夫が女性になっちゃった、、いや、元々本当は女性なのに男性の体で苦しんでましたって、妻のほうも救われない。
これを理解して、尚且つ愛するって、、カーテンで仕切ったベッドの上で会話するシーン、重たい。
こないだまで私と結婚してたのよ。。って、そーだよ!って誰を攻める訳じゃないけど、誰も攻められないけど、切ない。切なすぎる。
美しかった
エディ・レッドメインがホントに美しい!もちろん肌や骨格など隠しきれないものもあるけどそこがリアルで良かった。
徐々にリリーになっていく夫と理解しようとする妻。リリーになればなるほど夫はいなくなっていく。切ない。
リリーがいた
冒頭の風景と不安を煽る音楽 何かくるのかと身構えたけど何もなくて最後に腑に落ちた
アイナーにきっかけがあってリリーが息を出す 本人もゲルダも戸惑ってでも2人は本当に愛し合っていたから最後まで支え合えた
リリーが本当にいてみえた
最後の言葉が"本当の私になれた"の様なもので彼女は亡くなってしまったけど心から嬉しかったから報われたのではないかと感じた
結婚したかったと言ってるからそれは叶えさせてあげたかったな
コペンハーゲンの街並みが綺麗で音楽もあってて最後のゲルダが美しかった
エディ、凄すぎ…
とにかく、エディの演技が凄かった。
本物のリリーにしか見えなくなっていた。
死も覚悟しても、本当の自分になりたいという
気持ちは、同じ境遇でないと分からない想いかもしれない。あの時代であれば尚のこと…
見どころはエディの美しさだけでなく、今から100年近く前のファッションも。あの時代、パリで着物が流行っていたんだなあとか、そんな楽しみもありました。
誰にも渡したくない、この余韻を
2016年春、早くも今年ナンバーワン!、と思える作品に出会えました。
「リリーのすべて」
私はとても良い作品だと思いました。
エンドロールでは不覚にも涙してしまいました。
世界で初めて「性別適合手術」を行った人の話です。
物語の舞台はデンマークの首都ロッテルダムです。
1,926年。第一次大戦の傷も癒え、束の間の平和が訪れたヨーロッパ。
人々は平和な時代を、おおいに楽しみました。
さて本作の主人公アイナー・ヴェイナーは、芸術家です。
主に風景画を描いている絵描きさん。
奥さんゲルダも画家です。彼女は肖像画を描いている。
ただ、画商さんからは
「奥さんの絵は……ちょっとねぇ」と渋い顔をされています。
なかなか売れそうもない。
でも奥さんゲルダは、肖像画家として、なんとしても成功したいと願っています。
今、手がけているのは、大きなバレリーナの絵。
ぼくは絵画の知識、まるでないんけど、たぶんサイズは150号近いんじゃないですかね。
2m×1,8mはラクにありそうな超大作です。
モデルさんが、たまたまいなかったので、ゲルダは旦那さんに
「ちょっとアンタ、手伝って」
といきなり、バレエのチュチュとタイツ、トゥシューズを押し付けます。
ご主人のアイナーは、やせ形で、いわゆる草食系男子。かなりイケメンです。
美男子は、女装させると、本物の女には出せない”怪しいまでの”「女子力」がある事は、結構知られていますね。
「しょうがないなぁ」とご主人、しぶしぶ靴を脱ぎ、ズボンを下ろして、白いバレエタイツに脚を通してみました。そのときです。
「えっ……」
なんだろう、この感覚は?
彼はドキリとします。
-どういうこと?-
自分でも分かりません。
なぜか胸が苦しい。でもちょっと嬉しい。
この白いタイツの心地良い肌触り。
「まさかこれが自分の脚?」
彼が見つめるその先には、白いタイツに覆われた、均整のとれた、無駄のない脚がありました。
それは、まさしくバレリーナの脚そのもの。
続いてバレエのチュチュも体に当ててみる。
「オッケー! ハイ、そのまま、じっとしててね」
奥さん、旦那にポーズを取らせ、描き始めます。
全てはここから始まってしまいました。
女装させると「うちの旦那、結構いけるじゃない!」
と奥さんゲルダも、ゲームを楽しむように、旦那を着せ替え人形みたいに取り扱います。
ついでに「メイクもやっちゃえ!」
その勢いで奥さんは、女装した旦那を伴ってパーティーへ繰り出します。
会場に着くなり
「まぁ~、素敵なお友達ねぇ~、どちらのお嬢さん?」
と、女友達からも尋ねられます。
フフフ。
こんなに「綺麗な女」に変身させたのは、自分のアイデアとメイクの実力。
奥さんの思惑は大成功。アーティストとしての面目躍如、といったところでしょうか。
パーティーは盛り上がります。
やがて旦那のアイナーは、あることに気づきます。
パーティー会場の男性の視線です。男たちは自分に向かって微笑みかけてきます。その快感。
ちょっとの間だけ「女の子ごっこ」をするつもりだったご主人。
しかし、これが、ご主人アイナーの中に眠っていた「女である私」を目覚めさせてしまったのです。
やがて彼は、普段から女性の姿で生活を始めます。
もう後戻りできない。
「やっぱり自分はどこかおかしいのか?」
夫婦は病院に行きました。
このお話、今から90年ほど前のことですよ。
当時、男が女の格好するのは「ホモ」「変態」「異常者」扱いされていた時代です。
21世紀の今でさえ、いわゆる「LGBT」への偏見の目が、根強く残っている現実があります。
それが90年前の世の中では、それこそ、もう、人間としての市民権さえ剥奪されかねない。
当初、夫婦は精神科へ通いますが、やがてドイツに「性」に関する名医がいるとの噂を聞きつけます。そこで夫婦はドイツのドレスデンへ直行。
そこで医師から提案されたのは外科的な治療でした。
「手術は二度に分けて行います。まず、ご主人の男性器を切除し……」
名医は偏見の目を持たず、丁寧に丁寧に説明してくれました。
ついにアイナーは、本当の女となるために決意します。
「私は、もうアイナーじゃない。リリーです。女性として生きていきます」
本作は、たいへん格調高い、気品溢れる作品です。
変なエロさや、いやらしさはなどは全く感じないんですね。
これはきっと原作の良さ(ちなみに本作は実話です)そして丁寧な脚本の仕上げ。
作品を作る視線、主人公たちを温かく見守るスタッフたち。
更には、映画全てをまとめあげた、アカデミー賞監督トム・フーパーさんの手腕。人格者としての品性の良さ。
それら全てが相まって、こんな素晴らしい作品にしあがったのでしょうね。
時折、風景画のように挟まれる、デンマークの街並み。
朝の日差しの清々しさ、あるいは夕暮れ時、セピア色に染まるロッテルダムの風景。
ただ、もう、ずっと、鑑賞していたくなるような味わい。
まさしく絵画そのものです。
また、画家のアトリエの中での「ほんのり」「ふぅわり」とした明るさ。
照明スタッフがこういうところ、実にいい仕事してますねぇ~!
かつて伊丹十三監督が、ため息まじりにこう言いました。
「ヨーロッパの監督はいいよな。街を映すだけで映画になっちゃうんだからね」
ほんとにその通り。
街並み、それ自体が、ひとつの美術館とさえ言えるほどです。
歴史とその土地の文化を雄弁に物語っていますね。
さて本作では、衣装にも注目です。
1920年代の女性たちが身にまとう、当時最先端のファッション。
そのバリエーション、センスの良さは特筆すべきものです。
シックで気品があってお洒落なんですね。とっても素敵です。
20世紀に入って最初の世界大戦。
それは、人類が初めて体験した大量殺戮戦争でした。
そのあまりの凄まじさ、悲惨さ故に
「もう二度と世界は、あのような愚かな戦争は起こさないだろう」
当時を生きた人々は、皆そう思ったのでした。
「もう二度と、あんな馬鹿な戦争は無い」
その安堵感は、敗戦国ドイツ以外の国、特にフランスなどで、顕著だったように思われますね。
芸術家にとっては、まさに天国のような時代が訪れました。
パリでは芸術家たちが、生き生きと活動を始めます。
ちなみに、日本の「FOUJITA」藤田嗣治が脚光を浴びたのもこの頃。
狂乱の1,920年代と呼ばれた「エコール・ド・パリ」が花開いたのです。
文化、芸術の都「パリ」
その影響は、本作の舞台である、デンマークにも大きな影響を与えていたことが伺えます。
そういった意味で、本作は、アート系映画としての資質さえも兼ね備えております。
また、さりげない音楽も大変趣味がいいですね。
本作はこのように「欠点を探すことが難しい」ほどに、よく出来た作品なのです。
主人公リリーを演じた、エディ・レッドメイン
本当によく演じました。
才能ある画家でもあり、良き夫だった男性を演じます。
さらには、我が身の奥深くに閉じ込められていた「女性である自分」に気づく。
その控えめな演技。
これは監督の演出力と、役者の波長が共鳴した奇跡なのでしょうね。
いやぁ~、もっともっと語り尽くしたい。
そんなことよりも、早く本作を劇場で、ご覧になってみてください。
なお、私が見た劇場では、男性は私を含め、二、三人ほど。
あとは、全て女性でした。
私の前の席に、若い女の子たちが四人、連れ立って来ていました。
その娘たちは、エンドロールが終わり、劇場の照明がほのかに灯るまで、誰も席を立とうとはしませんでした。
ずっとこの作品の余韻に浸っていたようでした。
私も、この静かな余韻を誰にも渡したくない、とさえ思いました。
そして、ハンカチを取り出し、こっそり瞼を拭いました。
誰にも見つかりませんように、と願いながら。
ジェンダーを真正面から
性同一性障害が、まだ理解されない時代。自分が自分じゃない、そんな感覚ってどんなに苦しいだろうと、心打たれました。
内容は重いものですが、映像美や音楽、細やかなアイテムがすごく綺麗なもので、ひとつの芸術作品を見た感覚です。
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