「テレビは何でもして良いわけじゃない」グッドモーニングショー 2638さんの映画レビュー(感想・評価)
テレビは何でもして良いわけじゃない
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役者陣がちゃんと演技派揃いで良かった。まずはそれに尽きる。
実際に起こり得る犯罪であり、実際に起き得るバッシングであり、実際にされ得る(震災の頃のフジなら間違いなくやってた)報道であったと思う。それに気付いているのかいないのか、流石に意識してやってるよな、一応テレビ自身の身を切る姿勢でテレビの実態を描いたのはとても面白かった。
しかし結局のところ、投票の不正や調整を正当化したようにも見えてしまうのはすごく残念。作品の中では、それのおかげで濱田岳が死なずに済んだことは間違いない。そうした方便や優しい嘘はこの世には必要なこともある。
が、問題は誰がどういう理由でそれを決めるのかということである。今回は時任三郎と中井貴一が人命のために行ったものだったから一応道理があったが、では普段はどうなってるんだ? なあおいフジテレビ? という問題提起(内部告発)作でもあったのなら、本当に良作だと思う。
と同時に、キャスターも人間で、各々の倫理観やプライベートというものがあるのよという視点も同時にあった点がまた作品を複雑にしている。それもテレビ業界のリアルなんだろうか。
はじめに演技派揃いで良かったと述べたが、キャスティングもまた良かった。中井氏はアナウンサー役だったが、ああいったニュースショーはタレントのなんちゃってコメンテーター起用も多いので、その辺の枠も居ればよりリアルだったのでは。
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