「ワイドショーの舞台裏的な部分は楽しめた」グッドモーニングショー スペランカーさんの映画レビュー(感想・評価)
ワイドショーの舞台裏的な部分は楽しめた
昔から朝の情報番組を見るならめざ○しテレビ派な私としては、まるでめざ○しテレビの舞台裏を見ているようで、まあいろいろと突っ込みどころはありましたけど、基本的には楽しめました。
本来ならフジテレビが製作に関わっている時点でテンションも下がるところなのですが、この映画に限ってはフジテレビならではの映画だったな、テレビ屋ならではの映画だったなと、少しだけ感心しました。
フジテレビらしい詰めの甘さは、ある意味ご愛嬌と言うか、これもフジテレビらしさと捉えて見るしかないでしょうね(苦笑)
ただ朝の情報番組のみならず、ワイドショー的番組をほぼ見ない方にとっては(テレビ自体を見ない方は更に)、テレビ屋の愚痴や弁明を見せられているようで、つまらないと思っても不思議ではなかったかも。
私はお堅いニュースだけの番組よりも、ゴシップ・グルメ・その他諸々を含めて面白おかしく見れるこの手の番組の方が好きなので、彼らの意地、それでも仕事を続ける理由なんかに少しグッと来るところもあったりして、まずまず面白かったとは思いましたが・・・。
まあフジテレビっぽいノリの軽さで好みは分かれそうですけど、でもこの軽さがこの映画には合っていたと思いました、何かと突っ込みどころ満載なので、きっとシリアスに描いたら目も当てられない映画になっていたことでしょう。
しかし前半のワイドショーの舞台裏を描いたギリギリの攻防みたいな部分は、ホント面白かったなぁ。
これも業界の第一線で活躍してきた君塚監督ならではの作風だったと言えましょうか。
ワイドショー班と報道班の確執はさすがにやり過ぎの感も、ああ言う上から目線、どの世界にもあるよなぁと妙に納得。
で、まあこのテンションで最後まで見たかったのですが、立てこもり犯と三宅、じゃなかった澄田キャスターがメインとなった後半でやや失速してしまったのは何とも惜しい・・・。
シリアス部分がどうにも中途半端でしたからねぇ。
立てこもり犯の動機も薄いかなぁ、最初の理由は少し面白かったし濱田岳の演技も好きでしたけどね。
好きと言えば主演の中井貴一のアタフタ演技も何とも言えぬ味があって何か好きだったなぁ。
家にいても職場でも哀愁が漂っていたりして、見ていて何だか切なくなりました。
家では吉田羊、職場では長澤まさみ、ある意味幸せ者だなぁ、でも長澤まさみの暴走はやり過ぎ!まあ面白かったけど。
志田未来との対照的な構図も良かった、画面両サイドの女性の空気感も(笑)
まあ何だかんだで、キャストの好演にも助けられて、それなりには楽しめた映画でしたかね、いかにもフジテレビな自虐的な部分も含めて。