劇場公開日 2016年3月25日

「笑い少な目は心残りも、完結篇としてはうまくまとめた方じゃないかなと」暗殺教室 卒業編 スペランカーさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5笑い少な目は心残りも、完結篇としてはうまくまとめた方じゃないかなと

2016年4月13日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

笑える

楽しい

原作やアニメ版を見てない身としては、まずまず上手くまとめた完結篇だったなと思いましたね。
前作は何とか殺せんせーの魅力で乗り切った印象でしたが、今回はもう見る者は全て分かった上で見ますから、一体どうまとめるのか、正直ちょっと厳しいんじゃないかなとも思っていたのですが、なるほど・・・ってまあ、羽住英一郎監督お得意のお涙頂戴テイストには嫌悪感を抱く方も多くいらっしゃることでしょうが、そこはさすがと言えるアカデミー賞俳優二宮和也の演技で十分感情移入できる内容になっていましたから、とりあえずうまいこと納得できる形で卒業に導いたなと、そんな印象を抱きました。

ただ、前作もそうなんですが、私のような原作を知らない者にとっては各エピソードが少々断片的過ぎていまいちピンと来なかったりと、どうしても駆け足感は否めないんですよね。
勿論原作ファンは原作ファンで不満も多いみたいですし、こう言う原作が長い作品は、ホント実写化は難しいなと、改めて思わされました。
映像の方は十分邦画としては頑張っていたと思いましたけどね。

逆に回想シーンはちょっと長すぎな気もしましたが、雪村先生とのエピソードは切なくてグッと来た・・・。
前作でも桐谷美玲がちょっとだけ出てきて過去を匂わせてはいましたが、あんなことがあったんですねぇ。
それあっての授業と考えると、何か泣けてくる!
誰かが後押ししてあげれば、人はやり直せる、そんなメッセージが思いのほか心に響きました。
前作のあえて感動方面に持っていかないコミカルテイストな作風も嫌いではなかったけど、今回の方が個人的には好きかな。

しかし二宮和也、桐谷美玲、成宮寛貴の過去パートに時間を多く割いてしまった分、若手俳優達の見せ場は前作以上に激減してしまいましたね(苦笑)
前作同様に菅田将暉は主役を食う存在感を見せ付けるも、後は山本舞香ぐらいで・・・。
主役の山田涼介は「グラスホッパー」では能力の片鱗を見せかけていましたが、このシリーズではどうも微妙なようで。
他は完全に空気、竹富聖花や橋本環奈や加藤清史郎ですら見せ場少な目、優希美青辺りはいたかどうかもほぼ確認できず、武田玲奈は知名度アップで画面に映る回数は増えるも、葵わかなは登場すらしなかったね・・・。

スペランカー