ベテランのレビュー・感想・評価
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財閥御曹子VS熱血ベテラン刑事
とにかく熱い。格差社会で生活が苦しいトラックドライバーの悲劇に端を発したある事件を捜査する熱血刑事とそのチームの活躍を描く。
ドラマチームの撮影の考証を担当するほどのベテラン刑事が、ある大企業の御曹司に犯罪の臭いを嗅ぎ、ラストは繁華街で一騎討ち。コメディ仕立てであるゆえにロボコップが犯人逮捕時に罪状と権利を読み上げる部分を彷彿とさせた。実際にあんな凶暴な犯人はいないだろうが、あそこまでタフな刑事もいないと思う。
とにかくクズでイカレた野郎の描写が、韓国的に病的だった。自分の警備を担当している運動選手の足首をへし折ったり、飼い犬をゴルフクラブで殴ったり、トラックドライバーを息子の目の前で一方的にボロボロに殴られる場面を見せたり、御曹司のアドバイザーのおっちゃんのケツを会長がステッキで打ったり。異常な場面の連続ではあったが、熱血刑事とそのチームが買収工作に負けず正義感と直感に導かれて身体を張って頑張っているところにこの作品の魅力がある。
いじめの連鎖みたいなことなんだろう。社会全体が病んでいるとも言える。もちろんそれは韓国だけではなく、日本でもそういう事件もあるし、アメリカでもほかの国でももっとだろう。主人公含めコメディ仕立てにしてあるせいか、毒の部分がやや薄れてはいるけれど、名作だと思う。
斜めに見れば別の面白さがある。
勧善懲悪のポリスストーリーで、
気分転換には、お勧めします。
深読みすれば、もっと面白い。
1)ソウル郊外で乱闘。
巨大ビルの横の未開発農地がロケシーン
乱雑な都市計画が分かる
2)複雑に入り組んだ人脈、血脈
儒教のバックボーンと欲望
悪い警察と良い警察があるのかという
疑問が残ります。
3)正義が何処にあるのかという疑問
イ)巨大財閥無くして、ありえない
韓国経済の発展
ロ)日本とは違う労資の闘争
まあ、最後のシーンで解りますが、
「信号、ルールを守って、ボクシングしましょうか」って事が結論なんでしょうかね。
面白かった
憎らしい大企業の奴らの酷いやり方に立ち向かう刑事たち。
新しくはないけど、韓国映画らしい迫力の肉弾戦アクションで楽しく見せてくれる。
街中のカーチェイスシーンは、恐怖を感じるほどの迫力。
あと役者の顔がみんなイイ!
ユアインの人を見下し切った目つきもいいし、オダルス、ユヘジンの脇役顏がまたすごくいい。
面白かった。
アクションコメディの枠を越えた快作
「ベテラン」見ました。最高でした。宣伝通りの爽快アクションに仕上がってます。傑作「ベルリンファイル」のリュ・スンワン監督と、「新しき世界」のファン・ジョンミン。韓国映画好きなら鳥肌モノのコンビですね。
まずストーリー。全体的にはよくあるお話。それをカバーしている、御曹司の超絶悪事と、ベテラン刑事の暑苦しいまでの”昔気質”。御曹司が直接人を傷つける描写(女の顔に食べ物を投げつける等)はもちろんだけど、1番グッと来たのは「マンションCMの女」ですね。ここだけで80点プラスです。こいつ最低だ〜ってのを簡潔に表しつつ、笑わせてくれる。実際ここだけではなくて、全編通して笑ってる客は多かった。
逆に刑事側は、暑苦しいだけで捜査能力はありません。というのも、刑事側が悪を追い込む過程ではあまり爽快感を感じない。常務が自首した所から話は結末に向け加速するけど、多分自首して来なければ事態は平行線でしょうね。
ラストの直接対決は最高です。明洞でのカーチェイス&格闘。行ったことがある人ならわかると思うけど、明洞でここまでやったの?と感心せざるをえない。すごいですよ。分かんないけど、日本なら渋谷とか新宿のど真ん中でドンパチ撮るようなもんでしょ。
あとはそこでの御曹司の、他人の迷惑を考えない行為ね。渋滞の中を横から突撃したり、白バイに正面から突撃したり。この御曹司の行儀の悪さは全編不愉快極まりないけど、ここで確信した。こいつは超一流企業のボンボンとして長い事育ってるから、自分が偉い(何をしても許される)と勘違いしてるんだと。だからカメラでバシバシ撮られてても警察をブン殴るし、轢き逃げしたんだね。こんなクソ野郎が最後に捕まるんだから爽快じゃないワケがないでしょう。
総じて、最高でした。洋画で言うと「リーサルウェポン」的ですかね。単なるアクションコメディの枠に収まらず、容赦のないエグ味をプラスした快作であり、最後に悪党を懲らしめる事に一点集中した爽快感Max!ありがとう、ファンジョンミン!
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