レヴェナント 蘇えりし者のレビュー・感想・評価
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「vs自然」。
⚪︎作品全体
物語はシンプル。主人公・グラスが息子を殺され、その復讐を目指す。
復讐劇には復讐を成し遂げるまでの障壁と苦難がつきもので、そこは本作も同じだ。しかし本作が普通の復讐劇と一線を画すのは、復讐すべき相手との対峙より、そこに至るまでに立ちはだかる「自然」との対決に時間を割いていることだろう。
相手が人間でない以上、何度払いのけてもすぐにまた襲ってくる恐怖がある。熊に襲われたグラスがようやく体を動かせるようになっても「飢えとの対峙」があり「寒さとの対峙」がある。原住民族が追ってくる脅威は「対人間」だけど、自然との戦いが常時ある。通常の物差しでは測れない自然という強大な敵が、シンプルな物語に大量の困難を降り注ぐ。その説得力は「対人間」では描けないものだ。
その強大である自然の映し方もまた見事だった。
広い空と聳え立つ山、見ているだけで寒くなってくるような雪と氷、川。多くの場面で聞こえてくる水の音や木の軋む音。静寂や安らぎをイメージする一方でグラスを吸い込むように取り囲む威圧感もある。時間を使って映すことで、一生抜け出せないような恐怖に息を呑んだ。
作品によっては環境映像のような印象になってしまう映し方だけど、グラスの一刻を争う過酷な状況を映すことで「広大であることの恐怖」を作り出し、静かに流れる自然の時間とグラスの状況を対比的に演出していた。
その中でグラスの逞しさを感じるのは、単に卓越したサバイバル技術だけではない。亡き妻の「力強く根の張った木を風は倒せない」という言葉のとおり、悪天候の中でもそびえ立つ木々と重ねる演出があったからだ。
例えば作中で何度も映される木々のあおりショット。木々とその先にある空を大きく映せるあおりの構図は特に珍しいものではないが、妻の言葉が前提にあると、様々な天候の中でも立ち続ける木々に強いメッセージを感じた。嵐で枝が折れようと、雪をかぶって葉を落とそうと、木々は力強く立ち続ける。生きている限り再び枝葉を生やすことができる…そういった力強さがグラスにも宿っているように見えた。
そういった静かな生命の強さの演出として、呼吸があった。「息をし続けろ」という妻のセリフも印象的に使われていたが、その「息をし続ける」表現として、カメラのレンズを曇らせるグラスの吐息が使われていた。広く雄大な景色を映す作品だが、グラスの吐息も同じように画面に強く影響を与える。そのことを強く意識させる演出で、そのアイデアが素晴らしい。
復讐を果たしたグラスは再び瀕死の様相になるが、自然に勝ち、仇敵・フィッツジェラルドを倒したグラスの姿はむしろ逞しい。フィッツジェラルドの遺体を果てなく流し続ける川とそこへ引きずり込まれたような血痕を映すラストは、自然の強さの証左だ。
自然の過酷さとスケールの大きさを見事に描ききっていた。
◯カメラワークとか
・序盤で原住民族が襲ってくるシーンは『バードマン』で強烈な印象を残したイニャリトゥ監督の長回しが炸裂していた。入り乱れる攻防をカット割りで整理することなく、次々と見せていく緊張感が素晴らしい。川沿いの洞窟で休むグラスに接近する原住民族のシーンもそれぞれの立ち位置を1カットっぽく映すことで緊張感を途切れさせない。
◯その他
・グラスの過酷さに息を呑む。瀕死の状態から白骨化した動物の死骸の隅から肉をあさる姿、馬の死体の中で一夜を過ごす姿、生肉を貪る姿。どれも鬼気迫る。
生きることを諦めてしまいそうな状況でさえ、文字通り「もがく」グラスの姿には励まされるところがあった。
過酷なのに・・・とにかく美しい 圧倒的な映像と静謐な自然に溶け込む坂本龍一の“音”を観る
以前四国のとある雪山に登った。
夏場は重装備でなくても登れるような山だが
雲海が広がる四国の雪山は、まるで仙人の居る世界のように静謐で美しかった。
山頂で見たあの景色は二度と忘れられない。とても言葉では表現できないほどの神々しい景色に圧倒された。
五感は研ぎ澄まされ、天国と下界の境目があるとしたらこんなところではないだろうか、そう思った。
この作品も、圧倒的な映像美。それこそ天国と下界の境目にでも入ったかのように美しい。
そして、フィクションという事を忘れさせる映像からは、その過酷さがひしひしと伝わってくる。それらは臨場感とでも言えば良いのだろうか、恐らく普通に世の中で暮らして居る中で体感することは無いであろう“境目”、そんな境界に接したかの様な体験ができる作品だ。
この作品は1823年が舞台、日本は江戸時代後期徳川家斉の治世、アメリカでは第5代大統領ジェームズ・モンローが、いわゆる「モンロー宣言(モンロー主義)」を発表、「アメリカ合衆国はヨーロッパ諸国に干渉しないが、同時にアメリカ大陸“全域”に対するヨーロッパ諸国の干渉にも反対する」そんな西部開拓時代を生きた実在の罠猟師ヒュー・グラスの半生と、彼が体験した過酷なサバイバルの旅を描いている。
実話はをもとに描いたフィクションなのだが、まるでノンフィクションの復讐劇を見ているかのようなリアルな“画”づくりが凄い(故に+R15)。アカデミー賞最多12部門ノミネート、監督賞・撮影賞・主演男優賞を受賞、惜しくも視覚効果賞の受賞はならなかったが、VFX効果と撮影はかなり見応えがある(この年の視覚効果賞は「エキス・マキナ」が受賞したが、こちらも凄い)。
主人公のグラス( レオナルド・ディカプリオ)が熊に襲われるシーンはVFXである事を完全に忘れさせる、終盤のグラスとフィッツジェラルドの格闘シーンは本当に殴り合わせディカプリオは鼻を骨折したが、そのまま撮影は続行したという逸話も残っているほど迫真。
そして何と言ってもロケが凄い!手つかずの自然が残るリアルな未開の土地で、自然光のみを使うというこだわりのため、1日の撮影できる時間は1時間半程度だったという。
映画館のスクリーンで見てこその作品だが、テーマがテーマだけに今後スクリーンで見る機会は訪れないかもしれないが、また劇場公開されたらその素晴らしい映像と坂本龍一の音楽を堪能したい作品だ。いつか、「坂本龍一・映画祭」を真剣にやってくれないだろうか。
グロテスクと神聖は紙一重
終始映像が綺麗だ(解像度もそうだが構図やアングルが臨場感を出している)。
演技や描写も文句無し。
熊との戦いがリアル。
自然の法則を感じる。
馬の内臓取り出しや魚の踊り食いも超絶映像。
キリスト教的なテーマを感じながら視聴できれば楽しめる。
復讐は自分でするのではなく神に任せようというメッセージがメイン。
レイプ被害者を助けたことが伏線回収されて良かった。
間延びしてるかな
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レオ達は毛皮で商売をする部族だが別部族に襲われる。
そして逃げて戻る途中、レオは熊に襲われ重傷。
フィッツて奴が最低で、逃げるのに足手まといだから殺そうと提案。
でもみんなにとってレオは恩人で、隊長は決断できなかった。
なので息を引き取るまで数日間見守って埋葬することにする。
そのために報酬を約束し、フィッツを含む3人を残したのだった。
しかしフィッツは他の2人がいない間にレオを殺そうとする。
そしてそれを見つけて止めたレオの息子を殺害。
さらに敵が来たのを見たと言い、レオ放置で他の一人と逃げる。
そこからレオの決死の一人旅が始まる。
そして紆余曲折の末、仲間に助けられる。
それでフィッツの悪事が全てバレるわけだが、当然フィッツは逃走中。
レオは隊長と共にそれを追い、殺してハッピーエンド。
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劇場で見たんやが、ちょっと間延びして眠かったかな。
上記「決死の一人旅」のところで色んなことが起こるのだが、
いかんせんペースが悪くて全然進まない感じ。
何とか生き残ってフィッツを殺すって結末は明らかやったんやし、
もうちょっと短くまとめても良かったような。
でもアカデミー俳優・レオの演技は素晴らしかったです。
圧巻の大自然の中で描かれる復讐劇。レオ様の好演は必見。
Amazonプライムで視聴。私の好きなジャンルである「復讐劇」(所謂「リベンジもの」)で何か無いかなと探していたところ、本作の評判が良かったので視聴した次第。
ざっくりとしたあらすじは、アメリカの開拓時代、極寒の地で毛皮獲りを行っていたアメリカの一団が先住民の襲撃を受ける。本編の主人公は現地人でアメリカ人たちのガイドを行っていた、タイタニックでおなじみ「レオ様」ことレオナルド・ディカプリオ演じるヒュー・グラス。グラスは息子と仲間とともに命からがら死地から逃れ、自分たちの砦を命からがら目指すが、途中グリズリーに襲われ瀕死の重傷を負ってしまう。砦を目指す仲間たちから外れて、瀕死の状態のグラスの最期を看取る役として息子と仲間2人が残るが、仲間の1人に裏切られ体が動かない自分の目の前で息子が殺されてしまう。生きたまま埋葬されるも、何とか一命をとりとめたグラスが裏切り者を追いかけていく・・・といったストーリー。
ストーリー自体はいたってシンプルだが、何と言っても目を見張る大自然の描写が素晴らしいの一言。多くの映画を観てきたつもりだけれども、自然の描写で言ったら1、2を争う作品だった。また、セリフはなくとも、表情や吐息だけで伝えるレオナルド・ディカプリオの演技力は目を見張るものがあった。正直タイタニックのイメージが強かったが、改めてすごい俳優なんだと実感させられた。
おすすめポイントは、グリズリーとの戦闘シーン。もちろん動物と人間の格闘なんて見たことは無いんだけれども、リアル感が迫力とともに伝わってきた。恐らくCGだとは思うが、どうやって撮ったのかが気になるところ。
追記:レビュー後Wikipediaなど色々見てたところ、グリズリーはやはりCGで作られたようだ。また本作は第88回アカデミー賞にて主演男優賞など3部門受賞している名作も名作でしたw
奴はそれを永遠に奪った
当時、映画館で観ました🎬
ヒューを演じたディカプリオは圧巻の演技でしたね。
グリズリーに襲われるところは、リアルで迫力があり自分もビビってました。
息子の仇ジョンを演じたトム・ハーディ、くせ者感たっぷりのいい演技でした。
確か彼の最期は、ヒューはとどめを刺さずに、ヒューが昔助けた女性の部族❓に殺されてましたよね。
他に記憶に残っているシーンは、死んだ馬の体内に潜って暖を取る場面ですね。
あれは、なかなか斬新です。
ディカプリオはこの作品で、悲願のアカデミー主演男優賞を受賞しました❗
全編に渡って、彼の演技が堪能できる作品です🙂
セリフが少ない
めちゃくちゃセリフが少ないから無音のシーンが多かった
レオの生命力半端ない
しかも序盤にレオは熊に襲われて喉を怪我しているからずっと変な声だった
トム・ハーディの顔が最初分からなかった
2人とも意外と声高い
あんまり面白くは無いけど演じるのがすんごい大変そう
内容よりもレオの頑張りを見る映画
死んだ馬の中に入って暖を取るのはちょっと笑った
生傷が絶えない!
アメリカ西部開拓時代の話。
狩猟団体に属している主人公がインディアンの襲撃を
かわしながら毛皮を運ぶ道中で熊に襲われて瀕死になり、そこで仲間に置いてけぼりにされるどころか息子を殺されて復讐するストーリー。
熊に襲われるシーンなんかリアリティ満点✨
瀕死の状態で土から這い出た後から生傷生活の始まり。
インディアンに見つかり川の濁流に流される。
馬を強奪するも仕返しに遭って崖から転落。
生肉食べて吐き出す。
寒さを凌ぐ為に馬の内臓を取り出して馬の体内へ入る。
ラストで耳を噛み千切られる。
などなど生傷が絶えない!!(笑)
それでも復讐する為に過酷な自然環境の中を生き抜いて
目的を達成することができた主人公。
ジェラルドをインディアンに引き渡して
「神に委ねる」的なことを言ってましたけど…。
いや、そりゃ殺されるに決まっとるわww
インディアンに引き渡さなくても
腹と太ももをナイフで刺されて、横っ腹は斧で切られ、おまけに指も切断されて…。あの豪雪地帯。
放っておいても死んだよ、絶対…。
最後に、この映画の見所シーンは
狩猟団体の隊長がグラスが生きていたことを知り
ジェラルドと一緒にグラスのことを頼んだ男にぶちギレたシーンだね。
男「ま、まって!死んだと思ってたんだ!」
隊長「祈りの言葉を言え!!」
男「知らなかったんだ、助からないと思って」
隊長「いいから祈りの言葉を言えーー!!!」
男「…ブツブツ(祈りの言葉)」
隊長「黙れ、黙れーー!!!」
男「…!?」
この理不尽なやりとりは笑うしかないよね…(笑)
暑い夏に最適
アリカラ族の襲撃後、船を捨て森の中を進んでいた一行。そんな中、ヒュー・グラス(ディカプリオ)がグリズリーに襲われ瀕死の重傷を負う。仲間たちは彼の応急手当をして運ぶが、途中ヘンリー隊長(グリーソン)はブリジャーとフィッツジェラルド(ハーディ)に彼の最後を看取り丁寧に埋葬するように命じる・・・
フィッツジェラルドは厄介な怪我人を楽にさせようと殺そうとするが、それを止めようとしたヒューの息子ホーク(フォレスト・グッドラッグ)を刺し殺してしまう。そして瀕死のヒューを置き去りにしてフィッツジェラルドとブリジャーは先に出発した仲間の元へと急ぐのだった。
何とか這い出して一人彷徨うヒュー。途中、先住民の一人に助けてもらい、旅を続ける。ようやくキャンプ地にたどり着いたヒューはケガの治療を受けながらも息子の復讐へと燃える。
一緒に行った隊長もやられるし、凶悪ぶりを発揮するフィッツ。彼もまたインディアンに頭皮を剥がされた経験のある蘇りし者だったことが面白い。
ディカプリオの演技がすばらい
マカロニウェスタンのような復讐劇だったら、最後は悪者を撃ち殺してスカッとするのであるが、この映画はいまいち後味が悪かった。殺される前に彼が、「俺を殺しても息子は戻ってこない」と言ったが、まさにその通りである。
最初は白人対インディアンとの戦いの物語かなと思って見ていたが、息子を殺されてからは、復讐劇の映画だなと分かってしまう。結局、どんでん返しもなく、あとはディカプリオの一人芝居的演技と、厳しいが美しい冬山でのサバイバルを堪能する映画となった。ただ、その二つはどちらも予想外に素晴らしかった。
特にディカプリオについては、タイタニックの頃までは、単なるイケメン俳優くらいにしか見ていなかったが、「ブラッド・ダイヤモンド」あたりから、演技派俳優として認識するようになった。今回初めてオスカーを取ったが、納得する演技だった。
あと、音楽がいいなと思ってスタッフを確認したら、坂本龍一だった。
タイトルなし
クマやインディアンとの戦闘シーンは迫力あり、グロテスクであり。息子を殺したトムハーディーに復讐するため、厳寒で瀕死の中、不屈の執念で追いかけ回すが長い。ラスト、なぜトムハーディーを二人だけで追うのか疑問。またそもそもなぜレオナルド・ディカプリオはインディアンの妻がいるのか、ラスト、その妻が幻想の中でも消えてしまい、結局復讐を果たしても息子は戻ってこない虚しさが残る。
タイトルなし(ネタバレ)
長いー
クマに襲われるシーンは迫力あってすごかった。
けどさすがに切り裂かれすぎてて死ぬでしょこれは。
なんで先住民と暮らしてたのかとか意味ありげな雰囲気出しといてそこには全く触れないんだ…
どんな背景があったとしても大事な息子を殺されたら仇を打ちたいと思うのは当然でそれは理解できるけど、フィッツジェラルドの行動も決して間違ってるわけではないからいざ復讐を遂げてもスッキリ感はあまりない。
グラスもそう思ってるからこそのラストカットのあの表情かなぁと深読みしてみる。
「復讐するは我にあり、我これに報いん」
19世紀のアメリカ北西部を舞台に、実在の猟師ヒュー・グラスのサバイバルと復讐を描いたウェスタン・アドベンチャー。
監督は『バベル』『バードマン』の最高に名前が覚えづらいオスカー監督のメキシコ人、アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ。
主人公ヒュー・グラスを演じるのは『タイタニック』『インセプション』のレオナルド・ディカプリオ。
グラスの仇敵フィッツジェラルドには『インセプション』でもディカプリオと共演しているトム・ハーディ。
部隊の隊長アンドリューには『ハリー・ポッターと死の秘宝』『アバウト・タイム』のドーナル・グリーソンがキャスティングされている。
👑受賞歴👑
第88回 アカデミー賞…撮影賞、監督賞、主演男優賞(ディカプリオ)の三冠を達成‼️ディカプリオは自身初のオスカーを手にした。
第73回 ゴールデングローブ賞…監督賞、作品賞(ドラマ部門)、主演男優賞(ドラマ部門)の三冠を達成‼️
第69回 英国アカデミー賞…作品賞、音響賞、主演男優賞の三冠を達成‼️
第21回 放送映画批評家協会賞…主演男優賞!
あのレオナルド・ディカプリオが、グリズリーと戦ったり動物のレバーを生で食べたり魚を『ロード・オブ・ザ・リング』のゴラムの様に貪り食ったり滝に落ちたり馬の死体の中で眠ったりする映画。たまに喋る。
こだわりにこだわり抜いた撮影によって映し出される西部開拓時代の世界は非常に美しく、また残酷。
画面越しにも寒さが伝わってくるような世界で、必死に生きようともがくグラスの姿を見るだけでとてつもなく疲れます。
160分近く上映時間があり、その時間の大半はグラスが呻きながら地面を這っているという地味な絵面。
しかし、レオナルド・ディカプリオの圧倒的な演技(過酷な撮影により本当に苦しんでいるだけな気もするが…)により、画面に引き込まれるので退屈はしなかった。
いくら実話を元にしているとはいえ、さすがにちょっと盛り過ぎではないでしょうかね。
あんだけボロボロにやられておいて、しかも応急手当てしかされていないのにも拘らず、どんどん元気になるグラスの超人さは一体なんなのだろう…
滝に落ちても、崖から落ちても死なず、瀕死の重傷でありながら複数のインディアンや白人とも渡り合う。
80年代のアクション映画の主人公よりも多分強い。
シナリオは昔ながらの仇討ち物。いろいろと哲学的な展開もありますが、基本はわかりやすい単純な映画。
かなりキリスト教的な思想が重要なポイントとなっているので、キリスト教徒であったり、特別な知識があった方が作品に入り込めるかも。
クライマックスの一騎討ちは往年の西部劇のようで非常に燃える!本当にシナリオは徹頭徹尾王道。
とにかく、ディカプリオの頑張りを見る為の映画といってもいいほどのディカプリオ祭り。
しかし、ただのディカプリオ・ファン・ムービーではない。
ディカプリオとトム・ハーディ、ディカプリオとグリズリー、白人とインディアンといった対立の構図を複数登場させて、その中でのやったりやられたりの無常感が映画を支配しています。
それぞれが生きていく為に命を奪い合わなくてはならない。大自然の中にあるのはただそれだけの、単純な自然の掟である。
その中で復讐心を持つことのなんと無意味なことか。映画のラストはまるで視聴者にそう投げかけているようです。
全体的に暗くて静かな映画ですが、個人的にこういった作品が好きなので割と評価が高めです😊
迫力
これは多分DVDで見たらつまらないと思う。
私は公開当時に映画館で見た。
自然の恐ろしさや自然の動き流れを感じれた。
レビューではつまらないやクソだと言われているけど
そんな風に言うならレビュー書かなければいいのに。
レオナルド・ディカプリオが初のオスカーを手にした作品。ベジタリアンなのに肉を食べるシーン。民族への思い。こういったことが現実にあるかもしれないのに、、
私はこの作品から得られるものがあると思います。
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自宅にて鑑賞。五度目のノミネートで初のオスカーを手にしたL.ディカプリオを始め、'15~'16年における内外の各賞を総なめにした一作。自然光に拘って撮影された濁った無彩色の寒々しい原風景に重厚乍ら主張し過ぎないBGM。科白も少なめな上、夢うつつが度々混在する未整理で説明不足な構成もあり、1823年アメリカ北西部と云う時代背景や物語のバックグラウンドを知らないとなかなか読み解けない。ストイックな作り乍ら、情け容赦無く心揺さぶられる描写もあり、喩えるなら薄味乍らコッテリ濃厚で、お腹一杯になる一本。60/100点。
・実話ベースとの触れ込みだが、“ヒュー・グラス”、“ジョン・フィッツジェラルド”、“ジム・ブリジャー”や“アンドリュー・ヘンリー”隊長等、各人の設定や末路は史実と異なる箇所があり、あくまでM.パンクが'02年に発表した原作『レヴェナント 蘇えりし者』を元にしている。亦“ヒュー・グラス”の逸話は、R.C.サラフィアン監督が『荒野に生きる('71)』として映画化している。'10年、J.ヒルコート監督がC.ベールを“ヒュー・グラス”にした企画が進行していたらしい。
・一見、不屈の精神による復讐劇だが、或る意味で唯心論的な境地に至るラストでカタルシスを得られるかは観る者を選ぶ。本篇では殆ど説明が無いが、M.ナケコ演じる“アリカラ”族の探す“ポワカ”と思われる女性の顔を憶えておくと理解が深まる。
・リアルに拘り、劇中の時系列通りにカナダから始まった撮影は暖冬で融雪した為、アルゼンチン南部の高地に移り、約九箇月間に亘り続けられた。これにより撮影スケジュールは大幅に遅れ、予算も当初の6,000万ドルから9,000万ドルと徐々に膨らみ、最終的に1億3,500万ドルとなった。
・極力CGIに頼らない作りを目指したが、熊との格闘シーンや谷底に落下するシーン、馬を射殺するシーン等はこの限りでは無い。亦、『スター・ウォーズ/帝国の逆襲('80)』にシンスパイアされたとされる馬を切り裂いた後被り、吹雪を凌ぐシーンでは、馬を始めその内臓もフェイクである。
・ひたすら喘ぎ、苦しむ“ヒュー・グラス”のL.ディカプリオは本来菜食主義者だが、A.レッドクラウド演じる“ヒクク”と知り合うシーンでバイソンの肝臓を生で食した。この“ヒュー・グラス”と対照的な心持でいかにもアクが強い存在感を示すT.ハーディの“ジョン・フィッツジェラルド”だが、当初はS.ペンが演じる予定だった(スケジュールの都合がつかなかった為実現しなかったらしい)。
・鑑賞日:2017年3月6日(月)
残酷さを超えた崇高さ
あらすじは一行でかける。
ヒュー・グラスの姿に何を見いだすか。
人間が動物にまで貶められたと取るか、それともあるべき原始の姿に戻ったと取るか。
自然光のみで撮影したという圧倒的なリアリティ。監督が特にこだわったという夜明けや、夕暮れのマジックアワーは神々しく、薄明に照らされた雪原や森林はひれ伏したくなるほど美しい。
その中で繰り広げられる命のやりとり。人間も獣も、その日生き延びることだけを考える。命のやりとりに残酷さを超えて、崇高ささえ感じる。
私は登山が趣味で、テントを背負って3~4泊山を縦走することがある。
だから、ヒューの目を通して一緒に山野を歩いている気持ちに陥った。
無心になり、ただひたすら一歩を繰り出す。 苦しさは次第に薄れ、自分の体が自分の物ではないような、その場の一部になったような奇妙な浮遊感を覚え始める。
鳥の声が聞こえたら天を仰ぎ、太陽が出てきたら立ち止まり暖かさを感じ、水があれば喉を潤しその美味さに感動し、眠るときは風の咆哮に身を震わす。
しかし日の出の瞬間は、世界がいっせいに目覚めたような感覚が肌を駆け巡り、雄叫びを上げたくなるほど無性に嬉しくなる。
ヒューは、瀕死の状態で何を考えたか。
最初は復讐にたぎる目をしていた。
しかしジョンを追いながら、肉や水が五臓六腑にしみわたる喜びを得て、メディシンマンに救われ、馬の屍肉を切り裂き腸で暖をとり、過酷なサバイブをしていくにつれ、自分が生きていることに不思議な感銘を受け、魂が浄化されていくようにも見えた。
生きたいという大きな欲と無我の境地は相反しているのに、不思議だ。
人間社会のモラルが酷く陳腐に思えるのだ、大自然の中では。
最後、ジョンの命を自然の成り行きに委ねるヒュー。結局人間がジョンに止めを刺すことになるのだが、人間も自然の一部だという表現なのかもしれない。
感動を生むのは、グリズリーに襲われる場面、突然飛んでくる銃弾や矢、崖から馬と共に落下する場面など、映像の奥行きと臨場感の凄まじさがあってこそ。
長回しの手法をとってはいるが、体験型劇場にいるような「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」とは違って、その場に放り出された感覚に陥った。なまじ、3Dなどより生々しい「生」がここにはあった。
リアルな描写と迫真の演技
まずディカプリオの迫真の演技が印象的。とくに熊との決闘はまさにリアルそのもの。生々しすぎてちょっと直視できない部分もあったけど、そこがリアルだった。たぶんあれだけの傷を負わされたら確実に死んでるけど、そこは映画の世界なので…あとはストーリーがちょっと煩雑すぎて理解するのに時間がかかった。結局は復讐劇なのかぁって。でも迫力の映像とリアルさはさすがアカデミー賞の作品だなと。
凄まじい
何と言ってもディカプリオの演技が凄まじく、今回の演技を見るだけでこの作品の価値はあると思う。
描写と音楽も臨場感がありストーリーに吸い込まれていくような作りであった。
終始戦闘シーンはグログロテスクで目を覆いたくなる場面が多数でグロテスク感があまり好みでない方は見ない方が気の為かと思います。(ちょっと夜眠れなくなるかもしれませんね)
ただ結びが何ともしっくりこない、結局妻が幻想の世界で自分から遠ざかって行く終わりにレオ様は生き延びたかったのかどうか…なんとも解釈できず。
でもこの監督さんの作品はバベルにしてもそんな感じでしたね。
そういった部分も含めてハッピーエンドではない部分でマイナス1ポイントかな。(個々の捉え方はあると思いますが)
おもかった
作りのレベルが高いので
重い内容が、さらに重く感じられる。
復讐とか、殺すとか、あんまり
好きじゃない。
ごめんなさい。
でもこういうことね、きっと。
平穏な日常の側にも、いつもあって
みえないけれど、わすれちゃいけない
戦いの世界、弱肉強食の中にいるってこと。
あとは、
最後の方の崖から落ちて助かるシーンは
ちょっとやり過ぎな気がした。
原住民に襲われ
↓
味方に置き去りにされ
↓
熊に襲われ
↓
河に流され
↓
崖から落ちて
ディカプリオのしんどそうな演技が
上手いから、観ててほんとに
しんどくなった!
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