「【単なる復讐劇ではない骨太な自然×宗教映画⁈】」レヴェナント 蘇えりし者 3104arataさんの映画レビュー(感想・評価)
【単なる復讐劇ではない骨太な自然×宗教映画⁈】
・アメリカ西部開拓時代に生きた罠漁師ヒュー・グラスさんが体験した過酷なサバイバル旅を描いた伝記モノのアメリカ映画。
・超シンプルに言うと、息子を殺された父親の復讐劇が西部開拓時代の大自然の中で繰り広げられる、という大枠ストーリー。
∟少し、詳細に記載すると…主人公グラスとその息子ホークがガイドとして同行していた毛皮ハンターたちが先住民の襲撃を受け拠点に戻る途中、グラスが熊に襲われ重傷を負う。先を急ぐ隊員たちは、もう死ぬだろうグラスを最後に埋葬するために2人だけ残して先を進む。残った2人のうち、ジョンという男が結構な自己中で、早く隊に追いつきたいからグラスを殺そうとする。それを見つけた息子ホークは止めようとするも殺されてしまう。グラスは声も出ない中、息子が殺されるところだけを目の当たりにした。やがて、2人はグラスが死んでいないのに形だけ埋葬してその場を去る。その後、生き残ったグラスによるジョンへの復讐劇が始まる、という大枠ストーリー。
[お薦めのポイント]
1.劇映画でありながらドキュメンタリーのように大自然を堪能できる
2.過酷なロケを乗り越えて撮影された骨太な映像作品
3.劇映画らしくないリアリティの追求
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[物語]
・物語の核となる部分はいたってシンプルな復讐劇。そこに自然の厳しさ、宗教的な考え方、を取り込んだ物語となっており、シンプルな復讐劇だけでは終わらない構成になっていました。
[演出]
・自然と宗教をかなり丁寧に描いています。ゆえに、上映時間も約2時間30分という超大作に。
・はじめは、単に復讐劇を観るんだな、と思いましたが、途中のサバイバルがかなり丁寧に描かれているので、趣旨を忘れてしまうほど。ただ、それがこの映画の見どころなのかもしれません。普通に便利に、生きれてしまう今とは違う西部開拓時代。火を得るのも、食べ物を得るのもとても難しい状況下で必死に生きる人間が描かれており、なんだかわかりませんが、「生きる力」を感じ取れるような演出になっているのではないでしょうか。
・熊に襲われた後の、回復の遅さ、というリアリティもすごいです。大体、この辺てはしおられるものですが、こちらも丁寧に描かれている。この丁寧さが映画の魅力かもしれません。
[映像]
・大自然が圧巻です。
・熊にやられた後のグラスの痛々しい体の表現もよかったです。
[音楽]
・「自然」にあった壮大な音楽。といって、音楽だけが目立つわけではなく、裏でしっとりと奏でてくれるものでした。
[演技・配役]
・ディカプリオさん、やはりすごいですね。毎度思いますが、苦しみの表現が特にすごいなぁ、と思います。こちらまで苦しくなるほど共感させてくれます。
[全体]
・映画の概要説明では、「ただの復讐劇」のように感じてしまいましたが、この映画は「復讐劇」はほんの一部でしかありません。どちらかというと自然の厳しさや宗教的な考え方を提供するために「復讐劇」という一本の骨を中心に通しているだけで、周囲の肉付けは全く異なるものではないでしょうか。それでも、概要説明に惹かれて一度鑑賞すると2時間30分、止まらずに見入ってしまう魅力がありました。ありがとうございました。
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