「雰囲気押しには尺が長すぎる。」レヴェナント 蘇えりし者 好きこそモノのヘタレなれさんの映画レビュー(感想・評価)
雰囲気押しには尺が長すぎる。
兎にも角にも「ディカプー、おめでとう!」の一本。
それだけ(今作での演技が好きか嫌いかは別として)鬼気迫る演技は凄かったし、それと同じくらいにトム“デキるマッチョ”ハーディ演じる悪役が素晴らしかった。
自然光云々はどうでもよいが、さすがルベツキ。
画面・映像も素晴らしい情景を切り取っている。
ただ肝心の物語はメッセージ性も薄く、演出も冗長。
結局「アメリカに来た白人は屑」という事なのだろうかと思ってしまう。
このまとめ方が嫌いなわけでは決してないが、ディカプーがなぜ混血児の父親になったのかなどの、背骨となる経緯は盛り込んでもよかったのではないかな。
結局先住民に特段の肩入れをするわけでもなく、息子の仇と言いながらチンタラぶらぶらしているような印象を、長尺ともあいまって感じてしまった。
とりあえず今作から確実に言えるのは「野生の熊は物凄く恐ろしい」と言うことか。
個人的に嬉しかったのは「なんちゃって家族」のヘタレ(偽)息子が、しっかりとした存在感のある役を演じきっていた事。
やはり顔だけで押し切らない、こうした裾野の広さは素晴らしい土壌だと思う。
ともあれデートでは決して観に行くべき作品ではないし、この作品についてしたり顔で語る方は信用しないほうが良い作品。
自分の目で観て、感じたことがすべて。
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