劇場公開日 1994年4月23日

「善悪合わせ持った人物描写が秀逸」カリートの道 根岸 圭一さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0善悪合わせ持った人物描写が秀逸

2024年8月16日
PCから投稿

 今作を観るのは2回目。前回観たときも面白いという印象が残っていた。改めて観ると、人物描写やスリリングなストーリーが秀逸で、やはり名作といっていい映画だ。

 特に主人公カリートの人物描写が秀逸。マフィアの世界から足を洗いたいが、様々なしがらみから事は簡単に運ばない。彼自身も元々アウトローなので真人間な訳が無く、問題が起きると暴力で解決しようとする昔の癖が出てしまう。しかし友人の弁護士デヴィッドに対して借りを返そうとするなど、人としての筋を通そうとする人間として魅力的な部分も持っている。そんな善悪合わせ持った複雑な人間像が上手く描けている。

 デヴィッドの人物描写も秀逸。頭の切れる弁護士だが、どう考えても殺すと問題が厄介になる人間を、自分の感情を優先させて殺してしまったり、犯罪の実行前に麻薬をやってハイになったりする。そうやって一線を越えてしまう人間的な弱さが表現されていた。

 エンディングの夕焼けに染まったビーチのシーンは、カリートが見たくても見れなかった光景で、切なさを感じられたのも良かった。

根岸 圭一
りかさんのコメント
2024年8月18日

レビューしていませんが、
もうちょっとのところで残念でした。幸せになって欲しかったです。

りか
KEIさんのコメント
2024年8月16日

共感頂きま有難うございます。ラストは切なかったですね。

KEI