「人生というリングに立つ全てのボクサーへのエールだ、これは!💥🥊」クリード チャンプを継ぐ男 たなかなかなかさんの映画レビュー(感想・評価)
人生というリングに立つ全てのボクサーへのエールだ、これは!💥🥊
不屈の男ロッキー・バルボアの人生を描いた名作ボクシング映画『ロッキー』シリーズの第7作にして、アポロの息子アドニス・クリードが主人公を務める『クリード』シリーズの第1作目。
ロッキーのライバル、そして親友だったアポロ・クリード。彼が遺した息子アドニス・クリードが、栄光を掴むためにロッキーと共に世界チャンピオンを目指す。
監督/脚本は『フルートベール駅で』のライアン・クーグラー。
○キャスト
ロッキー・バルボア…シルベスター・スタローン(兼製作/キャラクター創造)。
新たなキャストとして、主人公アドニス・クリードを演じるのは『クロニクル』『フルートベール駅で』のマイケル・B・ジョーダン。
進行性の難聴を患う女性ミュージシャン、ビアンカを演じるのは『ストレンジャー・コール』『グローリー/明日への行進』のテッサ・トンプソン。
第73回 ゴールデングローブ賞において、シルベスター・スタローンが助演男優賞を受賞!
『ロッキー』シリーズは全て鑑賞済み。とはいえ、鑑賞したのは10年以上前の事なので正直あまり覚えておらず…💦
ちゃんとついていけるのかなぁ?なんて不安に思っていましたが、そんなのは全くの杞憂でした。最高っ✨!!!
ここまで上手くいった新シリーズの幕開けは映画史上でも類を見ないのでは?
シリーズのご新規さんでも全く問題のない物語でありながら、過去作ファンへの目配せも忘れない。
勿論『ロッキー』シリーズを全て観ている方が楽しめると思いますが、この映画から観始めても充分に満足出来る作品になっていると思いますね♪
まず邦題が良い!原題がただの『creed』なのに対して、邦題は『クリード チャンプを継ぐ男』。これは明らかに過去作の邦題の付け方を踏襲しています。こういうの大好きっ!
クリードことドニーは、貧しい三流ボクサーだったロッキーとは真逆の立場の人物として描かれています。
大豪邸に住み、高級車に乗り、大企業に勤め、しかも若くして出世するという何不自由の無い生活。
しかし、抑えることのできないボクサーへの憧れが彼を突き動かします。そして全てを投げ出し、ロッキーのいるフィラデルフィアに移り住むわけです。
物質的に恵まれている立場にある男が、全てを捧げて自分の夢に突き進む姿を観て、燃えない男はいないでしょう!🔥
ドニーとロッキー、2人が心を通わせていくバディ・ムービーとしても一級品。
最強の世界チャンプに挑もうとするドニーと、自らの病と闘うロッキー。
人種も年齢も対照的な2人が心を通いあわせ、互いに励まし合いながら各々の死闘へと赴く様は観ているものの心を奮い立たせること間違いなし!
画面のスタイリッシュさや、ヒップホップやR&Bを中心とした劇伴音楽はいかにも現代の映画といった感じなのですが、根底にあるのは70年代から脈々と伝わる『ロッキー』のソウル。
『1』の公開から約40年も経っているのにも拘らず、その魂しっかりと受け継いでいるという一分の隙もない完璧な『ロッキー』の後継映画!
とはいえ、ストーリーラインは清々しいまでに『1』をなぞっているため、新鮮さはないかも知れません。ここは評価の分かれるポイントかも知れないですね。自分はそこも込みで大好きですが…。
満を持して流れるロッキーのメインテーマや、フィラデルフィア美術館の階段を2人が登るラストシーンなどは、過去作のファンなら心動かされずにはいられないでしょう。
本当にこの映画は熱すぎて泣ける!
あらゆる場面が過去作へのオマージュに満ちており、製作陣の愛の強さが伝わってきます。
『ロッキー』の名前に胡座をかかず、一本の映画としてクオリティの高いものを目指しているこの作品は、クリードの姓を誇りながらも、その呪縛から逃れようと足掻く主人公ドニーとリンクしています。
おそらくこの映画は、そこまで考えて作り込まれている。
そんな映画が傑作でない訳がない!
まだまだシリーズは続くようですが、これからの展開がただただ楽しみです!
※今回日本語吹き替えで鑑賞しました。伝説の名優、羽佐間道夫の吹き替えで『ロッキー』の新作が観られる。こんなに嬉しいことはない…😭