「素敵な映画を、ハリウッドよありがとう!」クリード チャンプを継ぐ男 Cディレクターシネオの最新映画レビューさんの映画レビュー(感想・評価)
素敵な映画を、ハリウッドよありがとう!
スターウォーズ同様
誰もが感銘深い、
1976年から続いた「ロッキー」。
最終話「ロッキー・ザ・ファイナル」は
ネタ切れ感も否めなかったけど、
きっちりシリーズを終わらせていましたね。
そんなアメリカンドリーム映画を代表する、
不滅のロッキーシリーズが、
「アポロの息子」というドラマを背負って
帰ってきたんだから
期待せずにはいられませんね。
スタローンは頑なに拒んだらしいけど、
若干29歳の監督が口説き落として、
この奇跡が実現したらしいです。
主人公クリードが背負うドラマは、
共感に充分すぎるほどのネタに溢れ、
それらをを収束させる脚本も良くできてます。
テーマはやっぱり「男の生き様」。
すべてのハードルを乗り越え、
プライドや家族や夢に命をかける。
そんな男たちが美しく描かれているのは、
さすがの真骨頂です。
従来のファンには、
嬉しいオマージュがたくさん。
まずフィラデルフィアの街並みがたまらないし、
出てくるジムやトレーナーも、
初期作品からの流れに忠実です。
ミッキーやエイドリアンやポーキーがいた路地裏が、
蘇ってきてぐっときますね。
この監督もSWのJJ同様、
ロッキーシリーズを愛してやまないのでしょう。
最後のあのテーマが流れてきたあたりで、
もはや号泣でした。
試合の激闘シーンが、
リアルですごい迫力。
あまり見たことがない
長回しのファイトシーンは、
どうやって撮影してるんだろう。
リバイバルではなく、
実験的なチャレンジにもあふれていて、
感心しました。
主人公マイケル・B・ジョーダンのクリードは、
とにかく良かった。
だんだんアポロに似てくるから不思議です。
彼はファンタスティック・フォーでも好演してたけど、
ここまでストイックなボクシングシーンを撮影するのは、
並大抵のことではなかったはず。
全ては彼の存在感が支配していました。
そしてスタローンは、
いい歳の取り方をしてるなぁ。
もう完璧な演技でしたよ。
アカデミー助演の候補になるのでは。
派手なアクションが多かった近年ですが、
渋い演技をどんどん見せて欲しいですね。
いやぁ、ロッキーでした!
スポ根ドラマ感動の黄金比で、
見事に感動に導いてくれます。
しばらく席を立てなかったのは、
セッション以来でしたね。
自分が掴みたいものに立ち向かっていく様は、
すべての男たちにエールを贈ってる。
明日からまた頑張れそうな気にさせてくれるのも、
こんな映画の魅力ですね。
スタローンが健在なうちに、
こんな素敵な企画を立ててくれて、
ハリウッドよありがとう。
久々に出会えた、
星条旗的な感動大作でした。