劇場公開日 2015年12月19日

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「侮るなかれ、これは、史実を刻んだ名作だ!」ストレイト・アウタ・コンプトン Cディレクターシネオの最新映画レビューさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0侮るなかれ、これは、史実を刻んだ名作だ!

2016年5月23日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

楽しい

興奮

ブルースやパンクなどの
新しい音楽が生まれたのは、
虐げられてきた人々の叫びから。
そして同じく、
80年代のRAPミュージックもですね。
何となくしか知らなかった、
そんな歴史の1ページを目撃できる映画です。

伝説のヒップホップグループN.W.A.の、
結成からのサクセス、解散とその後を、
ドラマティックに描いていきます。
タイトルは彼らのデビューアルバム、
Straight Outta Compton。
コンプトンとは、
カリフォルニア州の貧困犯罪都市。
そこで生まれた幼馴染みで、
1986年に結成された伝説のグループです。

フロントマンEasy-Eは麻薬の売人だったけど、
後のメンバーは普通の大学生。
そんなリアリティも、実話ならでは。
彼らから超過激な
ギャングスタラップが生まれた背景は、
LA警官などの横暴な黒人差別。
けど暴力ではなく、
オンガクでリベンジしたのが、
レジェンドなんですね。
その危険すぎるムーブメントは、
瞬く間に全米を支配し、
FBIのリストにも乗るハメに。
興奮に包まれた80sの躍動感が、
ビシビシと響いてきます。

彼らの全てはリアル。
RAPに乗せたリリックも、
生きざまも、女好きも、
裏切りも友情も。
そしてライバルとかをディスりあう、
大人気ないとこも(笑)
そこは微笑ましかったけどね。

80sのLA文化のディテールも、
しっかり描かれていて、
現在の日本の若者が着てる
HIPHOPファッションの原型が見れますよ。
チカーノから発祥したローライダーも、
見応えがあります。
1964年シボレーインパラを
カスタムすることが、
ステイタスだったのは面白いですね。

アイスキューブは
アカデミー映画
「ボーイズ’ン・ザ・フッド」で、
知ったラッパーです。
彼は俳優でも大成功したけど、
今作では息子さんが演じていて、
ホントにそっくり!
RAPも筋金入りです。
他の演者も、
存在感があって良かった。
本人たちは知らないけど、
きっと似てるんでしょうね。

フツフツと溜め込んだ
フラストレーションを爆発させ、
成功を掴んでいく様に
爽快感を感じる2時間。
RAPがわからなくても、
グッドフェローズみたいな、
どん底の友情もので、
物語としても十分楽しめます。

何より近年に起こった革命が、
史実としてていねいに描かれた名作でした。
これこそ大音量の劇場で観るべきかなぁ。
もっと拡大上映すればいいのに、
あぁ、もったいない!

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