「アフターマス」ストレイト・アウタ・コンプトン ヨッシーさんの映画レビュー(感想・評価)
アフターマス
2016年劇場1本目。
映画としての完成度ははっきり言って凄く高いわけではない。
全米で大ヒットした映画だからといって、ヒップホップに興味もないのに見に行ったら途中で飽きる人もいると思う。
でも、あの時代のヒップホップを聴いた事があり、ある程度の人物相関と曲を知っている人には本当に感慨深い作品になること間違いなし(僕もリアルタイムで聴いたわけではないが)。
グループや名曲誕生秘話的な要素は比較的薄く、イー、ドレー、キューブそして白人マネージャーを中心にドロドロしたビジネスと暴力と人種問題と乱交(←重要)を主に描いており、バイオレンスムービーとしての描写はなかなかレベルが高い。
随所で披露されるN.W.Aの名曲にラップファンならテンションが上がることは間違いないし、ウータンクランがクラブでかかってたりとイーストコーストファンへの配慮(?)も小憎い。
途中で出てくるスヌープと2pacがあまりに似てて、というかネタだろってくらい似せてて、思わず笑ってしまった。
ラストにドレーがシュグに反旗を翻してニューレーベル名である「アフターマス」と言うシーンは格好よすぎたし、アフターマスとドレーのその後の大成功があるだけに最高に胸のすくシーンとなっている。
(ちなみに、劇中でもクズの限りを尽くしてたデスロウレコードのボスであるシュグ・ナイトは、映画では描かれてなかったが2pacが殺された現場に居合わせたり、ビギー殺害に関与してる疑惑があったり、殺人容疑で逮捕されたりと実際にとんでもない輩。)
あとはドレー役の俳優がもうちょっと表情、体格ともにイカツければ完璧だったなー。
デンゼル・ワシントンがもうちょっと若ければ適役だったかも。
とにもかくにも、ラップファンなら必ず見るべき作品。
ラッパーは意味不明なほど衝撃的な人生を歩んでる人が多いから、色んなラッパーで映画作ってほしいわ。