劇場公開日 2015年12月26日

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「憲兵隊は怖い」消えた声が、その名を呼ぶ kossykossyさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0憲兵隊は怖い

2019年7月5日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

怖い

 道路工事をさせられていたが、男たちはいきなり切り捨てられるかのように処刑される。兵士たちではなく監獄から釈放された者たちによってであり、ナザレット(ラヒム)を殺そうとしたメフメトは手が震えて切りきれなかったのだ。罪の意識によりメフメトはナザレットの逃亡に手を貸し、やがて脱走兵たちと行動を共にする。そして、その隊からも離れ、一人故郷を目指すナザレットであったが、難民キャンプで瀕死の義姉と出会い、家族は全員死んだと伝えられる。失意の下、放浪するナザレットはナスレディン(フーリ)という石鹸工場の社長に助けられ、工場で働くこととなり、やがて戦争が終結すると、その工場が難民キャンプとなる。

 チャップリンの映画なんかも上映され、ひとときの幸せを味わってたナザレット。そこで鍛冶屋の弟子だった男に再会し、双子の娘が生きていると告げられる。もう生きる希望は娘たちを探し出すことだけと感じた彼は国中の孤児院を探して娘たちの行方を追う。ようやく手がかりを与えてくれた孤児院では、彼女たちが結婚を世話され、今はキューバにいると言う。船で働きながらキューバへと渡り、教えられた住所の床屋を探し当てるが、娘ルシネは足を悪くしていたせいで結婚を断られて、今はミネアポリスの工場にいると聞かされる。

 もう、とにかくナザレットの大冒険。結婚を断った男を殴り倒し財布を盗んだり、フロリダでは銃で脅す男と戦ったり、鉄道会社では逆に殴り倒される始末。アメリカを彷徨い、次なる行先はサウスダコタ。ようやくルシネを見つけたナザレットは声が出るようになっていた。そしてアルシネが感染症で死んだと伝えられるが、彼女とともに生きて行こうと決意するのであった。

kossy