「本当のギフトの意味に…(怖)」ザ・ギフト bunmei21さんの映画レビュー(感想・評価)
本当のギフトの意味に…(怖)
俳優のジョエル・エドガートンが、初めてメガホンを撮り、本人自身も犯人役として演じている作品。あまり話題にはならなくて、我が郷土では上映しているところも無く、観逃していたのだが、huluで鑑賞。何気ない日常が、次第に追い詰められ、忍び寄る恐怖によって、カタストロフィーへと導く様を描いたスリラー・サスペンス。
仲むずましい夫婦が、新しい生活を始める為に、転居した先で、夫の同級生の男と出会う所から、その恐怖はスタートする。その男の事は、夫も忘れているほど、決して仲の良い男ではなかったのだが、男からは新居に様々なギフトが届くようになる。最初は、再会を喜び合い、食事を共にしていたが、次第にギフトもエスカレートし、男に対する不信感が漂い始める。そんな折に、池の鯉が殺されたり、飼い犬が行方不明になったりもする。
男への疑念が膨らむ中、妻は、その男と夫の高校時代の秘密を知ってしまう。そして、真実が明らかになった時、サイコパスとも思える男の執念によって、夫婦の関係は、破局の道へと転がり始める。そんな中、妻は子供を身ごもるのだが…。タイトルの『ギフト』に込められた、背筋が凍るような真の意味が、明らかになっていく。
男がヒタヒタと忍び寄るホラー要素、隠されていた過去の秘密を暴くミステリー要素、そして、幸せな生活が次第に崩れていくサスペンス要素と、低予算ながら、最後までハラハラさせる、非常によくできた作品として仕上がている。ジョエル・エドガートンの監督としての手腕も、なかなかであることを実証した作品となった。
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