「エドガートンってオールマイティなので賞?」ザ・ギフト 幸ぴこリンさんの映画レビュー(感想・評価)
エドガートンってオールマイティなので賞?
親切から恐怖へと変わる贈り物(ギフト)と、2人の男の過去の確執が絡み悲劇を生みだすサスペンス。
主要人物3人の関係とキャラクターがリアルで目が離せないドラマだった。ご近所関係も何かリアリティがあっていいw
誰にも平等に優しい心を持ち、物事には白黒ハッキリ付けたい妻、ロビン。
パーフェクトだけど利己的で、更に本性を秘めている夫、サイモン。
優しく気遣い屋だけど、内に憎悪に揺れ掛ける炎をチラつかせる元友人、ゴード。
特にゴードには最後まで感情移入してしまう。彼も彼でロビンを傷付けたくは無いという思いを行動にも、表情にも滲ませているから同情してしまう。
ロビンがちょっとゴードに対して優しすぎるのが違和感だったかな。(でも寂しげで親切なゴード相手なら、自分も献身的になりそうだ。)
過去を水に流してあげたくもサイモンの態度がけしからんのでそうは出来ず。
結局のところ全部サイモンが悪くね?因果応報じゃね?としか思えないわけで・・・。
ラストのサイモンとの電話のやり取りにだって、完全にゴードが悪人ではない感じがぷんぷん出ている。
サイモンだけが痛烈に打ちのめされ、この先の未来にも永遠にその辛さを引きずったまま生きていかなければならないという最大の屈辱を与えるラストはこの作品にはとてもぴったりだったと思う。もっとも、ロビンもロビンでだいぶ被害をこうむったわけだけれど、夫が利己的を通り越したクズ野郎だったという事実に気付く事が出来たのはある意味彼女の未来にとってはプラスだったのではなかろうか。汚すぎるぜ、サイモン!
序盤ギフトに始まり、中盤で一旦贈り物から視点が逸れ、過去の確執に焦点が当てられていくと「あれ?そろそろギフト関係なくね?」と一瞬思わされたのがラストにはこんなとんでもない贈り物がされていたとは!いや、されていたかも、どっちかわからんってオイ!!!そんな風に焦らされるハッキリしないオチも、この映画なら許せる、すっきりと受け入れられた。