永い言い訳のレビュー・感想・評価
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元木
ちょっと乗れない部分もあったけど、結末にかけて尻上がりに面白くなっていった。
“人生は他者だ。”というそれそのものの映画。
モックンはピストルであり、そのピストルはミスターサタンと触れあうときの魔人ブウだと思う。
子役二人がすごくよかった。
4
愛について考える映画
濡れ場のシーンがあり、母親と観に行ったので、やるせなかったです!全体的には、『愛のある映画』だったと思います。最後まで観ないと、この映画の良さには気付けません!恋愛のような、小さな?愛よりも、もっと大きい愛、人間愛、家族の愛を大切にして生きていこうと思いました!
愛し始めたのは妻ではない。
"妻が死んだ。
これっぽっちも泣けなかった。
そこから愛しはじめた。"
『永い言い訳』
(あらすじ)
交通事故で妻:夏子(深津絵里)を亡くした、小説家の幸夫(本木雅弘)。
しかし、夫婦間は冷めており、妻の死を悲しむことができない。
同じ事故で夏子の友人:ゆきも亡くなっており、その夫:陽一(竹原ピストル)の自暴自棄を目の辺りにし、自分とは全く違う妻への愛情に唖然とする。
そして、その利発な息子とその妹の世話をする過程で、幸夫にも新たな気付きが……。
冒頭、幸夫が夏子を罵るシーンで始まる。
小説家のPNは津村啓ですが、本名は衣笠幸夫。そう、鉄人:衣笠と読み方が同じなんです。
幸夫は夏子に、電話に出る時「衣笠」と名乗るな。
自分を「幸夫くん」と呼ぶな。あの鉄人と比べられる人生がどれだけ嫌だったか、分かるか?とくどくどと言い続けます。
夏子は「だって、昔から幸夫くんって呼んでるし、衣笠って名字、私は好き」と、涙目になって反論します。
このシーンで、健気な妻、捻れたコンプレックスを抱えている嫌な夫→その後、愛人(黒木華)登場で、可愛い奥さんいるのに、ひでぇ夫の図式となる。
で、奥さんが事故にあった時、幸夫は愛人とHしており。
あとは本作のキャッチ通り「妻が死んだ。これっぽっちも泣けなかった。そこから愛しはじめた。」となる。
トラック運転手であまり子供の世話ができない陽一の代わりに、幸夫はその役目を引き受ける。
それって観客には、幸夫のマネージャー曰く「子供を育てると、自分の今までの罪が帳消しになるような気がする」的な、つまり妻が死んだ瞬間に愛人とやってた自分の罪を浄化したい行いに思えるかも。贖罪ですね。
ただしですね、このキャッチをよくよく読むと、「そこから愛しはじめた」のが、妻だとは言ってないんですよ(笑)
やべ、ひっかかったー!
実は本作、妻の死は背景でしかありません。
だって中盤、夏子のスマホが復旧して、そこに「もう(幸夫を)愛してない」ってあるんですもん。妻も幸夫を愛してないし、幸夫も妻を愛してないんですよ。
相手は自分に醒めたまま逝ってしまったので、こっちだけ良かった思い出に浸って「愛し始める」ことできませんよね?
だから、今までの夏子との生活、殆ど思い出してませんし(笑)
じゃぁ、何を愛し始めたんでしょうね?
それは、冒頭のシーンが鍵ですよ!
『西川美和監督自ら書いたベストセラー小説を映画化した「永い言い訳」をみると、本当にこの監督は男を描かせたら一流だとわかる。一方、女性キャラは冒頭、あっという間に退場する。いかに女に興味がないかも良くわかる。』
某有名?映画批評家の方が、こう仰っていたけど。
女に興味がないというか、極めて女性目線で撮られた映画だと思いました。
西川監督が本作で描いている男達は、あくまで女性から見た理想の夫像じゃないでしょうか?
妻が急に死んで、夫の部屋は雑然とする。
夫は、愛人との関係に後ろめたさを感じる。
また、その愛人からは愛想尽かされ、孤独となる。
またはカップラーメンをすすり、子供達そっちのけで妻の不在を嘆き続ける。
新たな女性と出会うも、それは妻が安心するような家庭的なタイプ。
妻としては、自分がいなくなったら、夫にこうなって欲しい的な。
私の知人は、奥さんが死んだその夜に女の子をナンパしていましたよ。
いや、だからって、彼が奥さんの死を悲しんでいないわけではない。
悲しみの表現は、ひとそれぞれですからね。
登場人物に、いまいち魅力を感じませんでした。
もうちょっと、生々しい感情が渦巻いてるお話かと思ってたので。
唯一、生々しかったのは、もっくんの白いおけつと、マグロ状態の黒木華のシーンですかね(笑)
あと、なんだかんだで、もっくんかっけー!
パンツ履いてる俳優
監督はモッくんをかなり追い詰めたというけれど…モッくんはきっと根っからの良い人なんだね、笑。
でもそこが後味の良さに繋がってるのかな。
ピストルさんの演技があってグッと締まった。
そしてほんのわずかな出番なのに、
存在感が凄い深津絵里。
また郊外の街の撮り方が印象的でした。
とても良かった。
小説を読んだわけでもないし、特に西川監督のファンだというわけでもなかったのですが…予告を観た時にとても気になっていた作品です。
本当に良かった。
とても繊細な流れ、でもとても鋭くて、心の奥底に響くものがありました。
幸夫と亡くなった夏子の間にはもう愛情はなかったし、子供もいなかった……自由でわがままな幸夫は嫌な夫だし、嫌な人間だったと思います。
だから幸夫は夏子の死を悲しむことが出来なかった………でも、共に亡くなった夏子の親友ゆきの夫と子供達との交流で、彼は妻夏子の存在の大きさに気付くし、人を思いやる気持ちや人間らしい心を取り戻します。
この過程が淡々としてるのですが、とてもナチュラルで本木雅弘さんの演技の上手さを感じました。
そして子役の2人の演技も本当に素晴らしかった。
これといった大きな展開があるわけでもなく、静かに感情の動きを読み取るような作品でしたが、とても心に残りました。
予期せぬ別れってある。
@シネマロサ、オダギリジョーさん、西川美和監督のトークイベント込の鑑賞。
+パンフレットの監督のコメント読了。
とてもよかった〜
とても大人向け。
大事な人(って後から気付くこともある)との別れって、予期せぬタイミングでも突然起こりうる。
病気の人が亡くなる、とかそういうことではなくて突然。
例えば、監督のコメントにもあったように、朝些細なケンカをしてしまった夫婦が、3.11の震災で生き別れてしまったり。
この映画のように、冷め切った関係の夫婦の妻が、不慮の事故で突然死んでしまったり。
いつでも関係性を修復できると思っていても、もし、突然の別れが来てしまったら
二度と修復出来ない。
誰が悪いでもない、このモヤモヤを一体どうしたらいいのか…
主人公の面倒くさい性格や、
同じタイミングの事故によって妻を亡くした夫の、妻を忘れられないまっすぐな態度や、
突然お母さんがいなくなって、でも懸命に生きようとする子供たちの
それぞれの視点が、お互いの関わりによって徐々にスタンスが変わってきて
人間の成長や、家族ってどういうもの?っていう問いなど
頭を悩ます題材のとてもとても多い作品でした。
今年豊作と言われてる邦画だけど、年内に見れてよかったなぁ。
西川監督は、変わらず追いかけようと思う。
オダギリジョーさん、西川監督、とても素敵な方々でした。
素晴らしい‼︎
冒頭からたわいも無い口喧嘩をしながら夫の髪を切る妻。
亭主関白なのか?
妻、夏子が友人と旅先でバス事故に遭い死んだ。
悲しみより合理的にその場で火葬した夫。
葬式で妻の美容師仲間に罵倒される作家の幸夫。
なぜ?嫌われてるの?
警察の事情聴取にしても妻の事を全く知らない幸夫。
20年と言う時を幸夫は自分の為だけに生きてきたからなのか?
妻の留守に女と不倫。
罪悪感は流石にあるらしいが妻の死に対する悲しみが見えない幸夫。
幸夫自ら大宮家の子供達の世話をかって出る。
どうした?子供に興味を持ったか?
それとも中学受験を諦めかけてるお兄ちゃんへの同情?
子供達と過ごす事で幸夫の他者を思いやる気持ちが知らず知らず芽生え始めた。
地震のシーンは実に良かった。
そんな日々の中にある変化が。
科学館の女の先生が大宮と親しくなり、両親が子供の一時保育預かりを自宅でしているのでどうかと話す。
幸夫は生きがいに成りつつあった子供達との時間を取られてしまうと嫉妬し皆んなの前で醜態を晒す。
亡き妻の壊れたスマホが一瞬起動し幸夫へのメールを見た…ショックだった…
作家先生としてチヤホヤされてきた人生。
亡き妻の他者への関わりに触れた幸夫ははじめて妻という大切な存在を失った事に気づく。
無理に忘れる事はない。
想い出と一緒に生きて行けばよい。
大宮と衣笠、同じ遺族でありながら故人に対する悲しみの度合いの違いや、家族の形など対象的でありながらも最後は一つにまとまるところがすごいなぁと思った。
人生は他者…深いです。
すごくよかった
おじさんが育児で癒されるという、普段オレがやっていることそのものが描かれており共感したり感涙したりであった。
小6の男の子はすごくいい子なんだけど、もうちょっと子供らしさがあってもよかったのではないだろうか。お父さんが子供っぽいからそのコントラストで大人っぽい子供に描いていたのかもしれないのだが、子供らしくお父さんに反発するのだが、内容が立派すぎてあんまり子供らしくなかった。高校生でもそんな感じではないだろうか。
5歳くらいの女の子がめちゃくちゃかわいくて、あんな子に懐かれたら溶けてなくなってしまいそう。
もっくんは選択して子供を作らなかったようなのだが、年頃の女性と交際して結局子供を作らず、作る機会を奪ってしまう行為の罪深さはもっと広く言われてもいいと思う。吸血鬼のような行為だ。極論だけど、浮気で愛人であったとしても子供は作ったほうがいいと思う。時期を逃すと取り返しがつかない。
先に死にたい
最初の髪を切ってもらうシーンでいきなり何故か号泣してしまった…
いつからこんな夫婦関係になってしまったのか?
幸夫が変わってしまった?いいえ幸夫は変わってない。結婚前から少しも。
夏子が変わったのだ。
遺影の夏子が本当に美しかったな
やっぱり私は先に死ぬ事にした。
木村多江の使い方
モックンは普段もああいう感じだと思えるほど適役だった。自意識過剰で自己顕示欲が強くて他人より自分を愛してるっていう雰囲気。でも妻の友人の子たちと接するシーンは、実際に3人の子がいるからなのかとても自然で微笑ましかったな。竹原ピストルの演技は決して上手くはないけどまあまあ存在感あった。
最後のテロップで木村多江って出てたのだけど姿を見た記憶がなく、気になったのでネットで調べたら電話の声だけの出演だった。奥さんを事故で亡くした直後にあった電話。留守番電話の長いメッセージには、すごく心配している様子からだんだん怪しい宗教に誘い込むような感じになって行く様が何ともおかしかったのを思い出した。確かにあの声は木村多江だった。でももったいない使い方するなぁー。
全体的にはやっぱり原作本の方がよかったという気持ちが強い。また読み直してみたくなった。
パンフレットをじっくり読みたかったのに完売で入手できず残念。行けそうな他の映画館に問い合せても完売との事だった。せめて公開期間中は在庫確保して欲しい。
胸に突き刺さった
小6で母親を亡くした経験があるので、主人公に感情移入する気満々で鑑賞しに行ったものの主人公と長男に特に強い共感を覚えました。
別の日に今作を観た知人は「母親が死んだのに子供がドライすぎてリアリティが無かった。」と言っていましたが
自分も葬式で泣けなかったし、そんな自分が不思議で嫌だった頃の記憶が鮮明に蘇りました。
どんなに聡明な子供でも簡単に家族の死は受け入れられるものではないことをきちんと知っている作品で好感。
そして現在の自分に痛いほど突き刺さるのは主人公の思想や振る舞い。
純粋な人間であれとは思わないけど愛情は大切にしなければと思いました。
「もっくん」の凄さを知らされました。
もっくんを映画で観るのは
初めてでした。
西川監督の映画も初めて。
どこかしら河瀬直美監督を
感じさせるのは、
女性監督だからなのか。
演出がとてもナチュラルだからなのか。
まずは、とにかく
子役が可愛い^_^
すごくナチュラルな演技でした。
これはもう、演技じゃないのかも(^^;
洗濯物のたたみ方を
妹ちゃんがもっくんに教えるシーン。
本当に日常を切り取ったかのような
そんな素敵なシーンでした。
わがままな年頃の妹に
イライラするお兄ちゃん。
でも、お兄ちゃんだから。
と自分を抑え込もうと大人になる。
でもやっぱりまだ6年生。
父親にも反抗してしまう。
竹原ピストル
演技がむちゃくちゃ
うまいとは思わないし
この映画を引っ張ってる、
とまでは言えないと思うが、
この映画になくてはならない存在。
こんな親父おるよなぁ。
えてしてこんな親父の息子ほど、
しっかり者になる。
で、そんな父親が恥ずかしくて仕方ない(^^;
わかるわ〜。
池松壮亮。
おそらく世代的に「ゆとり」?
自分よりもずいぶん年上の主人公を
どこか達観した目で見守る。
常に冷めてる感じか
ナイスキャストでした。
あらすじから想像されるよりも
重たくなく、気軽に観に行ける。
でもちゃんと心に刺さるものがあるし
泣けるし、クスッと笑える。
もっくんと子供達の
アドリブ?とも思えるやり取りは
自然と笑顔になりました^_^
強い人はね。
逃げずにちゃんと
悲しみと向き合っている。
だから涙が出てくる。
泣いてるから弱いんじゃない。
この言葉には、泣かされました。
やっぱりこの映画は
もっくんにつきます。
すごい役者さんですね。
オープニングで
奥さんに髪を切ってもらってるシーン。
20年も連れ添ってるのに
微妙な「よそよそしさ」を
あそこまで醸し出せるのは凄い。
主人公は
自分に自信がなくて
とにかく女々しい。
イライラするくらい女々しい。
本当はいいやつなのに。
それを見事に演じてました。
なんで、みんなで楽しく鍋食べてんのに
そこで、あーゆー事言うかなぁ(^^;
映画とは分かりつつ
本気でイライラしました(^^;
カップルでも
家族でも、
もちろん夫婦でも
誰にでもお勧めできる良作です。
西川美和監督と
本木雅弘。
今後追いかけたい
監督と役者さんに出会えた日でした。
個人的には
河瀬直美の作品で
もっくんを観てみたい^_^
カメオ出演でいいから
樹木希林も一緒に^_^
よかったかと。
主人公の理屈っぽいとこ、だーいすき。
いるよねーこーいうやつ。自分にもある。そんなとこ。
担当の編集者が、カフェ?で諭すシーンが印象的。
嫁の友達の子供の面倒見るのって逃げなんだね。
確かにそー。気付かなかった。
なんか自分が反省。。。
あと作家にそこまで言える編集者って凄い。
仕事の信念、凄いね。間違ってない。
常にそうありたい。
本木雅弘演じる性格悪い夫、幸夫。 20年連れ添った妻、夏子がバス事...
本木雅弘演じる性格悪い夫、幸夫。
20年連れ添った妻、夏子がバス事故で亡くなってしまう。親友、ゆきと一緒に。
妻が死んでこれっぽっちも泣けなかった幸夫と母親が死んで泣けなかった真平くん。同じ泣けなかったでも相手に対する思いが全く違うよね。でも、共通しているのは髪の毛が伸びていくこと。髪の毛で日常の変化や気持ちの変化が伝わるって見事だったわ。
良い「映画」でした。
小説は知らないし、何の前知識もなく監督が西川監督だということも知らずに鑑賞しました。
作り込んだ画ではなく、生々しい画作りや演技がとても良かったです。本木雅弘さんは特に印象に残ってる方では無かったのですが、役にハマっててとても素晴らしかったし、子役の子も自然でとても良かった!
西川監督の「ゆれる」も好きなのですが、心情を表現する時の表現方法がストレートにわかりやすくっていう感じではなく、ちょっと回りくどく表現されている感じが今回もあって個人的にはとても好きでした。
まさに「映画」って感じでした。
わかりやすいストレートな感動が好みな方はちょっとわからなかったり物足りなさを感じるのかな?とも思いました。
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