「全体的に散漫、毛色が悪いのが数少ない褒めどころ」クリーピー 偽りの隣人 たいよーさんさんの映画レビュー(感想・評価)
全体的に散漫、毛色が悪いのが数少ない褒めどころ
これが初めての黒沢清作品。なんか、毛色の悪い洋画を観た気分。たぶんこの感情を引き出させたかったのだろうから、間違ってはなさそう。
率直な感想として、一貫性がないと思った。サスペンスにもホラーにも見せようとしてるんだろうけど、役割演技がなってないよね。誰をどこに置いたことで機能する、とかじゃなく、宙に浮かんだ謎をシレッと入れて終わらす。そんな感じ。だから、隣人で元刑事で犯罪心理学者で…って人物が絡まっていくのは分かるとしても、それをあらゆる角度で見せてくるので散漫に写る。また、失踪事件を軸に捜査する一方、家庭が散らかり始めていく訳だが、割と単純に謎が拓けたのがどうもハマらなかった。人物像が浮かんでから、長く見えて仕方なかった。かと言って、ハッピーになる訳でもないので、間延びしている印象。終盤疲れっぽく、それが答えかって感じ。
とやかく言ったものの、この監督はジャンルの広さが持ち味だから、いろいろ触れないとわからない節はありそう。とりあえず、思ったよりリターンが無かったって感想。
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