「そこまで悪いか?」クリーピー 偽りの隣人 明烏さんの映画レビュー(感想・評価)
そこまで悪いか?
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酷評が多いが、普通に楽しんで観れた。
黒沢清監督の恐怖演出は流石!の一言。
日常に当たり前に存在する風景をこうも不気味に撮ってしまえる物なのかと毎度感心する。
画面に作る「隙間」も絶妙。何もないただの背景をいかにも意味ありげに見せるカットが多かったりするのも効果的な恐怖演出だと思う。
正直、僕は全然観られる映画だと思います。
確かに洗脳の過程は描写不足だったし、基本的にヘタレだから自ら手を下したがらないって設定も、あっさり母親を射殺するシーンを入れてしまったために効果が薄くなっているし、そもそも暴力が出来ない設定の時点でこのテの映画での見せ場を削ってしまっているようなものだ。
演技に関して、香川照之だけでなく、竹内結子や西島秀俊、その他の演技も十分なレベルだと思う。
基本的にこの映画は出てくる主要人物が全てサイコパスだと思わないとダメだと思う。
いつも自分の事しか頭にない西島も、手作りチョコやシチューをお隣に差し入れる妻も、完璧に洗脳されていないはずなのにとりあえず従っているミユも、全員サイコパスの気がある。
香川みたいなのは勿論だけど、西島夫妻みたいな隣人も僕はごめんです。西島秀俊の棒読み演技はある程度(あくまでもある程度)そういうのも意識しているとは思う。
あと、酷評されている意見の中に車のシーンが安っぽいって意見がちらほらあったが、あれは監督の拘りです。あんなの、今の時代に、わざとじゃなきゃやらんでしょ。
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